2009.03.15

映画『マダガスカル2<日本語吹替版>』(お薦め度★★)

監督、エリック=ダーネル、トム=マクグラス。脚本、イータン=コーエン。原題『MADAGASCAR: ESCAPE 2 AFRICA』。2008年米。アドベンチャー・アニメ映画。声の出演、玉木宏(アレックス・ライオン)、柳沢慎吾(マーティ・しまうま)、岡田義徳(メルマン・きりん)、高島礼子(グロリア・かば)、山崎弘也(隊長・ペンギンズ)、柴田英嗣(新人・ペンギンズ)、小木博明(キング・ジュリアン)、矢作兼(モーリス)。ドリームワークス製作のコメディ・アニメ『マダガスカル』の第2弾。

どうしたことでしょう、まったく面白くありません。
ほとんど笑えませんでした。同じ監督で、脚本家が変わっただけでこれだけ失速するとは思いもよりませんでした。映像の見せ方は前作よりも格段と向上してCGの進化は実感できましたが、それだけでは何んともなりません。声優陣のメンバー交代は無かったのですが、柳沢慎吾と高島礼子以外は同じ声に感じられませんでした。物語の世界に入ることが出来なかったので、細かいところにも注意が行ってしまいました。

予告の出来は良かったのですが、期待し過ぎたのかもしれません。トホホ...(泣)。

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2009.02.17

映画『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』(お薦め度★★)

監督・脚本、ザック=ヘルム。2007年米。原題『MR. MAGORIUM'S WONDER EMPORIUM』。ファンタジー映画。出演、ダスティン=ホフマン(マゴリアムおじさん・おもちゃ屋のオーナー)、ナタリー=ポートマン(モリー=マホーニー・おもちゃ屋の支配人)、ジョエイソン=ベイトマン(ヘンリー=ウェストン・経理士)、ザック=ミルズ(エリック=アップルバウム・おもちゃ屋のお手伝い)。

作品紹介(WOWOWオンラインより引用) 「スター・ウォーズ」新3部作や「ブーリン家の姉妹」の人気女優N・ポートマンが、突然魔法のおもちゃ屋を託されたヒロインを好演するハートウォーミング・ファンタジー。243歳という長生きで、不思議な力を持ったマゴリアムおじさんを、「クレイマー、クレイマー」「レインマン」で2度のアカデミー賞主演男優賞に輝く名優D・ホフマンが楽しそうに演じる。監督・脚本は「主人公は僕だった」の脚本で注目されたZ・ヘルム。本作で監督デビューを飾った。魔法の力で生き生きと動き出す、カラフルなおもちゃたちの映像が魅力的だ。

たったこれだけ!?・・・なのという内容です。
ダスティン=ホフマン、ナタリー=ポートマンの豪華な共演と魔法のおもちゃ屋という設定で、どれほど面白い作品になるのか期待が膨らみました。しかし、主要な登場人物のマゴリアムおじさん、モリー、エリックの3人が普通でないので、魔法による超常現象が当たり前に理解されている前提に、物語の世界に入ることが遮断されてしまったように感じられます。そのために超常現象が種明かしされた手品のようで、驚かされる刺激は皆無になってしまいました。だからどうしたのといった調子です。
ストーリーはおもちゃ屋の相続だけで、偶然能力に目覚めた引き継ぐべき人に渡ったという、本当にこれだけで終わって良いのかとしか思えませんでした。とても勿体無い映画でした。

予告編は楽しげに映るのですが...

