2009.11.23

映画『ハッピーフライト』(お薦め度★★★★)

監督・脚本、矢口史靖。2008年日本。企業群像劇コメディ映画。出演、田辺誠一(鈴木和博・副操縦士)、時任三郎(原田典嘉・機長)、綾瀬はるか(斎藤悦子・キャビンアテンダント)、吹石一恵(田中真里・キャビンアテンダント)、寺島しのぶ(山崎麗子・チーフパーサー)、田畑智子(木村菜採・グランドスタッフ)、平岩紙(吉田美樹・グランドスタッフ)、田山涼成(森田亮二・グランドマネージャー)、岸部一徳(高橋昌治・オペレーション ディレクター)、肘井美佳(中島詩織・ディスパッチャー)、中村靖日(吉川雅司・ディスパッチャー)、田中哲司(小泉賢吾・ライン整備士)、森岡龍(中村弘樹・ドック整備士)、正名僕蔵(岡本福夫・乗客 夫)、藤本静(岡本幸子・乗客 妻)、菅原大吉(清水利郎・乗客)、笹野高史(丸山重文・乗客)、ベンガル(馬場光輝・バードパトロール)、宮田早苗(竹中和代・管制官)、江口のりこ(水野頼子・管制官)、いとうあいこ(宮本理英・管制官)、長谷川朝晴(渡辺忠良・管制官)、森下能幸(今井一志・雑誌記者)、小日向文世( 望月貞男・機長)、竹中直人(乗客)、木野花(斉藤利江・悦子の母)、柄本明(斉藤直輔・悦子の父)。

航空機1回のフライトでこんなに面白い作品が出来るとは驚きました。
人気のある矢口史靖監督ですが、これまで観た2作品『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』は全く評価できませんでした。どちらも登場人物がステレオタイプで薄っぺらく、妙な軽さのコメディが長々と描かれるので面白いと感じませんでした。本作も同じような出来だろうと予想して巷の人気が高くても観るつもりはなかったのですが、最近『ICHI』とドラマ「JIN-仁-」で女優の綾瀬はるかが気になっており、WOWOWで放映された機会に彼女狙いで観ることにしました。

本作はANAという組織を前面に打ち出したことで成功しています。航空機を飛ばすという圧倒的なリアリティが、矢口調の軽いコメディと調和されてバランスの良い作品に仕上がっていました。彼の描く人物像の弱点が舞台設定で補われたと言えるのではないでしょうか。過去の航空機パニックものと違って、得てして重苦しくなる事故やクレームなどのエピソードが楽観的な空気に包まれるているような印象に仕上りました。矢口史靖監督が設定する登場人物は相変わらずの薄っぺらさがあります。特に主要人物である田辺誠一演じるの副操縦士や綾瀬はるか演じるキャビンアテンダントは奇妙な軽さがあります。この2人を中心に進めていたら過去の2作品と同様なレベルに終っていたかもしれません。綾瀬はるかについては、制服が似合っていたぐらいで特筆すべき点はありませんでした。主人公としては魅力のない人物を無難に演技していたと思います。グランドスタッフを演じた田畑智子が好演していました。彼女の演技から職業としての大変さが伝わってきました。

矢口史靖監督はよく取材されています。フライトに関する様々なプロセスを見事にストーリーに組み込んでいます。それにしても、航空機は時間に遅れないように作業スケジュールが決められているのには意外な気がしました。整備が最優先事項だと考えていたのですが、時間がなければ見送る判断がされるのですね。いろいろ勉強になりました。飛行機を利用される方は全員が観るべき映画だと思います。

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2009.09.21

オリジナルビデオアニメ「FREEDOM」[全7話](お薦め度★★)

監督、森田修平。企画・原案、高松聡。シリーズ構成、佐藤大、千葉克彦。キャラクター&メカニックデザイン、大友克洋。キャラクターデザイン、桟敷大祐、入江篤。メカニックデザイン、末武康光。世界観設定、渡部隆、曽野由大、青木智由紀。CGI監督、佐藤広大。音楽、池頼広。主題歌、宇多田ヒカル「This Is Love」。2006~8年日本。SFアニメ。声の出演、浪川大輔(タケル)、森久保祥太郎(カズマ)、山口勝平(ビス)、桐本琢也(タイラ)、松本大(ジャンク屋のオヤジ)、加藤精三(アラン)、福原耕平(ゴッシュ)、田中一成(ドロワ)、仙台エリ(チヨ)、小林沙苗(アオ)、小林由美子(リッキー)、秀島史香(アンナマリー)。日清カップヌードルTV-CMとの連動、小説やグッズ展開などのメディアミックスで話題を呼んだ「FREEDOM-PROJECT」。そのオリジナルアニメが9/20にWOWOWで一挙オンエア。

