2009.10.12

映画『ナンパの定石』(お薦め度★★)

監督、オ=ギファン。脚本、シン=ジョング。原題『The Art Of Seduction』。2005年韓国。ラブコメディ映画。ソン=イェジン(ジウォン)、ソン=イルグク(ミンジュン)、ヒョン=ヨン(スジン)、ノ=ジュヒョン(ミンジュンの父)、 ユン=ヨンジュン(ノ整形外科医)、アン=ソニョン(オ神経科医)、パク=チュンギュ(ポン社長)。

ソン=イェジンに“哀しきヒロイン”を演じさせたら世界でもトップクラスです。『ラブストーリー』での泣くシーンは絶品でした。『四月の雪』でヨン様と共演した後、日本から芸能活動を撤退しオフィシャルサイトが閉鎖されてからというもの、ほとんど彼女の情報が入らなくなりました。熱烈なファンを自認していますが、ここ数年ほど彼女の話題から離れています。今年になって韓国ドラマ「スポットライト」がNHKで放映されたり、『妻が結婚した』が公開されているようですが、『私の頭の中の消しゴム』以降作品に恵まれていないようです。両作品ともに見送りました。あれだけ才能がある女優が活躍していないのは勿体無いですね。

彼女が日本で人気絶頂だった頃に韓国で公開され300万人を動員したにもかかわらず、日本では上映されていなかった本作をようやくWOWOWで鑑賞しました。

ほとんど面白くありません。
物語に深みが無く、人物像が薄っぺらです。男女のプロのナンパ師が主人公ですが、そもそもプロのナンパ師という設定がわかりません。結婚詐欺師っぽいのですが、お金を巻き上げようとする犯罪性が低く、単に恋愛の駆け引きに情熱を持っているだけのようです。その二人が相手の素性がわかった上で互いを夢中にさせようと恋の策略を巡らすというほとんど無意味な物語です。演出がコメディ一辺倒で、演技もベタベタであるため誰が演じてもいいような内容でした。チャン=イーモウ監督の『HERO』と『フラッシュダンス』のパロディシーンが登場しますがそれほど効果的とも思われません。久々のソン=イェジンでしたが、彼女ならではの高度な演技が要求されるわけでなく、清純派を脱皮するほどセクシーさを強調できておらず期待外れでした。ヒーロー役のソン=イルグクは初顔です。韓国ドラマ「朱蒙(チュモン)」が代表作とのことで“恋愛したい男優”第1位に選ばれた人気男優だそうです。ソン=イェジンとは特に合っている印象はありませんでした。

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2008.12.23

ドラマ「内部告発」[全6話](お薦め度★★★)

2007年9~11月に英国ITVで放送。社会派ドラマ。原題、「The whistleblowers」。
2008年11~12月にWOWOWが日本初放送。
出演、リチャード=コイル(ベン=グレアム)、インディラ=ヴァルマ(アリーシャ=コール)、ダニエル=ライアン(ケニー=リード)。

ロンドンで働く優秀な弁護士のカップルが巨悪に挑む、社会派サスペンス。
whistleblowersは、笛を吹いて人々に危険を知らせる者、警告を発する者を意味する。

エピソード
#1 幻のテロリスト Ghost
#2 闇のウイルス Pandemic
#3 スクールビジネス No Child Left Behind
#4 疑惑のパスポート Fit For Purpose
#5 甘い酒 Starters
#6 環境汚染 Environment

英国ドラマは初鑑賞です。面白い作品だったので驚きました。サスペンスとしてピカ一です。海外ドラマといえばアメリカですが、本作も肩を並べています。最近観終わった日本ドラマ「流星の絆」や「イノセント・ラブ」と比べて数段上のレベルです。
内部告発という重いテーマにもかかわらず一話完結でスピーディに展開します。各回ともに難しい内容なので説明不足になるのではとの杞憂に対し、脚本は無駄が無く見事な仕上がりを維持しました。編集もキレがあり映画並みのクオリティがあります。

本作の唯一弱点をあげるとすると、男性弁護士の度を越えた正義感と使命感です。最終話で肉親を切ってでも正義を貫こうとする姿勢は少々無理があるように感じました。弁護士とはいえ特別な後ろ盾がある訳でなく、パートナーが妊娠中にもかかわらず一緒に活動する様子は、日本人には馴染めません。ただし、リアリティが無いわけでなくあるべき理想像としてのドラマ仕立てに共感させられてしまいます。

告発によって払う代償の大きさはどの国でも同じで、成功とも失敗とも判断できない結果をクールな視点で冷徹に示してくれます。先日ANA機内でケータイ中毒の女性を客室乗務員に通報しましたが、小さな出来事でさえ報復を意識しましたので、このドラマが描く正義への真っ正直さにカツを入れられました。

ラストを観る限り続編は間違いないでしょう。第二シーズンを楽しみにしたいと思います。WOWOWさんよろしくお願いします。

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2008.11.19 日英外交150周年「UK-Japan2008」公認、UKドラマ「内部告発」が面白い!

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2008.11.19

日英外交150周年「UK-Japan2008」公認、UKドラマ「内部告発」が面白い!