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2009.02.10

映画『マンマ・ミーア!』(お薦め度★★)

監督、フィリダ=ロイド。脚本、キャサリン=ジョンソン。原題『MAMMA MIA!』。2008年イギリス・アメリカ。ミュージカル映画。出演、メリル=ストリープ(ドナ・母)、アマンダ=セイフライド(ソフィ・娘)、ピアース=ブロスナン(サム・設計会社の社長)、コリン=ファース(ハリー・銀行家)、ステラン=スカルスガルド(ビル・旅行ライター)、ドミニク=クーパー(スカイ・娘の婚約者)、ジュリー=ウォルターズ(ロージー・料理作家)、クリスティーン=バランスキー(ターニャ)。フィリダ=ロイド監督は舞台版も演出し、これが劇場長編初メガホン。

全世界170都市以上で上演、観客動員数3000万人以上-今も世界中を総立ちにさせ、すべての人をハッピーにしつづける大ヒット・ミュージカル、待望の映画化! ミュージカル映画史上、世界№1興行収入を記録更新中!

合いませんでした。
ミュージカル映画は嫌いではないのですが、結婚式を目前に控えた父親探しのドタバタ劇にピンときませんでした。物語自体が面白くありません。ミュージカルといえば鍛えられた舞台俳優のキレのある踊りと美しい歌声が勝負どころですが、本作では期待したものは得られませんでした。オジサンとオバサンがワルノリして騒いでいるようで、美声に聞き惚れる場面は皆無でした。大好きなABBAの楽曲がふんだんに使われていながらミュージカル特有の高揚感は感じられず、残念でしかたありません。作品の世界に入れませんでした。

予告編は良い編集がされています。

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2009.02.03

映画『魍魎の匣』(お薦め度★★)

監督・脚本、原田眞人。2007年日本。ホラー映画。出演、堤真一(中禅寺秋彦・京極堂)、阿部寛(榎木津礼二郎・探偵)、椎名桔平(関口巽・作家)、宮迫博之(木場修太郎・刑事)、田中麗奈(中禅寺敦子・記者)、黒木瞳(柚木陽子・元女優)、宮藤官九郎(久保竣公・作家)、柄本明(美馬坂幸四郎・医学教授)、谷村美月(楠本頼子・加菜子の同級生)、清水美砂(中禅寺千鶴子・京極堂の妻)、篠原涼子(関口雪絵・関口の妻)、マギー(鳥口守彦・編集者兼記者)、堀部圭亮(青木文蔵・刑事)、荒川良々(安和寅吉・榎木津の探偵助手)、笹野高史(今出川欣一・榎木津の叔父)、大森博史(寺田兵衛・教主)、大沢樹生(増岡則之・弁護士)、右近健一(雨宮典匡・陽子と加菜子の監視者)、寺島咲(柚木加菜子・陽子の娘)。

作品紹介(WOWOWオンラインから引用) 日本史や古典、怪談・妖怪などに造詣が深い京極の代表作の1つである《京極堂(百鬼夜行)》シリーズから、第49回日本推理作家協会賞に輝くシリーズ第2作を映画化したのが本作。連続美少女殺人事件、暗躍する謎の教団、警察が追う巨大なハコ型建物という3つのプロットが、最終的に1つの点で結ばれていく壮大な展開を、豪華キャストの競演、中国・上海での本格ロケ撮影など、ダイナミックな工夫をこらしてにぎやかに映像化している。監督は「クライマーズ・ハイ」の原田眞人。
ストーリー: 1952年(昭和27年)。探偵の榎木津は元映画女優の陽子から、失踪した彼女の娘、加菜子の捜索を依頼される。同じ頃、作家の関口は少女連続殺人事件を調査するうち、ある新興宗教団体を怪しがるが、同団体では信者が10人も失踪していた。少女連続殺人事件を担当する青木刑事はやがて、加菜子が電車に轢かれて瀕死の重傷を負った現場に遭遇する。そして古書店《京極堂》の主人である陰陽師、中禅寺は、これら3つの難事件の解決に挑む。

悪い冗談的な作品です。
舞台設定と登場人物は雰囲気が十分にあって申し分ないのですが、物語が噛み合っていません。サスペンスとしては軽過ぎますし、ホラーとしては中途半端です。コメディでもないようなのでどう評価すればいいのでしょう。結局美少女の手足をバラバラにした猟奇的な犯罪の映像を観客にみせたかったのでしょうか。製作の意図がわかりませんでした。原田真人監督はこんな作風でしたっけ!?清水美砂が観れたのはラッキーでした。