面白くありません。
『AKIRA』と同レベルの精密で綺麗な映像で舞台設定は完璧ですが、物語の内容が全くついてきていません。日清カップヌードルという商品ありきのスポンサード作品がこれほどつまらないものになるとは逆の意味で驚きました。森田修平監督の作品は『カクレンボ』を観ています。それなりの実力のある方にもかかわらずがっかりさせられました。

リアリティは皆無です。ともかく主人公が地球に向かう動機が陳腐過ぎます。写真に写った女の子に一目惚れしただけで15歳の少年が国家反逆を犯すのは荒唐無稽です。さらに地球への着地はどうしてあんなに乱暴なのでしょう。理解できません。地球人との遭遇は、互いに存在を知らずに文明が進んでいるのに、単に都会(月)から田舎(地球)に辿り着いたという描写には想像力のかけらも感じられませんでした。お金を掛けても紐付きは失敗する典型ではないでしょうか。

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2009.09.07

映画『BALLAD 名もなき恋のうた』(お薦め度★★)

監督・脚本・VFX、山崎貴。原案、原恵一。2009年日本。時代劇SF映画。出演、武井証(川上真一)、草彅剛(井尻又兵衛)、新垣結衣(廉姫・春日の国の姫)、大沢たかお(大倉井高虎)、夏川結衣(川上美佐子・真一の母)、筒井道隆(川上暁・真一の父)、吹越満(仁右衛門・又兵衛の家来)、斉藤由貴(お里・仁右衛門の妻)、吉武怜朗(文四郎・仁右衛門の息子)、波岡一喜(彦蔵・野武士)、菅田俊(儀助・野武士)、香川京子(吉乃・廉姫の乳母)、小澤征悦(安長・高虎の側近)、中村敦夫(康綱・春日の国のお殿様)。BALLAD(バラッド)とは、英語で物語的・叙事的な内容の伝統歌謡のこと。

いや~大外れのガッカリの助。
アニメ映画「クレヨンしんちゃん」シリーズの傑作『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の実写版ということと『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴監督作ということで大分前から心待ちにしていました。草彅剛の全裸事件の影響を受けることなく予定通り9月5日に公開されました。

ともかくリアリティがありません。
現代の価値観で戦国時代を語っていて時代考証は皆無です。戦国時代のセットの中でゆる~く時代劇が進行しているという雰囲気しか感じません。物語の設定もショボイ。嫁取りのための戦(いくさ)とは力が抜けました。脚本の力不足ばかりが目立ちました。特に重要ではないもののタイムスリップのシーンは回避しており、SF作品とは思えない全くの手抜きでした。

ガッキーのお姫様もどうなのでしょう。快活な性格を表現するためか立ち姿のシーンばかりで、彼女の長身ばかりが強調されてとても昔の世界が舞台とは思えません。キャスティングのミスというよりも演出の問題でした。

唯一良かったのは、川上真一役の武井証でした。1997年生まれなので12歳ですね。『いま、会いにゆきます』からだいぶ大人になって頑張っている姿に癒されました。

今作を観る限り、山崎貴監督には時代劇アクション映画は無理のようです。

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2009.08.30

映画『ボルト<日本語吹替え版>』(お薦め度★★★)

監督、バイロン=ハワード、クリス=ウィリアムズ。脚本、ダン=フォーゲルマン、クリス=ウィリアムズ。2008年米。3Dアニメ映画。声の出演、佐々木蔵之介(ボルト)、白石涼子(ペニー)、江角マキコ(ミトンズ)、天野ひろゆき(ライノ)。ピクサーと合併したディズニーが、ジョン=ラセター製作総指揮で贈る新生ディズニー第1弾作品。

可も無く不可も無いといったところでしょうか。
残念ながらイマイチ作品の世界に入れませんでした。
悪くは無いのですが、従来からのピクサーとしてのテイストが若干抜けてしまって、より王道としてのファミリー向け作品を狙っています。ディズニーらしいといえばその通りなのですが、観ている側としては何か中途半端というか消化不良なところを感じました。
ボルトの声は少し若い声優で設定すべきだったように感じます。声の落ち着いた印象がキャラクターに合っていないように感じました。ミトンズとライノについては適任でした。