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11/17(月)からWOWOWでスタートしたUKドラマ「内部告発(The whistleblowers)」を鑑賞しました。「UK-Japan2008」公認ということも作品の内容も全く知らず、海外ドラマとしてはあまりに地味なタイトルなので逆に興味が沸きました。昨晩午前零時を過ぎていたので、途中で話が一段落したところで後日と考えていましたが、面白かったので止められずに1話全部観てしまいました。弁護士カップルが巨悪と戦う手に汗握るサスペンスです。脚本が素晴らしく畳み掛ける展開に思わず引き込まれました。

改めて欧州ドラマのレベルの高さには驚かされます。独ドラマ「GSG-9 対テロ特殊部隊」も素晴らしかったですし、UKドラマも負けていません。現在、日本ドラマ2本を観ていますが、これら欧州ドラマと比べると★で1、2ランクは落ちます。数本を取り上げて全体を語るのは乱暴ですが、たまたま観る気になって選択した日本のドラマがハズレであれば、短絡的に結論付けてしまいたくなります。明らかに日本のドラマは脚本が低レベルで寒過ぎます。このままレベルダウンが続くようであれば視聴者は見向きもしなくなると思います。

ところで、今年は日英修好通商条約調印150周年のため「UK-Japan2008」が1月から開催されていました。「UK-Japan2008は、2008年1月から12月に開催される様々な公認イベントや活動を通じて、芸術、科学技術、クリエイティブ産業の分野で創造性あふれる現代の英国をご紹介するとともに、日英間のコラボレーションの活性化と両国のさらなる発展をめざす催しです。」(オフィシャルサイトから引用)
UKドラマ「内部告発」で初めて知りました。12月までの期間限定ですから気づくのが遅すぎました(笑)。

今秋、WOWOWでは「UK-Japan2008」公認のUKドラマ6作品を扱っています。

10/4スタート「ハイっ、 こちらIT課!2」全6話
10/6スタート「ジキル」全6話
10/7スタート「キケンな女刑事 バック・トゥ・80’s」全8話
11/7スタート「内部告発」全6話
11/24放映「メサイア 血塗られた救世主」全2話
11/22スタート「ロブの「この年、オレ年」」全6話

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2008.11.12

映画『呪い村 436』(お薦め度★★)

監督、マイケル=マックスウェル=マクラーレン。脚本、マイケル=キングストン。原題、『Population 436』。2006年カナダ・アメリカ。ミステリー・ホラー映画。出演、ジェレミー=シスト(スティーヴ)、スーザン=ケルソ(ミルドレッド)、デヴィッド=フォックス(グリーバー博士)、フレッド=ダースト(ボビー)、シャーロット=サリヴァン(コートニー)、レイ=エンス(キャシー)。

ソフトタッチのホラーで好感が持てました。
過剰な映像表現を用いていないのでこのジャンルの映画としてはホッとさせられます。ホラーにありがちな"何でもあり"が無く、クライマックスでは人間らしさが感じられ十分に納得できました。しかし、逆に言えば納得できた分だけホラーとして必要な不可解さが弱いということで、舞台となる村の秘密に深みが無いため種明かしに全く驚きはありませんでした。怖がらせる要素は不足していました。
原題を直訳すると「人口436」というタイトルとなってしまい何の映画かわからなくなってしまうので、邦題の出来はまずまずだと思います。残念ながら436という数字の持つ意味も説得力がないため、この村にまつわる不条理な世界観を構築しきれていません。

YouTubeに海外向け予告編がいくつかアップされています。その中でもホラーのエッセンスが詰まったものを見つけました。字幕が何語かサッパリわかりません。

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2008.10.24

映画『ナンバー23』(お薦め度★★)

監督、ジョエル=シューマカー。脚本、ファーンリー=フィリップス。2007年米。サスペンス・ミステリー映画。R-15。出演、ジム=キャリー(ウォルター=スパロウ/フィンガリング)、ヴァージニア=マドセン(アガサ=スパロウ/ファブリツィア)、ローガン=ラーマン(ロビン=スパロウ)、ダニー=ヒューストン(アイザック=フレンチ/マイルズ=フェニックス)、リン=コリンズ(ブロンドの女/ドブキンス未亡人/フィンガリングの母)。

ホラーというよりも妄想作品です。
"23(トゥエンティースリー)" という数字に取り憑かれる男をジム=キャリーが見事に演じています。喜劇俳優が精神を患う役を演じるのは凄みを感じさせます。ただし、彼の演技以上の物語ではありませんでした。フジテレビの「世にも奇妙な物語」のような小品を映画化してしまったようで、映画的なインパクトは出せていません。"23"にこだわる様子も単なる数字遊びを延々と繰り返しているようで、途中から食傷気味になりました。ちなみに染色体の数は"23"だそうです。「で、結局何なの」といったところが率直な感想です。単に主人公の妄想に振り回されただけで終わりました。期待したほどに怖くも無く、謎解きの意外性が無く拍子抜けです。


【これまでに観たジョエル=シューマカー監督作】
2004/ 6/12 『9デイズ』(お薦め度★★)
2005/ 4/ 6 『フォーン・ブース』(お薦め度★★)
2006/ 3/ 3 『オペラ座の怪人』(お薦め度★★★)
2007/ 3/11 映画『フォーリング・ダウン』(お薦め度★★★)

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2008.09.26

映画『ノートに眠った願いごと<ディレクターズ・カット版>』(お薦め度★★★)

監督、キム=デスン。脚本、チャン=ミンソク。2006年韓国。ラブストーリー映画。出演、ユ=ジテ(ヒョヌ)、キム=ジス(ミンジュ)、オム=ジウォン(セジン)。

淡々とした恋愛映画のようですが、中味は壮絶な悲恋ドラマでした。
実際の事故に基づいてこの物語に落とし込むのは、韓国映画にしかできません。絶対に邦画は真似できないでしょう。途中までは観たことのある物語に感じましたが、全く別の展開になっていました。似ていると感じたのは『バンジージャンプする』です。このレビューで調べたところ同じ監督でした。久しぶりの韓国映画でしたが、同じようなテイストは伝わってくるようです。
ユ=ジテの過去を引き摺る抑えた演技は共感できました。2人のヒロインはどちらも好演していました。キム=ジスは初顔です。快活で大人の美人役がピッタリでした。オム=ジウォンは韓国ドラマ「マジック」と映画『トンケの蒼い空』でお馴染みのお気に入りの女優です。ドラマと同様に本作の健康的で無い役柄があっています。