予告に騙されました。

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2009.01.12

映画『マーズ・アタック!』(お薦め度★★★)

監督、ティム=バートン。脚本、ジョナサン=ジェムズ。原題、『Mars Attacks!』。1996年米。SFコメディ映画。出演、ジャック=ニコルソン(ジェームス=デイル大統領/アート=ランド(2役))、グレン=クローズ(マーシャ=デイル・大統領夫人)、ピアース=ブロスナン(ケスラー教授)、アネット=ベニング(バーバラ)、ダニー=デヴィート(ギャンブラー)、マイケル=J=フォックス(ジェイソン)、パム=グリアー(ルイーズ)、トム=ジョーンズ(本人役)、リサ=マリー(エイリアンのスパイ)、ナタリー=ポートマン(大統領の娘)、ジム=ブラウン、サラ=ジェシカ=パーカー。

実は初めて観ました。思いっきりブラックですね。今観ても旧さを感じさせず、全く遜色ありません。
インベーダーといえば必ず侵略者として扱うのが米国流なのに、逆転の発想でどう贔屓目にみても怪物にしかみえない火星人を友好的に扱って、侵略を受けてしまうというおバカな展開です。それにしても贅沢な出演者が惜しげもなく殺戮されてしまいます。かなりグロながら上品に仕上がっているところが奇才・ティム=バートン監督の真骨頂だと思います。

豪華な俳優陣の見事なやられっぷりでした。

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2008.12.31

映画『マイ・ボス マイ・ヒーロー2 リターンズ』(お薦め度★★★)

監督、キム=ドンウォン。脚本、キム=ドンウォン、イ=ユンジン。原題、『My Boss, My Teacher(Two師父一体) 』。2006年韓国(韓国公開:2006年1月19日)。学園コメディ映画。出演、チョン=ジュノ(ケ=ドゥシク)、ハン=ヒョジュ(ユ=ミジョン)、キム=サンジュン(オ=サンジュン・大親分)、チョン=ウンイン(キム=サンドゥ・組のナンバー2)、チョン=ウンテク(テガリ・組のナンバー3)、チェ=ユニョン(チェ=ナヨ)、パク=ヨンシク(校長)、パク=ヨンギ(イ=グァンギュ)、ソン=ヨンスン(ミジョンの祖母)。『マイ・ボス マイ・ヒーロー』続編、前作のメンバーが再結集し600万人の観客を集めた話題作。ドラマ「春のワルツ」のヒロイン、ハン=ヒョジュが本作で映画デビュー。キム=ドウォン監督は本作で長編劇映画デビュー。

前作以上の面白さです。
前作のラストで、大親分の命令により大学にも進学することになった主人公が卒業を前に教育実習生として高校に舞い戻り教育実習を行なうことに...。監督が交代したものの、前作の主要な登場人物が揃って同じトーンで描かれているので安心して観れます。大好きな『ラブストーリー』や『炎のランナー』のパロディが登場して楽しめました。観ている途中でヒロインがハン=ヒョジュであることがわかりました。女子高校生としてはまっていたので気付くのが遅れました。
今回は教師対教師の対決となり、物語がわかりやすくなりました。大親分との絡みは絶妙です。ただし、コメディの枠を超えるショッキングなシーンがあります。その後の展開は共感できるものの非常に驚かされました。

前作の映像がかなり入った予告になっています。

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2008.12.30

映画『マイ・ボス マイ・ヒーロー』(お薦め度★★★)