今回のCGで驚いたのは、キャラクターと人間の表現にギャップが無く一緒に描かれていても全く違和感がありませんでした。過去の作品はキャラクター同士の世界を中心に描いていて、時折登場する人間とは一体感が弱かったのですが、今作では調和していました。背景については実写と見間違うような映像で更にCGと実写の距離が狭まっており進化が著しいようです。

今年の夏休み映画は4本観ました。その中で順位をつけると次の通りです。

1位 『アイス・エイジ3/ティラノのおとしもの<デジタル3D/日本語吹替え版>』(お薦め度★★★★★)
2位 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(お薦め度★★★★)
3位 『ボルト<日本語吹替え版>』(お薦め度★★★)
4位 『劇場版ポケットモンスター/ダイヤモンド&パール アルセウス 超克(ちょうこく)の時空へ』(お薦め度★★★)

何んと言っても『アイス・エイジ3』がナンバーワンでした。絶品です。『ボルト』はほんの少しだけ期待外れでした。

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2009.07.25

映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(お薦め度★★★★)

監督、デヴィッド=イェーツ。脚本、スティーヴ=クローヴス。原作、J=K=ローリング。原題『HARRY POTTER AND THE HALF-BLOOD PRINCE』。2009年イギリス・アメリカ。ファンタジー映画。出演、ダニエル=ラドクリフ(ハリー=ポッター)、ルパート=グリント(ロン=ウィーズリー)、エマ=ワトソン(ハーマイオニー=グレンジャー)、ジム=ブロードベント(ホラス=スラグホーン)、ヘレナ=ボナム=カーター(べラトリックス=レストレンジ)、ロビー=コルトレーン(ルビウス=ハグリッド)、ワーウィック=デイヴィス(フィリウス=フリットウィック)、マイケル=ガンボン(アルバス=ダンブルドア)、アラン=リックマン(セブルス=スネイプ)、マギー=スミス(ミネルバ=マクゴナガル)、ティモシー=スポール(ピーター=ペティグリュー)、デヴィッド=シューリス(リーマス=ルーピン)、ジュリー=ウォルターズ(ウィーズリー夫人)、ボニー=ライト(ジニー=ウィーズリー)、マーク=ウィリアムズ(アーサー=ウィーズリー)、ジェシー=ケイヴ(ラベンダー=ブラウン)、フランク=ディレイン(トム=リドル 16歳)、ヒーロー=ファインズ=ティフィン(トム=リドル 11歳)、トム=フェルトン(ドラコ=マルフォイ)、イヴァナ=リンチ(ルーナ=ラブグッド)、ヘレン=マックロリー(ナルシッサ=マルフォイ)、フレディ=ストローマ(コーマック=マクラーゲン)。「ハリー・ポッター」シリーズ第6弾。2009年7月15日(水)日米同時公開。

作品紹介(オフィシャルサイトから引用)
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、ヴォルデモートがマグル、魔法使い両方の世界における支配力を強めようとし、ホグワーツはもはやかつてのような安全な場所ではなくなる。ハリーは学校の中にも危険が潜んでいるのではないかと疑うが、最終決戦が迫っていることを知っているダンブルドア校長は、ハリーに戦いの準備をさせることのほうに力を入れる。ふたりはヴォルデモートの防御を解く手がかりを見つけようとし、そのために、ダンブルドアは旧友であり、元同僚でもあるホラス・スラグホーンを学校に迎え入れる。有力なコネをもち、疑うことを知らないこの美食家の教授が極めて重要な情報を握っていると確信しているからだ。 一方、ホグワーツの生徒たちはまったく種類の違う敵と闘っていた。それは学校中に蔓延する思春期の恋の病。ハリーはますますジニーに惹かれていくが、それはディーン・トーマスも同じ。ラベンダー・ブラウンはロンこそ自分が求める男の子だと決めつける。ただし、彼女にとってロミルダ・ベインのチョコレートがもたらした影響は想定外だった。そしてハーマイオニーは嫉妬で爆発しそうになりながらも、断固として感情を外に出さない。 このように学校中がロマンスで浮き立つなかで、一人の生徒だけが超然としていた。彼は目標を達成することだけに集中する。たとえそれが輝かしいものではないとしても。ホグワーツ全体に恋愛ムードが漂うが、悲劇の暗雲が近づいてくる。すべてが終わったとき、ホグワーツは永久に変わってしまうかもしれない……。