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2008.08.09

映画『ナイト ミュージアム<日本語吹替版>』(お薦め度★★★)

監督、ショーン=レヴィ。脚本、ロバート=ベン=ガラント、トーマス=レノン。2006年米。ファンタジー映画。出演、ベン=スティラー(ラリー=デリー)、カーラ=グギーノ(レベッカ)、ディック=ヴァン=ダイク (セシル)、ミッキー=ルーニー(ガス)、ビル=コッブス(レジナルド)、ジェイク=チェリー(ニック=デリー)、ロビン=ウィリアムズ(テディ=ルーズベルト大統領)、ミズオ=ペック(サカジャウィア)、ラミ=マレック(アクメンラ)、リッキー=ジャーヴェイス(マクフィー博士)、アン=メアラ(デビー)、キム=レイヴァー(エリカ=デリー)。

そこそこりの面白さです。
主演のベン=スティラーの人気も手伝って全米で大ヒットしました。ただし、日本では彼の知名度は高いわけではないので日本では大ヒットとはいかなかったようです。深夜の博物館の展示物が次々と動き出して大騒動を繰り広げる展開はさほど目新しさが無く、事の顛末もあまり練られているとは思えません。作品としてはアメリカ的なベタなコメディ色で仕上げられています。テンポが非常に良いので考える隙を与えず観客を上手に引っ張って行ってくれます。特撮の違和感は少なく、ファミリー向けとしては良心的な作品でした。子供と一緒に見られるのなら日本語吹替版がお薦めです。

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2008.06.09

映画『ナルニア国物語 第2章:カスピアン王子の角笛<日本語吹替版>』(お薦め度★★★)

監督・脚本、アンドリュー=アダムソン。原作、C=S=ルイス。2008年米。ファンタジー映画。原題、『THE CHRONICLES OF NARNIA: PRINCE CASPIAN』。出演、ベン=バーンズ/声・尾上菊之介(カスピアン王子)、ウィリアム=モーズリー/声・木村良平(ピーター=ペベンシー・長男)、アナ=ポップルウェル/声・高橋由希(スーザン=ペベンシー・長女)、スキャンダー=ケインズ/声・畠中祐(エドマンド=ペベンシー・次男)、ジョージー=ヘンリー/声・宇山玲加(ルーシー=ペベンシー・次女)、ティルダ=スウィントン/声・大地真央(白い魔女)。声の出演、リーアム=ニーソン/津嘉山正種(アスラン)。

今度は総力戦です。
第1章と第2章の繋がりや“伝説の四人の王”の位置付けがわかりにくいものの、全体として良く出来ています。前作と違って脚本は随所に突っ込み所満載ですが、子供騙しではありません。監督のアンドリュー=アダムソンの演出が見事なのでしょう。家族向けのファンタジーとしては安心して楽しめます。ただし、上映時間が150分なので小学校低学年には長時間で飽きてしまって辛いものがありました。
新しい登場人物としてカスピアン王子が登場しますが、存在感というか重要度が乏しく特別なキャラクターでなかったのは意外でした。イケメンですがあまり魅力的に感じられません。やはり重要なキャラクターはあくまでアスランと白い魔女なのでした。次回作以降の展開はこの二大キャラクターの堂々巡りなのでしょうか?もしそうだとするとシリーズに対しての興味が続かなくなりそうです。

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2008.05.23

映画『夏物語』(お薦め度★)

監督・脚本、チョ=グンシク。脚本、キム=ウニ。2006年韓国。悲恋映画。出演、イ=ビョンホン(ユン=ソギョン)、スエ(ソ=ジョンイン)、オ=ダルス(ナム=ギュンス)、イ=セウン(イ=スジン)。

全くの期待外れです。
1969年の韓国を舞台に学生運動が高まっていた時代を描いています。久しぶりのイ=ビョンホン主演作で邦題のセンスが良いので楽しみにしていましたが、出来の悪い邦画のようにほとんど起伏のない淡々とした展開で盛り上がりがありません。脚本・編集・演出のどれをとっても低レベルです。
そもそも物語がわかりません。「農村活動」と呼ばれる大学生が農作業を手伝いに行ったことで主人公ソギョンがジョンインと出会いますが、彼女の説明があまりに乏しく、父親が北朝鮮に渡った共産主義者の娘という設定のみで地元での事情がさっぱり伝わってきませんでした。韓国の政治事情と時代認識がないとほとんど理解不能です。大学に戻ってたまたまデモの現場に2人がいたため、巻き添えで検挙されてしまいます。その取調べで「スパイ罪」という重罪容疑になることも、理解できずに全くの傍観者となってしまいました。本作の悲恋に繋がる最大のエピソードは韓国人以外には通じません。日本人には無理です。ほとんど世界マーケットで通用しない作品でした。イ=ビョンホンの作品でこれだけ面白くないのは初めてです。

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2008.02.02

映画『日本以外全部沈没』(お薦め度★★)

監督、河崎実。監修、実相寺昭雄。原典、小松左京。原作、筒井康隆。2006年日本。コメディ映画。出演、小橋賢児(おれ)、柏原収史(古賀)、土肥美緒(明子)、松尾政寿(後藤)、ブレイク=クロフォード、キラ=ライチェブスカヤ、デルチャ=ミハエラ=ガブリエラ、リカヤ=スプナー、岡村洋一、イジリー岡田、つぶやきシロー、ジーコ内山、松尾貴史(天気予報士)、デーブ=スペクター、筒井康隆、黒田アーサー、中田博久、寺田農(博士)、村野武範(安泉首相)、藤岡弘、(石山防衛庁長官)。