監督・脚本、ユン=ジェギュン。2001年韓国(韓国公開:2001年12月8日)。学園コメディ映画。PG-12。出演、チョン=ジュノ(ケ=ドゥシク)、チョン=ウンイン(キム=サンドゥ・組のナンバー2)、チョン=ウンテク(テガリ・組のナンバー3)、オ=スンウン(イ=ユンジュ)、ソン=ソンミ(イ=ジソン)、パク=チュンギュ(チョ=ボンパル)、キ=ジュボン(校長)、キム=サンジュン(オ=サンジュン・大親分)。韓国では観客動員620万人という大ヒットを記録、2006年には長瀬智也を主演に日本でTVドラマ化。

期待する場面で期待通りの働きをしない予測不能な学園ヒーローものです。
ヤクザの親分が学歴を問われ、大親分の命で再び高校に編入。しかし、学校こそが無法地帯で、私腹をこやす悪徳校長から学校をとり戻すために大暴れをする異色学園ドラマです。ただし、学校対生徒という構図ではなく、学校を牛耳る敵対するヤクザ組織との対決に仕上げています。

高校生になった親分が同級生にカツアゲされたり、クラスの女子に恋心を寄せたり割りと普通な学生です。儒教の教えからなのでしょう、目上の教師に反抗する場面はありません。悪徳校長に対しても直接対決はしていません。彼女が目の前でボコボコにされているのに止めに入らず、大ケガをして病院に担ぎ込まれるときに付き添う主人公はいただけません。最終的には校長に対して間接的に落とし前をつけますが、しっくりきませんでした。ラストはほとんど説明されずに終わってしまいます。終わり方に不満があるわけではないのですが、特に余韻を残すわけでなく不思議な締めくくりとなっています。コメディでありながらザックリ割り切る点が韓国映画の醍醐味なのかもしれません。

ところで日本のリメイクドラマは全く観ていません。オリジナルをそのまま反映させるのは日本では馴染まないので、相当手が入れられているのではと思いますがどうなのでしょうか。

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2008.10.05

映画『ミッドナイト イーグル』(お薦め度★)

監督、成島出。脚本、長谷川康夫、飯田健三郎。原作、高嶋哲夫・小説『ミッドナイト イーグル』。2007年日本。サスペンスアクション映画。出演、大沢たかお(戦場カメラマン・西崎優二)、玉木宏(東洋新聞記者・落合信一郎)、吉田栄作(三等陸佐・佐伯昭彦)、竹内結子(週刊「WISE」記者・有沢慶子)、佐原弘起(優二の息子・西崎優)、坂本爽(週刊「WISE」カメラマン・青木誠)、波岡一喜(工作員・平田俊夫)、金子さやか(工作員の恋人・チヘ)、大森南朋(三等陸佐・斉藤健介)、石黒賢(週刊「WISE」編集長・宮田忠夫)、袴田吉彦(内閣危機管理監・冬木利光)、藤竜也(内閣総理大臣・渡良瀬隆文)。

超駄作です。
あまりにも脚本がお粗末過ぎました。どう転んでも丸腰の民間人が武装した軍隊と戦えるわけがありません。偶然に巻き込まれてしまうならともかく、積極的に関わってしまう無茶苦茶な設定はメジャー作品としては理解を超えています。ほとんどの登場人物の描き方も凡庸で共感できるところがありません。特に石黒賢が演じる編集長の宮田は全く意味不明の謎の人物でした。成島出監督の作品は『油断大敵』と『フライ,ダディ,フライ』を観ていますが、どちらも思わしくなく、今作で更に評価を下げました。制作費と宣伝費を投入しても、邦画で本格的なポリティカルサスペンスは無理なのかもしれません。

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2008.09.05

映画『舞妓Haaaan!!!』(お薦め度★★★★)

監督、水田伸生。脚本、宮藤官九郎。2007年日本。コメディ映画。出演、阿部サダヲ(鬼塚公彦)、堤真一(内藤貴一郎)、柴咲コウ(大沢富士子/駒富士)、小出早織(駒子)、京野ことみ(小梅)、酒井若菜(豆福)、キムラ緑子(良江)、生瀬勝久(先崎部長)、大倉孝二(大下)、山田孝之(修学旅行生)、須賀健太(カメラ小僧)、北村一輝(医師)、Mr.オクレ(老社員)、日村勇紀/バナナマン(カメラ小僧)、木場勝己(玄太)、真矢みき(こまつ)、吉行和子(さつき)、伊東四朗(鈴木大海)、植木等(斉藤老人)。