最終決戦に向けた前段として緊張感のある重厚な展開に圧倒されます。さすがに面白い!
後1作品を残すだけと思っていたら、エンドロールが終った後で、『ハリー・ポッターと死の秘宝』がPart1(2010年10月)、Part2(2011年夏)の2本になることが予告されました。これだけの大作なので簡単には終りません。楽しみが増えたと喜ぶべきでしょう。
今作ではヴォルデモートとの戦いに向けて彼の過去が明かされますが、決定的な弱点が見つけらたとは思えません。そしてやっぱりというか予想外というか驚きのラストを迎えてしまいます。現時点ではヴォルデモート側が圧倒的でハリー側は勝ち目なしに思えるのですが、本当にどうなるのでしょうか。最終章が待ち遠しくてたまりません。

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2009.06.29

アニメ『FLAG 一千万のクフラの記録』(お薦め度★★)

原作、高橋良輔、TEAM FLAG。総監督、高橋良輔。監督、寺田和男。シリーズ構成・脚本、野崎透。キャラクターデザイン・総作画監督、竹内一義。ゲストキャラクターデザイン、渡辺裕二。メカニカルデザイン、宮武一貴。美術監督、鈴木俊輔。美術設定、伊井 蔵。色彩設定、久力志保。編集、瀬山武司。撮影監督、石原浩二。3Dディレクター、畑田裕之。音楽、池頼広。音響監督、百瀬慶一。アニメーション制作:アンサー・スタジオ。製作、アニプレックス、アンサー・スタジオ。2006年日本。アニメ映画。声の出演、田中麗奈(白州冴子)、石塚運昇(赤城圭一)、日高奈留美(クリス=エバーソルト)、長嶝高士(ナディ=オロウカンディ)、佐藤ゆうこ(ハカン=アクバル)、浅川悠(ラウェル=スーミン)、川田紳司(一柳信)、乃村健次(ヤン=ニッカネン)、岩崎ひろし(クリスチャン=ベローキ)。FLAG(フラッグ)は、2006年6月16日にバンダイチャンネルより放送された全13話のWebアニメ作品。ハイスペック戦場リアルアニメーションとのサブタイトル。本作は総集編。

ストーリー(オフィシャルサイトから引用)

20XX年、アジアの小国で勃発した内戦は、国連軍の介入をもってしても拡大し、泥沼化していたが、戦地で偶然撮影された一枚の写真によって、和平への動きが一気に加速した。それはフラッグの写真——敵同士であるはずの兵士が戦闘中に互いに協力して聖地に旗を掲げる姿——だった。フラッグは平和の象徴となった。しかし停戦まであと一歩のところで、妨害を謀る武装勢力過激派にフラッグは奪われてしまった。国連は極秘裏にフラッグを奪還すべく、SDC(Special Development Command)"シーダック"の投入を決め、さらにその活動の全てを記録するためカメラマンの帯同を命じた。この任を依頼されたのは、白州冴子。彼女こそ、ことの発端であるフラッグの写真を撮った本人であった。最新の強化装甲服HAVWC(High Agility Versatile Weapon Carrier)"ハーヴィック"※を装備し、容易な作戦と考えていた部隊は、予想もしない反撃に遭い、苦戦を強いられる。相手はただの武装勢力ではないのか?部隊に同行する白州のカメラは、戦いの底に隠された真実に迫っていく─。

※HAVWC (High Agility Versatile Weapon Carrier)“ハーヴィック”

国連がアメリカと共同で開発を進めているヴァーサタイル(多目的)機動兵器。一種の強化装甲服で、銃弾に耐えられる防弾性と多様な火器を装備するプラット・フォームとしての性格を持っている。しかしその最大の特徴は多彩で膨大な戦場情報をリアルタイムで処理する事の出来る能力にある。この物語の時点で既に一部が実戦に投入されている。しかし、まだまだ高価な特殊兵器であり、特にSDCが運用しているのはその中でも最新の実験機。

カメラのファインダー越しの映像で綴られる意欲的で雰囲気のある作品です。
ファインダーをほとんど全編で使うというアイデアには頭が下がります。やれるようでやれない演出だと思います。
総監督・高橋良輔の代表作は『装甲騎兵ボトムズ』でアニメ界の重鎮のようです。『装甲騎兵ボトムズ』を知らないのですが、本作で登場する近未来兵器HAVWCのデザインやコンセプトはリアリティがあり、将来開発されるのではと思えるほどの出来です。作画は「攻殻機動隊」シリーズと肩を並べるくらいのクオリティの高さがありました。