本作が作られている情報を知っただけで興味を持ちました。
タイトルだけにつられて観ましたが、予想通り面白くありません。筒井康隆は、日本人の自虐的な世界観を他虐的に逆転させるという誰も考え付かないアイデアをよくぞ考えたものです。ただし、観る前からB級映画に宿命付けられた作品とわからせるのも凄いところです。映画館で観るものでは無いことは直感でわかりました。ともかく中味はチープで低予算そのもの。震災で都市が壊滅する特撮シーンは昔のTVシリーズの初代ウルトラマンよりも貧相でした。物語もナンセンスですね。地球規模の大災害が発生しているのに日本国内は能天気で自分だけ助かっていて、他民族を見下すという民族主義丸出しのブラックユーモア満載でした。
映画『日本沈没』のパロディになると思いきや、全く独自のオリジナル作品です。この点は製作者としての姿勢は立派です。そしてよくもまあ、こんなくだらない話を映画化したものです。その勇気と挑戦に敬意を表します。

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2007.11.29

映画『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』(お薦め度★)

監督、鈴木雅之。原作、藤子不二雄A。2004年日本。アニメ実写映画。出演、香取慎吾(服部カンゾウ=忍者ハットリくん)、知念侑李/ジャニーズJr.(三葉ケンイチ)、ゴリ/ガレッジセール(ケムマキ)、升毅(黒影)、田中麗奈(ミドリ)、戸田恵子(三葉妙子)、浅野和之(三葉健太郎)、宇梶剛士(田原警部)、東幹久(柏田刑事)、伊東四朗(服部ジンゾウ)。

子供たちにはバカ受けでしたが、これは受け付けられません。
あまりにTV的な映像で、わざわざ映画で撮る必要はないでしょう。脚本も映画並みとは言えず薄っぺらな内容でコメディとしては低レベルです。ほとんど笑えませんでした。ストーリー性は皆無で観賞後に何も残りません。観終わってから『HERO』の監督だったことがわかりました。第一線で活躍している人の作品とは思えません。
昨年は邦画が洋画を逆転した年でしたが、今年は邦画に伸び悩みの傾向がみられます。TVで活躍された監督が映画界を盛り上げてきましたが、あまりにTV的な手法でこのまま行くと近い将来、再び邦画の低迷が始まるかもしれません。小手先のテクニックに甘んじることなく、骨太の映画を作って欲しいと思います。

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2007.11.25

映画『NANA2』(お薦め度★★★)

監督・脚本、大谷健太郎。原作、矢沢あい。2006年日本。恋愛映画。出演、出演、中島美嘉(大崎ナナ)、市川由衣(小松奈々・ハチ)、玉山鉄二(一ノ瀬巧・タクミ)、成宮寛貴(寺島伸夫・ノブ)、 丸山智己(高木泰士・ヤス)、本郷奏多(岡崎真一・シン)、伊藤由奈(レイラ)、 水谷百輔(藤枝直樹・ナオキ)、姜暢雄(本城蓮・レン)。前作からのキャスティング変更は3名。宮崎あおい→市川由衣、松田龍平→姜暢雄、松山ケンイチ→本郷奏多。

俳優の交代があったものの前作の続きとして良くまとめています。
興行的には前作40億円から12億円と大幅に下回ってしまったようですが、作品の中味は完結編として充実していました。ただし、映像面では夜の新宿新都心を空撮したり、新宿アルタ前のゲリラライブで新境地に挑戦したようですが迫力が足りません。トラストの演奏に至ってはプロモーションビデオを劇中に観せるという意味不明さがありました。大谷健太郎監督の映像センスはいただけません。また、音楽がレベルダウンしたのも残念です。中島美嘉が歌った主題歌「一色(ひといろ)」と劇中歌「EYES FOR THE MOON」は"NANA starring MIKA NAKASHIMA"というよりもより歌手としての本人が歌っている曲に聞こえました。伊藤由奈の劇中歌「Truth」も印象に残りませんでした。

ところで、少女漫画において「こうあるべき」男子像は玉山鉄二が演じたタクミが見事に示しています。

一つ、かっこ良くて才能があること。
一つ、どんな状況でも沈着冷静で絶対に怒らないこと。
一つ、お金を持っていて、結婚すること。

なるほど、この浮世離れしたキャラクターが理想像なのですね。だから物語として新鮮に感じたのかもしれません。全く有り得ない人物でエンディングを迎えざるおえない女性版の青春映画は見事に恋愛映画に転換して完結しました。邦画において女性の青春映画が成り立ちにくいのはこの辺りに要因がありそうです。

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2007.11.24

映画『NANA』(お薦め度★★★)

監督、大谷健太郎。原作、矢沢あい 漫画『NANA』。2005年日本。青春映画。出演、中島美嘉(大崎ナナ)、宮崎あおい(小松奈々・ハチ)、平岡祐太(遠藤章司・美大生)、サエコ(川村幸子・美大生)、能世あんな(早乙女淳子・奈々の友人)、高山猛久(高倉京介・章司の友人)、成宮寛貴(寺島伸夫・ノブ)、 丸山智己(高木泰士・ヤス)、松山ケンイチ(岡崎真一・シン)、伊藤由奈(レイラ)、 水谷百輔(藤枝直樹・ナオキ)、玉山鉄二(一ノ瀬巧・タクミ)、松田龍平(本城蓮・レン)。