やっぱり宮藤官九郎の脚本は面白いです。
ノンストップで畳み掛けるコメディのキレは目を見張るものがあります。主人公の超おバカなキャラクターは無敵です。阿部サダヲの醸し出す独特の間と可笑しさが見事にはまっていました。ただし、少し物足りなかったのが舞妓ファンになるきっかけとなった小梅との関係性が弱かった点と、ラストの盛り上がりが物足りなかった点です。主人公の生き方に深みが無いのでクドカンの脚本作品としては『ゼブラーマン』の次くらいに『舞妓Haaaan!!!』は位置します。
水田伸生監督はTVドラマの演出を手がけてこられ、本作が映画監督2作目とのことです。次回作も期待できますね。植木等が登場したのには驚きました。だいぶ前にお亡くなりになったと思っていたからです。本作で在りし日の姿が拝見できてうれしくなりました。

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2008.08.08

映画『モンスター・ハウス<日本語吹替版>』(お薦め度★★★)

監督、ギル=キーナン。脚本、ダン=ハーモン、ロブ=ジュラブ、パメラ=ペトラー。2007年米。ホラーアニメ映画。声の出演、高山みなみ(DJ・12歳の少年)、宮里駿(チャウダー・DJの親友)、石原さとみ(ジェニー)、泉谷しげる(ネバークラッカー・怪しげな屋敷で暮らす老人)、磯辺万沙子(コンスタンス・ネバクラッカーの妻)、朴路美(ジー・ベビーシッター)、桐本琢也(ボーンズ・ジーのボーイフレンド)、遠藤純一(スカル・オタク男)、玄田哲章(ランダーズ・警官)、高木渉(リスター、警官)、佐々木優子(ママ)、田中正彦(パパ)。スティーヴン=スピルバーグとロバート=ゼメキスが製作総指揮を務めたフルCGアニメーション。

予想以上に面白い作品です。
子供向けということで高を括っていたのですが、脚本が優れていて引き込まれました。ホラーにありがちな中味の薄い物語ではありません。サスペンスとアドベンチャーの要素が十分に組み込まれ、謎解きも納得できました。人間の悲哀も描かれており、ディテールに至るまで精巧に作り込まれていました。しかも子供向けの枠をしっかりと守って良質な内容です。流石はスピルバーグとゼメキスが手を組んだだけのことはあります。2006年のアカデミー賞長編アニメ賞にノミネートされたのも頷けます。

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2008.07.28

ドラマ「めぞん一刻」(お薦め度★★★)

監督、赤羽博。脚本、岡田惠和。原作、高橋留美子(小学館ビッグコミックスピリッツ)。エンディングテーマ、松任谷由実「守ってあげたい」(東芝EMI)、制作、テレビ朝日/東北新社クリエイツ。人気コミック実写版ドラマ。2008年テレビ朝日。2008/7/26放送。出演、伊藤美咲(音無響子)、中林大樹(五代裕作)、岸部一徳(四谷さん)、岸本加世子(一の瀬花枝)、高橋由美子(六本木朱美)、橋爪遼(坂本・裕作の友人)、前田愛(黒木小夜子・五代の所属する人形劇部の部員)、柳沢慎吾(茶々丸のマスター)、宇崎竜童(裕作の父)、浅野温子(裕作の母)、菅井きん(五代ゆかり・裕作の祖母)、沢村一樹(三鷹瞬)、南明奈(七尾こずえ)。