しかし、残念です。物語自体にリアリティがありません。
平和の象徴としてのフラッグを奪還するために国連軍のSDC部隊が動くという、到底有り得ない設定で展開して行きます。1枚の布切れのために国連軍と武装勢力が壮絶な戦いをするのは全く無理がありました。また、武装勢力といえどもゲームに登場する標的のように次々とHAVWCの餌食にされるのは問題です。まるでエイリアンが如く描かれていました。もっと現実味のあるストーリーで作られていれば名作になったのは間違いないでしょう。実に惜しい作品でした。

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2009.04.09

映画『フィクサー』(お薦め度★★★)

監督・脚本、トニー=ギルロイ。原題『Michael Clayton』。2007年米。社会派サスペンス映画。出演、ジョージ=クルーニー(マイケル=クレイトン)、トム=ウィルキンソン(アーサー=イーデンス)、ティルダ=スウィントン(カレン=クラウダー)、シドニー=ポラック(マーティ=バック)、マイケル=オキーフ(バリー=グリッソム)、デニス=オヘア(ミスター=グリーア)、ジュリー=ホワイト(ミセス=グリーア)。第80回(2007)アカデミー賞助演女優賞受賞(ティルダ=スウィントン)。

作品紹介(WOWOWオンラインから引用) 世間の表沙汰には出来ないトラブルをひそかに裏で交渉して巧みに処理する揉み消し屋が“フィクサー”。巨大製薬会社の薬害訴訟事件を背景に、そんな裏稼業に生きてきた主人公が、良心の呵責に苦悩しながら自身の生き残りをかけて必死に奔走する様子を、スリル満点に描写。人気ヒット作「ジェイソン・ボーン」シリーズの脚本家T・ギルロイが、本作で監督デビュー。クルーニーらしい、骨太の社会派エンタテインメントに仕上がった。彼やスウィントン、T・ウィルキンソンら実力派演技陣による息詰まる演技合戦から最後まで目が離せない。

サスペンス性の高い、重厚な作品でした。
ジョージ=クルーニーが製作総指揮と主演で、弁護士事務所に所属していながら揉み消し屋として生きる主人公を熱演しています。ラストシーンでタクシーに乗り込んだ彼を正面からずっと撮り続けます。かなり難しい演技が要求される場面ですが、勝ったとも負けたともいえない固く重たい表情が非常に印象に残りました。そこには善悪では判断できないギリギリの選択をした男の顔がありました。最後はジョージ=クルーニーに見えないほどの演技でした。
トニー=ギルロイは「ジェイソン・ボーン」シリーズ3部作の脚本家だそうですが、本作のほうが数段面白い脚本でした。ただし、唯一何故主人公が車からおりて馬を見に行ったのか理解できませんでした。このシーンが重要にもかかわらず、違和感を残しました。

非常に出来の良い予告編です。

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2009.03.31

映画『バットマン ビギンズ』(お薦め度★★)

監督、クリストファー=ノーラン。原案、デヴィッド=S=ゴイヤー。脚本、クリストファー=ノーラン、デヴィッド=S=ゴイヤー。2005年米。アメコミヒーロー実写版映画。出演、クリスチャン=ベイル(ブルース=ウェイン/バットマン)、リーアム=ニーソン(ヘンリー=デュガード)、マイケル=ケイン(アルフレッド)、モーガン=フリーマン(ルシウス=フォックス)、ゲイリー=オールドマン(ゴードン警部補)、渡辺謙(ラーズ=アル=グール)、ケイティ=ホームズ(レイチェル)、キリアン=マーフィ(ジョナサン=クレイン)、トム=ウィルキンソン(カーマイン)、ルトガー=ハウアー(アール)。

作品紹介(WOWOWオンラインから引用) DCコミックの看板作品「バットマン」を、「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」以来8年ぶりに映画化。以前のシリーズとは装いも新たに、主人公ウェインがダーク・ヒーロー“バットマン”となるまでを改めて描き直す。C・ノーラン監督は本作と続編「ダークナイト」でより葛藤を抱えた新たなバットマン像を作り出し、絶賛の的に。「アメリカン・サイコ」のC・ベールが一新されたコスチュームを身につけ、バットマンを熱演。共演はL・ニーソン、M・ケインら名優に加え、日本の渡辺謙も敵役の1人を印象深く演じている。