大ヒットして社会現象となっただけのことはある女性版の青春映画です。
女性同士の友情と恋愛はなかなか難しい設定とテーマですが、厭味がなく爽快に描かれています。女性の青春映画が成功したのは初めてではないでしょうか。原作漫画の人気が成功の大きな要因ですし、主題歌がナナ役の中島美嘉が"NANA starring MIKA NAKASHIMA"として歌う「GLAMOROUS SKY」とレイラ役の伊藤由奈が"REIRA starring YUNA ITO"として歌う「ENDLESS STORY」も楽曲のレベルが高く実際にヒットしたことも大きいと思います。残念ながらブラストとトラネスのコンサートではライブ感が弱く物足りなさがありますが、バンドメンバーが実際に演奏しているように撮影されているため楽曲の魅力もあり、それなりに観ることができました。少ししっくりこなかったのが、レン役の松田龍平が生身の男を感じさせなかった点ぐらいです。中島美嘉に女優としての素質があるのが意外でした。宮崎あおいは演技力はあると思いますが、それほど今後を期待させる役者とは思えません。
大谷健太郎監督といえば前作『約三十の嘘』の技量から、これほどの大ヒット作がつくれるとは全く思いませんでした。音楽のセンスが買われ、いきなりメジャー作品の担い手に躍り出た印象です。

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2007.10.31

映画『ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女』(お薦め度★★★)

監督、アンドリュー=アダムソン。原作、C=S=ルイス。2005年米。ファンタジー映画。原題、『THE CHRONICLES OF NARNIA: THE LION, THE WITCH AND THE WARDROBE』。出演、ウィリアム=モーズリー(ピーター=ペベンシー・長男)、アナ=ポップルウェル(スーザン=ペベンシー・長女)、スキャンダー=ケインズ(エドマンド=ペベンシー・次男)、ジョージー=ヘンリー(ルーシー=ペベンシー・次女)、ティルダ=スウィントン(白い魔女)、ジェームズ=マカヴォイ(タムナスさん)、ジム=ブロードベント(カーク教授)。声の出演、リーアム=ニーソン(アスラン)、ルパート=エヴェレット(キツネ)。

予想よりも面白い作品です。
最近はファンタジー映画が多く食傷気味なのでヒットしたことは知っていたものの映画館は見送りました。しかし、『指輪物語』『ゲド戦記』と合わせて世界三大ファンタジーの一つと呼ばれているようなのでWOWOWで放送されたものを録画して観ました。ディズニー映画らしいファミリー向けの映画です。4人の兄弟姉妹が主人公という設定ながら起承転結がわかりやすく納得できる物語でした。非常によく出来ています。
アンドリュー=アダムソンは『シュレック』『シュレック2』を監督しており、アニメだけでなく実写においても魅力あるファンタジーを提供できる力量を持っています。同じ監督による続編『ナルニア国物語 第2章:カスピアン王子の角笛』は2008年初夏の公開予定になっています。次回は劇場で観ようと思います。

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2007.09.08

映画『日本沈没』(お薦め度★★★)

監督、樋口真嗣。原作、小松左京。2006年日本。SFパニック映画。出演、草彅剛(小野寺俊夫・潜水艇パイロット)、 柴咲コウ(阿部玲子・ハイパーレスキュー隊員)、豊川悦司(田所雄介・地球科学博士)、大地真央(鷹森沙織・文部科学大臣兼危機管理担当大臣)、及川光博(結城慎司・潜水艇パイロット)、福田麻由子(倉木美咲・玲子に救出される少女)、吉田日出子(田野倉珠江・玲子の叔母)、柄本明(福原教授)、石坂浩二(山本尚之・首相)、六平直政(寺島浩)、手塚とおる、大倉孝二、花原照子、和久井映見(俊夫の姉)、長山藍子(俊夫の母)、遠藤憲一、村杉蝉之介、加藤武、北村和夫、矢島健一、大口広司、石田太郎、並樹史朗、松尾貴史、ピエール瀧、佐藤江梨子(結城の妻)、津田寛治、池田成志、木村多江、前田愛、山田辰夫、福井晴敏、安野モヨコ、庵野秀明、富野由悠季。1973年の『日本沈没』のリメイク作品。

何故か面白く感じて観てしまいました。やはり地震列島の日本が沈没するというテーマに惹かれてしまうからなのでしょう。この映画の真の主役は「日本列島」です。

キャスティングも脚本もかなりハチャメチャです。主要人物の大地真央(大臣)と豊川悦司(博士)が元夫婦なのはギャグとしか言いようがありません。大地真央の薄っぺらい大臣役には観ているほうが恥ずかしくなります。更に呆れたのは主人公の草彅剛の役割です。全編を通じてほとんど仕事をしていません。日本中がパニック状態にもかかわらず、ひとりだけイギリスの潜水艇の仕事が決まったとして、実家に帰ったり、ヒロインに会いに行ったり、ラブシーンを拒否したり、トンでも無い奴です。何ゆえ危機的状況において「自分探し」の旅をするのか理解不能でした。ヒーローとしてあるまじき行為が繰り返されます。

しかしながら、「終わりよければ全て良し」で作品の低レベルな内容など最終的に消し飛んでしまいました。

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2007.08.07

ドラマ「夏の香り」、今度は<韓国版>

ocyaraさん、感謝です。
お蔭様で韓国版「夏の香り」(全20話)を観ることができました。日本版にはまった者にとって、いつかは観賞しなければならないものでしたが、きっかけがありませんでした。あらためてDVDを購入する気になれず、どうすればいいかクヨクヨと頭の片隅で考えていました。今回ブログを通じてYahoo!動画で無料放映の情報を教えていただき、5~8月にかけて観ました。

すでに日本版を通しで2回観ています。1話あたりのべ4回は観たことでしょう。そのため韓国版の前半はほとんど日本版と変わらないので集中力が途切れそうになりました。後半から日本版でかなりカットされたシーンがあり、新たな気持ちで観続けました。日本版で説明不足に感じた部分が韓国版のオリジナルではしっかりと前後の説明があるため、納得してストーリーを理解できました。ただし、ocyaraさんの御指摘通り翻訳の悪さには閉口しました。