そこそこ楽しめました。
昨年5/12放映された前作の内容はほとんど忘れましたが、キャストや舞台設定がほとんど変わらないので同じような感覚で観ることができました。前作が好評だったので企画されたようです。そのためか前作と本作ははっきりと前編・後編のような位置付けにはなっていないようです。脚本家は同じですが、監督が違っているため、前作のシーンが本作に挿入されることはほとんどありませんでした。電車などの交通広告による番宣も前作を意識させるような文言はなかったようです。

物語としては2人のもどかしい駆け引きばかりで、エピソードがあまり無いため、全体を通じてテンポが悪く間延びした印象です。2時間ドラマとするならば、もう少しいろいろな要素を組み込んで高橋留美子作品らしいドタバタをより強調して欲しいところでした。

前作同様にキャステングはほとんど変更が無く、七尾こずえ役が榮倉奈々から南明奈に変更されていただけです。やはり五代裕作役の中林大樹は役に合った良い味を出していました。間違いなくはまり役です。この作品以外で彼の出演作を知りませんので他で活躍しているのか知りません。伊藤美咲の音無響子も安心して観ることができました。岸部一徳、岸本加世子、高橋由美子のマンガチックなキャラクターが好きなのですが、本作では彼らに関するエピソードが少なかったのが残念でした。久しぶりの浅野温子の登場はチョイ役ながら楽しめました。

前作の後に連続ドラマ化されるのかとも思いましたが、続編の単発ドラマとして完結してくれてテレビ朝日の真面目さが感じられました。

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2008.05.25

映画『蟲師』(お薦め度★★)

監督・脚本、大友克洋。脚本、村井さだゆき。原作、漆原友紀。2006年日本。ミステリー・ホラー映画。出演、オダギリジョー(ギンコ)、江角マキコ(ぬい)、大森南朋(虹郎)、蒼井優(淡幽)、李麗仙(たま)、りりィ(庄屋夫人)、クノ真季子(真火の母)、守山玲愛(真火)。

面白くありません。失敗作です。
『AKIRA』や『スチームボーイ』のようなものを実写版でも期待していたのですが、本作には見事に裏切られました。物語がほとんど理解できず、観終わってストーリーをどう解釈していいものかわかりません。

流石に映像表現は優れています。妖しき生きもの“蟲”という架空の世界を見事に描き出しています。淡幽が蟲の力を文字に封じ込めるシーンは、オドロオドロしく独特の雰囲気がありました。

今をときめく若手俳優のオダギリジョーと蒼井優を起用させるキャスティングは文句無しです。ただし、オダギリジョーの現代風の演技は時代劇にマッチしておらず、1人だけ浮いた存在に感じられました。江角マキコが演じたぬいもほとんど理解できない人物でした。

ハッキリ言って次の実写版はよほどの評価にならない限り観ません。

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2008.04.29

映画『名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)』(お薦め度★★)

監督、山本泰一郎。脚本、古内一成。2008年日本。アニメ映画。声の出演、高山みなみ(江戸川コナン)、山崎和佳奈(毛利蘭)、神谷明(毛利小五郎)。青山剛昌の同名人気コミックの劇場版アニメ第12弾。

GWの子供向けアニメ映画は、他に『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』と『クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛(きんぽこ)の勇者(ゆうしゃ)!』が上映されています。ドラえもんの劇場版は観るべき水準を満たしていないのでパス。クレヨンしんちゃんは当たり外れの差が大きく、本郷みつる監督作で納得できたものは無いので見送りました。結局消去法で昨年同様にコナンを選びました。劇場での人気は他の映画と比べて群を抜いていますが、ありがたいことにオフィシャルサイトで割引券を入手出来ます。本日1回目は満員で入場できず、2時間半後の2回目に何とか前から2列目中央の座席を確保できました。こんなに前で観賞したくないのですが仕方ありません。本当に驚くほど人気があります。