ストーリーがよくわかりません。
ヒマラヤの奥地でデュガードや導師ラーズ=アル=グールの元で修行を積んだのに、どうして敵対して戦うことになるのかさっぱりです。話の流れについていけませんでした。そもそもデュガードと行動を共にした理由がわかりません。そんなわけで何が何だかわからないうちに終わってしまいました。
大都会ゴッサム・シティの描き方も中途半端でした。架空の都市の理解でいたのにロケによるリアルな都市も使っていたようなので作り話としての境界線が不明で、作品で描かれる世界観に馴染めず居心地の悪さがありました。キャスティングも旧シリーズのマイケル=キートンがバットマンに適役だったので、クリスチャン=ベイルは合っているとは思えません。ヒロイン役のケイティ=ホームズも美しいとも可愛らしいとも感じず興味が持てませんでした。性格付けも変な感じです。
バットマン自身が武器をペイントしたり、チューニングするシーンはヒーローものからかけ離れていて、何んとも言えない物悲しいさがあります。唯一楽しめたのは、戦車のようなバットマンカーでした。モンスターマシンのデザインといい破壊的な動きといい圧巻でした。

続編の『ダークナイト』を観る準備は整いました。しかし、本作を面白く感じられないので楽しめるのでしょうか不安です。

文句無しに良く出来た予告編です。

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2009.03.14

映画『秒速5センチメートル』(お薦め度★★★★)

監督・原作・脚本、新海誠。主題歌、山崎まさよし『One more time, One more night』。2007年日本。アニメ映画。声の出演、水橋研二(遠野貴樹)、近藤好美(篠原明里・第1話)、花村怜美(澄田花苗・第2話)、尾上綾華(篠原明里・第3話)。

ひとりの少年を軸にして描かれる、独立した3本の作品からなる連作短編アニメーション。
第1話「桜花抄」
第2話「コスモナウト」
第3話「秒速5センチメートル」

ぐっときました。
新海誠監督らしい世界観、空気感が凝縮された秀作です。過去の作品『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』と比べて一番の出来ではないでしょうか。『月とキャベツ』でも主題歌で使われていた山崎まさよしの『One more time, One more night』が非常にマッチしていています。第3話はまるで音楽プロモーションビデオのような演出で、最終話にふさわしいエンディングでした。心の奥底にある懐かしくも大切なものを思い出させてくれました。

予告編も良いですね。劇場で観たかったと感じます。

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2009.03.02

映画『ホリディ』(お薦め度★★★)

監督・脚本、ナンシー=マイヤーズ。原題『The Holiday』。2006年米。ロマンティック・コメディ映画。出演、キャメロン=ディアス(アマンダ)、ケイト=ウィンスレット(アイリス)、ジュード=ロウ(グラハム・編集者でアイリスの兄)、ジャック=ブラック(マイルズ・作曲家)、エドワード=バーンズ(イーサン・同棲しているアマンダの恋人)、ルーファス=シーウェル(ジャスパー・新聞社の同僚でアイリスの元恋人)、イーライ=ウォラック(アーサー・元脚本家)。

作品紹介(WOWOWオンラインから引用) 片やビバリーヒルズの豪邸に住むアマンダと、他方はロンドン郊外のメルヘンチックなコテージで暮らすアイリス。各自つい最近悲恋を味わったばかりの2人が、心をリフレッシュすべく、クリスマス休暇の間だけお互いの持ち家を交換する取り決めを交わし、やがてそれぞれ新たな恋のチャンスにめぐり合う様子を、「イン・ハー・シューズ」のC・ディアスと「タイタニック」のK・ウィンスレット、そしてJ・ロウとJ・ブラックという、人気スターたちの豪華共演で軽妙洒脱に綴る。監督は「恋愛適齢期」のN・マイヤーズ。

ハッピーになれる作品でした。
映画ならではの豪華スターが共演し、夢のようなひと時を提供してくれます。動のアマンダと静のアイリスの2人の恋模様が織り成すコントラストが絶妙でした。キャメロン=ディアスとジュード=ロウの組合わせによるカップルはピッタリでした。美男美女が出会っていきなりの展開にはビックリさせられ、翌朝の彼氏と彼女の会話にうまいこと酔わせてもらいました。片やアイリスも思いやり溢れる人柄が、やがて自らも幸福になってゆく歩みも清々しく感じられました。イギリスにみんなが集うラストには心が温まりました。ロサンジェルスで無いところがミソなのでしょうね。

ナンシー=マイヤーズ監督の恋愛ものは良いですね~。前作の『恋愛適齢期』もイカシテました。

主人公2人の女優を対比させた出来の良い予告編です。

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