「冬のソナタ」のドロドロした物語と比べて、日本版「夏の香り」は当事者を中心に行ったり来たりを繰り返して質の違いを感じていたのですが、韓国版「夏の香り」は、かなり後半の人間模様は「冬のソナタ」同様にドロドロしていました。ほとんど同等のつくりだと思います。ユン=ソクホ監督は日本版に編集するさいに、ドロドロ感を軽減したようです。日本人には複雑な人間模様よりもシンプルに恋人同士に焦点を当てています。また、次の回に続くエンドに必ずサプライズなエピソードを入れています。かなりこれで"はまり度"が高まったと感じますので、作品としてのメリハリを最大限に生かす方向とアップテンポにして効果を上げる編集を日本版で行ったことがわかりました。

俺にとってWOWOWで放送された日本版がファーストコンタクトだったことが、まんまと監督の術中にはまったと言えます。韓国版で観ていたらこれほどのめり込んだかどうかはわかりません。物語の納得性の高いほうは間違いなく韓国版です。

シリーズ4作目「春のワルツ」は日本版「夏の香り」の延長線上で作られたと言えます。そのため韓国内では評価されなかったのではないでしょうか。日本では韓国以上に受け入れられたのではと思います。ただし、物語として引っかかる部分が少ないのでヒットしたとは言えないでしょう。

今回の韓国版「夏の香り」で、やっとユン=ソクホ監督の四季シリーズを観終えたと感じます。本当に3年間を楽しませてくれました。良いドラマに出会えて幸運でした。

【関連記事】
2004/ 6/26 韓国ドラマ『夏の香り』全18話の感想
2006/ 5/23 ドラマ「夏の香り」、再び

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2007.07.05

映画『茄子 アンダルシアの夏』(お薦め度★★)

監督・脚本、高坂希太郎。原作、黒田硫黄 漫画『茄子』の一編「アンダルシアの夏」。2003年日本。スポーツ・アニメ映画。声の出演、大泉洋(ペペ=ベネンヘリ)、筧利夫(アンヘル=ベネンヘリ)、小池栄子(カルメン=バスカルドミンゲス)、平野稔(エルナンデス)、緒方愛香(リベラおじさん)、平田広明(フランキー)、坂口芳貞(チーム監督)、羽鳥慎一(実況アナウンサー)、市川雅敏(解説者)。

さっぱりでした。面白くない。
自転車ロードレースを扱った画期的なアニメ映画として、公開時から気になっていました。フランスの“ツール・ド・フランス”、イタリアの“ジロ・デ・イタリア”、スペインの“ブエルタ・ア・エスパーニャ”はグラン・ツールと呼ばれ最も権威あるレースです。本作はこれら三大自転車ロードレースのひとつ“ブエルタ・ア・エスパーニャ”を題材にしています。

アニメの絵自体はジブリ作品と全く同じです。高坂希太郎監督は『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』の作画監督を務められてこられています。登場するキャラクターデザインは非常に見覚えがあって馴染むのですが、物語が伴いません。兄弟の葛藤を恋愛とからめて描いていますが、平板で薄っぺらな中身でした。

絵作りはスペイン人で設定されていますが、主人公のぺぺは日本人にしか感じられない奇妙さです。自転車ロードレースをを扱った意欲作でありながら、ほとんどスピード感や躍動感が出ていません。ゴール直前のスプリント勝負の描き方は監督の自己満足の世界で、伝わってくるものが皆無です。演出としては明らかに失敗しています。

今年のツール・ド・フランスは7/7から始まりますので、直前の景気付けとして時期は絶好のタイミングでしたが、盛り下がってしまいました。

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2007.02.11

映画『ニュースの天才』(お薦め度★★★)

監督・脚本、ビリー=レイ。2003年米。社会派ドラマ映画。出演、ヘイデン=クリステンセン(スティーブン=グラス)、ピーター=サースガード(チャック=レーン)、ハンク=アザリア(マイケル=ケリー)、クロエ=セヴィニー(ケイトリン=アヴィー)、メラニー=リンスキー(エミー=ブランド)、スティーヴ=ザーン(アダム=ペネンバーグ)、ロザリオ=ドーソン(アンディ=フォックス)。

見事な脚本によるサスペンス映画です。
記事捏造事件を再現したドラマですが、単なる再現では平板になってしまうために主人公が母校で後輩たちに人気ジャーナリストに出世した自身を語らせるというトラップを用意して、捏造が発覚して次第に追い詰められる主人公の記者に対して、観客が最後の最後まで真相に辿り着くことを不安にさせるスリリングな展開を用意しています。黒澤明監督『羅生門』のような手法を取り入れた作品と言えるでしょう。非常に高度なテクニックを使ったビリー=レイ監督はかなり評価できます。
「スター・ウォーズ」のエピソード2、3で若き日のダース・ベーダーを演じて有名になったヘンデル=クリステンセンが主人公でしたが、往生際の悪い演技はリアリティがあり大変見応えがありました。知的で癖のある悪役が似合っているようです。

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2006.11.20

映画『ノロイ』(お薦め度☆←マイナス)

監督、白石晃士。プロデューサー、一瀬隆重。2005年日本。ホラー映画。出演、松本まりか、アンガールズ、荒俣宏、飯島愛、高樹マリア、ダンカン。

久々でした。観なければよかった作品です。
プロデューサーがJホラーのヒット請負人の一瀬隆重であり、タイトルがカタカナ表記でひねってあり、非常に引き付けられるものがあったのですが、中身は散々でした。日本版『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』なのですが、絶体絶命の状況でもカメラを撮影しているというありえないことをしています。ドキュメントタッチでホラーを撮りたかったのでしょうが、馬鹿馬鹿し過ぎます。全てにおいてまともにレビューできません。全くの時間の無駄でした。

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2006.10.05

映画『涙そうそう』(お薦め度★★★)