これだけ人気があるのならばと内容についても僅かな期待を抱いたのですが、大人が観るミステリーとしてはやっぱり落第です。こんな犯人の動機では物語として弱すぎます。犯罪として成り立たないでしょう。単なる独りよがりの逆恨みでしかありません。また、犯行の手口としても現実的ではありません。これだけの火力を手に入れるのは無理です。前作同様に"子供騙し"のアニメ映画です。一緒に行った子供たちは大変喜んでいるのでファミリー映画としては機能していますし、興行的にも成功しています。上映後に第13弾の予告がながれましたので今後もシリーズは安泰でしょう。しかし、可能ならば大人も楽しめる質の高い作品を希望します。

ところで、我が家族の両隣は中学生前後の女児がそれぞれ友人と家族(母親同伴)で観に来ていましたが、どちらも上映中にケータイを確認していました。母親同伴のほうは、娘を注意するどころか母親自身がケータイを取り出す始末です。子は親の鏡というように娘が真似をしていたのでした。本当に親子揃ってマナーが悪いです。やがてケータイは人間関係そのものを潰しますね。

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2007.11.26

映画『模倣犯』(お薦め度★)

監督・脚本、森田芳光。原作、宮部みゆき。2002年日本。出演、中居正広(網川浩一・ピース)、津田寛治(栗橋浩美)、藤井隆(高井和明)、藤田陽子(高井由美子)、山崎努(有馬義男)、伊東美咲(古川鞠子)、木村佳乃(前畑滋子)、寺脇康文(前畑昭二)、田口淳之介(塚田真一)、平泉成(武上悦郎)、モロ師岡(篠崎刑事)、吉田朝(坂木刑事)、桂憲一(鳥居刑事)、佐藤二郎(白井刑事)、中村久美(古川真智子)、小木茂光(古川茂)、由紀さおり(栗橋寿美子)。

呆れるほどの駄作です。
よくもまあ、これほど観客をなめた作品が作れるものです。原作者に対しても失礼でしょう。中居正広が主演の犯罪映画ということで機会があれば観たいと心待ちにしていた作品でした。他のキャスティングも個性豊かな演技力のある俳優を集めていて期待が高かっただけに、完全に裏切られました。観なければよかった。映画会社(東宝)が最終的にストップできなかったのでしょうか、不思議でしかたありません。12/1から森田芳光監督のした『椿三十郎』が公開されます。5年前にこんな作品を作っていていながら、黒澤作品をリメイクできるまでに復活を遂げるとは大したお方です。

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2007.10.12

映画『マレーナ』(お薦め度★★★)

監督・脚本、ジュゼッペ=トルナトーレ。2000年イタリア・アメリカ。戦争映画。出演、モニカ=ベルッチ(マレーナ)、ジュゼッペ=スルファーロ(少年レナート)、ルチアーノ=フェデリコ、マティルデ=ピアナ。

監督は遊び過ぎではないでしょうか。
思春期のおバカとも思える性衝動と戦争に翻弄される美しい人妻の悲劇の2つのテーマを描いていますが、主人公である12歳の少年の妄想シーンが数多く挿入されてコメディ色が強過ぎてしまい、戦争という時代性が軽んじられていました。『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』のジュゼッペ=トルナトーレ監督ということでかなり信頼できる作品だと踏んで、少年が年上の女性に憧れるという一途な恋物語ということなのでどれほど面白いものになっているのか期待しました。
しかし、ほとんど想定外です。年下の少年の憧れが単に性衝動に直結していて、ただマスターベーションしたいだけの性的欲求が前面に出てきてしまい物語りに深みがありません。少年の父母はまるでコメディアンのようでした。そのようなトーンなのでお色気度を満点にせざるおえなかったようです。予想以上にマレーナ役のモニカ=ベルッチを脱がせました。これには驚きました。「イタリアの宝石」「世界一の美女」と評される女優のヌードを多く拝めてたのは非常に得した気にさせられました。ちなみに、映像がとてもシャープで少しも下品でない仕上がりです。
終盤でジュゼッペ=トルナトーレ監督の真骨頂がみられますが、残念ながら前半のコメディっぽい流れに引き摺られ過ぎた影響でそれほど心に響く作品にはなりませんでした。

