映画『ハッピーフライト』(お薦め度★★★★)
監督・脚本、矢口史靖。2008年日本。企業群像劇コメディ映画。出演、田辺誠一(鈴木和博・副操縦士)、時任三郎(原田典嘉・機長)、綾瀬はるか(斎藤悦子・キャビンアテンダント)、吹石一恵(田中真里・キャビンアテンダント)、寺島しのぶ(山崎麗子・チーフパーサー)、田畑智子(木村菜採・グランドスタッフ)、平岩紙(吉田美樹・グランドスタッフ)、田山涼成(森田亮二・グランドマネージャー)、岸部一徳(高橋昌治・オペレーション ディレクター)、肘井美佳(中島詩織・ディスパッチャー)、中村靖日(吉川雅司・ディスパッチャー)、田中哲司(小泉賢吾・ライン整備士)、森岡龍(中村弘樹・ドック整備士)、正名僕蔵(岡本福夫・乗客 夫)、藤本静(岡本幸子・乗客 妻)、菅原大吉(清水利郎・乗客)、笹野高史(丸山重文・乗客)、ベンガル(馬場光輝・バードパトロール)、宮田早苗(竹中和代・管制官)、江口のりこ(水野頼子・管制官)、いとうあいこ(宮本理英・管制官)、長谷川朝晴(渡辺忠良・管制官)、森下能幸(今井一志・雑誌記者)、小日向文世( 望月貞男・機長)、竹中直人(乗客)、木野花(斉藤利江・悦子の母)、柄本明(斉藤直輔・悦子の父)。
航空機1回のフライトでこんなに面白い作品が出来るとは驚きました。
人気のある矢口史靖監督ですが、これまで観た2作品『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』は全く評価できませんでした。どちらも登場人物がステレオタイプで薄っぺらく、妙な軽さのコメディが長々と描かれるので面白いと感じませんでした。本作も同じような出来だろうと予想して巷の人気が高くても観るつもりはなかったのですが、最近『ICHI』とドラマ「JIN-仁-」で女優の綾瀬はるかが気になっており、WOWOWで放映された機会に彼女狙いで観ることにしました。
本作はANAという組織を前面に打ち出したことで成功しています。航空機を飛ばすという圧倒的なリアリティが、矢口調の軽いコメディと調和されてバランスの良い作品に仕上がっていました。彼の描く人物像の弱点が舞台設定で補われたと言えるのではないでしょうか。過去の航空機パニックものと違って、得てして重苦しくなる事故やクレームなどのエピソードが楽観的な空気に包まれるているような印象に仕上りました。矢口史靖監督が設定する登場人物は相変わらずの薄っぺらさがあります。特に主要人物である田辺誠一演じるの副操縦士や綾瀬はるか演じるキャビンアテンダントは奇妙な軽さがあります。この2人を中心に進めていたら過去の2作品と同様なレベルに終っていたかもしれません。綾瀬はるかについては、制服が似合っていたぐらいで特筆すべき点はありませんでした。主人公としては魅力のない人物を無難に演技していたと思います。グランドスタッフを演じた田畑智子が好演していました。彼女の演技から職業としての大変さが伝わってきました。
矢口史靖監督はよく取材されています。フライトに関する様々なプロセスを見事にストーリーに組み込んでいます。それにしても、航空機は時間に遅れないように作業スケジュールが決められているのには意外な気がしました。整備が最優先事項だと考えていたのですが、時間がなければ見送る判断がされるのですね。いろいろ勉強になりました。飛行機を利用される方は全員が観るべき映画だと思います。
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