監督、土井裕泰。2006年日本。家族愛ドラマ。出演、妻夫木聡(新垣洋太郎)、長澤まさみ(妹・カオル)、麻生久美子(洋太郎の恋人・恵子)、塚本高史(洋太郎の友人)、中村達也(カオルの父)、平良とみ(祖母)、森下愛子(呑み屋の女将)、大森南朋(医師)、船越英一郎(呑み屋の客)、橋爪功(恋人の父)、小泉今日子(母)。「涙(なだ)そうそう」とは、沖縄の方言で、「涙がとめどなく流れる、ポロポロ止まらない」という意味。

タイトル通り、全編で涙が止まりません。しかし、惜しいかな若干深みがありません。
もう少し脚本にアイデアなりひねりがあれば評価があがっていたでしょう。
いま、会いにゆきます』の土井裕泰監督なので観ました。期待通り非常に良く出来た映画で、巧みな演出と編集で、安心して観ることができました。今回も引き続き心地良い作品を提供してくれました。
主題歌「涙そうそう」をモチーフにして誕生した血のつながらない兄妹の愛情溢れた物語です。「涙そうそう」は1998年に作曲・BIGIN、作詞・森山良子で誕生し、2001年に夏川りみがカバーして100万枚を超える大ヒットを記録しています。
妻夫木聡と長澤まさみの兄妹コンビが絶品です。二人の呼吸が非常に合っていました。お互いに思いやりに溢れ理想的な兄妹像が描かれています。妹・カオルの「兄ィニィ」という言葉の響きが深く心に残りました。

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2006.09.03

映画『ニライカナイからの手紙』(お薦め度★)

監督、熊谷尚人。2005年日本。人間ドラマ映画。出演、蒼井優(安里風希)、平良進(祖父・安里尚栄)、南果歩(母・安里昌美)、金井勇太(幼なじみ・内盛海司)、かわい瞳(レイナ)、比嘉愛未(平良美咲)、斎藤歩 (カメラマン・崎山)、前田吟(郵便局長・田中)。ニライカナイとは、沖縄に伝わる、水平線の彼方にある幸福の国。

岩井俊二の作風を真似ていますが、ゆるいだけでした。
沖縄の竹富島が舞台で、若手で演技派の蒼井優と個性派女優の南果歩が親子という設定に、どんなドラマが展開するのか期待が高まりました。しかし、物語のアイデアがいけません。14年間も独り善がりな嘘で引っ張るというストーリーにリアリティの欠けらも無く、後半から話が見えてきてシラケテしまいました。全くもって陳腐です。このレベルの脚本で映画を撮ってしまうのが不思議でなりません。主演が蒼井優だから観られたものの、彼女でなければ何の価値も無い作品でした。祖父役の平良進の演技が意味不明で、前田吟にいたっては嘘っぽくて白々しいだけでした。邦画の悪いところが集約されたとしか言いようがありません。

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2006.08.12

映画『ナショナル・トレジャー』(お薦め度★★)

監督、ジョン=タートルトーブ。2004年米。アドベンチャー・ミステリー映画。出演、ニコラス=ケイジ(ベン=ゲイツ・天才歴史学者)、ダイアン=クルーガー(アビゲイル=チェイス博士)、ジャスティン=バーサ(ライリープール・テイツの相棒/天才ハッカー)、ショーン=ビーン(イアン=ハウ)、ハーヴェイ=カイテル(セダスキー・FBI調査官)、クリストファー=プラマー(ジョン=アダムス=ゲイツ・ベンの祖父)、ジョン=ボイト(パトリック=ヘンリー=ゲイツ・ベンの父)。

大ヒットしたという割りには期待外れでした。
「合衆国独立宣言書」に封印された秘宝の謎に挑戦する天才歴史学者という設定です。元々イアン=ハウと一緒に宝探しをしていた主人公のベン=ゲイツなのに仲間割れをします。ここから始まる対立の構造が弱くて、同じように「我執国独立宣言書」を手に入れようとする二人が、正義と悪に分かれてしまうのが腑に落ちません。冗談としか感じません。謎解きもいい加減極まりなく、その場その場での直感というか思い付きが重なる偶然が延々と続きしらけました。
ベン=ゲイツとチェイス博士のロマンスも必然性は無く、ハリウッド映画で代表されるお決まりパターンでした。相変わらずネタ枯れした作品にしか感じません。

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2006.07.30

映画『人形霊』(お薦め度★)

監督、チョン=ヨンギ。2004年韓国。ホラー映画。出演、キム=ユミ(ヘミ・彫刻家)、オク=ジヨン(ヨンハ・小説家)、イム=ヒョンジュン(ホン=ジョンギ・写真家)、 イ=ガヨン(イ=ソニョン・女学生)、シム=ヒョンタク(キム=テスン・モデル)、イム=ウンギョン(ミナ・謎の少女)、チョン=ホジン(チェ=ジファン・館長)、キム=ボヨン(ジェウォン・人形師)、ナム=ミョンニョル(独房の男)。

怖いシーンもほとんど無く、物語が雑で面白くありません。
映画のタイトルと出だしの導入部分に期待させるものがありましたが、登場人物の描き方やそもそもの物語の骨格が貧弱で盛り上がりに欠けたまま終わりを迎えます。コリアン・ホラーは舞台の雰囲気がJホラーに似ているのと俳優陣に演技力があるのでついつい観てしまうのですが、良く出来た作品はなかなかありません。恋愛ものに様々な仕掛けやアイデアが盛り込まれるのにホラーではレベルが数段下がってしまうのが不思議です。ホラーでありながら何故か辻褄を合わせようとする国民性なのか必ず自滅してしまっている印象です。
唯一の見所は、ヘミ役のキム=ユミとミナ役のイム=ウンギョンによる美少女の共演でしょう。それこそお人形さんのようなイム=ウンギョンの美少女度はかなりのものがあります。しかし、作品が低レベルなので話題にのぼることはないでしょう。

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2006.05.23

ドラマ「夏の香り」、再び

2年ぶりに「夏の香り」を再鑑賞しました。先週末土日に残り9話を一気観です。ムシムシした季節を快適に過ごすために、毎日時間を区切って長期間に渡って楽しもうと考えていたのですが、やっぱり堪え性がありませんでした>ocyaraさん。

死ぬかもしれないという自己犠牲を伴う究極の"思いやり"、切な過ぎます。感動せずにおれないドラマでした。何と言ってもソン=イェジンの多彩な表情と表現力は類を見ない当代きっての女優です。相手役のソン=スンホンとのコンビが絶妙でした。彼が一番カッコ良く感じられるドラマですね。

最初に観た後で、多くの方々の感想を読みました。その中で正当な批評に出会って、本質的な物語の弱点も十分把握しています。そのうえで、私にとって最高の韓国ドラマだと思います。ストーリー、脚本、映像、出演者どれをとっても素晴らしい。どんどん物語の世界に入っていけます。長時間観ても飽きることなく、ラストまで誘ってくれる稀有の作品です。現在、韓国ドラマ「ゴースト」「僕は彼女が好き」「マジック」をGyaOで観ていますが、どれもストーリーテリングが弱く数十分ごとに再生を止めているのとは大違いです。
前回に一話あたり最低でも4回は観ていましたので、改めての発見はありませんでした。大好きな作品だと記憶力も違うようです。次回の鑑賞は5年以上期間を開ける必要がありそうです。ちょっと残念かも。

【関連記事】
2004/ 5/ 1 韓国TVドラマ『夏の香り』
2004/ 6/ 6 オリジナルサウンドトラック『夏の香り』
2004/ 6/26 韓国ドラマ『夏の香り』全18話の感想
2004/ 8/11 『韓国ドラマ公式ガイド・夏の香り』
2005/ 6/15 女優ソン=イェジン(孫芸珍)

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2006.02.25

『ネバーランド』

監督、マーク=フォースター。2004年イギリス・アメリカ。ヒューマンドラマ映画。原題『FINDING NEVERLAND』。出演、ジョニー=デップ(ジェームズ=マシュー=バリ・劇作家)、フレディ=ハイモア(ピーター=ルウェリン=デイヴィズ・三男)、ニック=ラウド(ジョージ=ルウェリン=デイヴィズ・長男)、ケイト=ウィンスレット(シルヴィア=ルウェリン=デイヴィズ)、ジュリー=クリスティ(デュ=モーリエ夫人・祖母)、ラダ=ミッチェル(メアリー=アンセル=バリ・バリ夫人)、ダスティン=ホフマン(チャールズ=フローマン・興行主)。2005年第77回アカデミー賞、最優秀作曲賞を受賞。

やさしさとあたたかさに包まれる感動作でした。
劇場公開で観ようかどうか非常に迷った作品でした。最終的にケイト=ウィンスレットが苦手で見送っています。『タイタニック』でヒロインらしからぬ美しさと演技だったのが理由です。昔からどうしても作品よりも俳優にこだわってしまう傾向があります。
「ピーター・パン」、特にディズニーアニメは大好きな作品です。子供向けのファンタジー映画としていまだに輝きを失っていません。その原作がどのように生まれたかを史実に基づいてつくられたわけですから、この映画は必見であったのは言うまでもありません。
脚本・編集・撮影のどれをとっても高い水準で、抑えた行間を読ませる間の演出がさらに作品に磨きをかけていました。スイス出身のマーク=フォースター監督作は初めて観ましたが、素晴らしい才能だと思います。キャスティングもピカイチですね。ジョニー=デップはもとより、登場人物の演技は素晴らしかったです。苦手だったケイト=ウィンスレットも、4人の子を持つ未亡人という難しい母親役を見事に演じていました。彼女については今後こだわることは止めます。
実際の物語ということで非常に考えさせられたのですが、1903年当時のイギリスにおいて、子供のいない妻は非常に辛い立場だったのではなかったかということです。ラダ=ミッチェル演じるバリ夫人は不倫という汚名を着せられるわけですが、バリが世間体を無視して家庭を壊したのがきっかけです。しかも子供好きとして他の家族を追っ掛ける姿は、子のいない妻へのいじめそのものでしょう。「ピーター・パン」という素晴らしい作品が生まれたから結果オーライですが、何も生まないボンクラだったら美談にも何にもならない罪深い人生だと思います。バリ夫人が創作者である夫を気遣って身を引いたように感じられてその潔(いさぎよ)さがいじらしかったです。
(お薦め度★★★)

【関連作品】
・『ピーター・パン
・『ピーター・パン/ネバーランドの秘密

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2005.06.05

『21グラム』

監督、アレハンドロ=ゴンサレス=イニャリトゥ。2003年米。ヒューマンドラマ映画。原題『21GRAMS』。出演、ショーン=ペン、ナオミ=ワッツ、ベニチオ=デル=トロ。

人が死ぬと21グラム軽くなるという魂の重さをモチーフに一つの心臓をめぐって3人の男女が交錯する非常に重たいドラマでした。主役メンバー3人の演技はこの映画に相応しく素晴らしいものでした。物語としては、心臓移植というテーマをサスペンス調で描かれることに観る側としては少なからず抵抗感を覚えます。前半に終盤のカットを短く挿入して複雑な物語を更に難しくする編集手法は、深く考えなければならない場面を反射的に理解させるだけに留まらせました。また、話をわかりにくくさせているのは、轢き逃げ犯(ベニチオ=デル=トロ)がそれほどの時間を経ずに釈放されていて贖罪が伝わってこないことや、主人公(ショーン=ペン)の生きかた、特に教育者(数学教授)として職場でのシーンが描かれていないのでセリフだけで人物像を理解しなければなりませんでした。
(お薦め度★★)

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