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2007.09.02

映画『ミュンヘン』(お薦め度★★)

監督、スティーヴン=スピルバーグ。原作、ジョージ=ジョナス 『標的(ターゲット)は11人 モサド暗殺チームの記録』。2005年米。サスペンス映画。出演、エリック=バナ(アヴナー)、ダニエル=クレイグ(スティーヴ)、キアラン=ハインズ(カール)、マチュー=カソヴィッツ(ロバート)、ハンス=ジシュラー(ハンス)、ジェフリー=ラッシュ(エフライム)、アイェレット=ゾラー(ダフナ)、ギラ=アルマゴール(アヴナーの母)、ミシェル=ロンズデール(パパ)、マチュー=アマルリック(ルイ)、モーリッツ=ブライブトロイ(アンドレアス)、ヴァレリア=ブルーニ=テデスキ(シルヴィー)、メーレト=ベッカー(イヴォンヌ)、イヴァン=アタル(トニー/アンドレアヌスの友人)、マリ=ジョゼ=クローズ(ジャネット)、アミ=ワインバーグ(ザミール将軍)、リン=コーエン(ゴルダ=メイア首相)。

大作だとは思いますが、リアリティがありません。
1972年のミュンヘンオリンピックで発生したパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手殺害事件とその後のイスラエル暗殺部隊によるパレスチナ・ゲリラへの報復を描いています。それなりのトーンでスピルバーグらしい映画になっていますが、要するに「ミイラとりがミイラ」になってしまうという因果応報の物語です。
後半のクライマックスで必ずミュンヘンでの出来事がフラッシュバックします。主人公との結び付きは弱いのにもかかわらず、当事者としての主人公の記憶になっています。この辺りが理解できませんでした。また、暗殺を繰り返すことによって、逆に何者かによってメンバーがターゲットにされる展開はさっぱりわかりませんでした。

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2007.08.17

映画『まわし蹴り』(お薦め度★★★)

監督、ナム=サングク。2004年韓国。英題『Spin Kick』。青春映画。出演、キム=ドンワン(ヨンゲク・番長)、ヒョンビン(ミンギョ・テコンドー部主将)、チョ=アン(マネジャー)、キム=ガスプ(ソク校長)、キム=ヨンホ(ソン=チュングン・ちびっ子テコンドー道場の館長)、パク=ジョンハク(コ監督)。映画界進出が待ち望まれていたK-POP界随一の人気を誇る“SHINWHA(神話)”のヴォーカル、キム・ドンワンの映画初主演作。

学園スポコンものとして王道を行く作品です。
韓国映画にしてはベタなコメディでは無く、リアルなコメディで好感が持てました。また、恋愛が強調される定番な物語と予想して観ていたですが、主人公の人間形成に焦点が当てられて納得いく内容でした。
本作もご他聞にもれずあいかわらず主人公は誰なのか曖昧なまま進行します。ミンギョ役のヒョンビンかなと当初は考えていたのですが、中盤からキム=ドンワンが主演であることが理解できます。中途半端な生き方をテコンドーで変えたいという若い頃に誰もが経験するほとばしる心情を、ストレートに表現しており素直に共感できました。
ちょっと残念に感じたのは、いよいよ雌雄が決する最後の試合のクライマックスシーンで期待した演出になっておらず、効果的でなかったところです。決定打の瞬間は非常に重要で映像的に決めて欲しかったと思います。

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2007.06.21

映画『マスク・オブ・ゾロ』(お薦め度★★)

監督、マーティン=キャンベル。1998年米。アクション・アドベンチャー映画。出演、アントニオ=バンデラス(アレハンドロ=ムリエッタ・二代目ゾロ)、アンソニー=ホプキンス(初代ゾロ)、キャサリン=ゼタ=ジョーンズ(エレナ=モンテロ)、スチュアート=ウィルソン(ドン=ラファエル=モンテロ)、マット=レッシャー(ハリソン=ラブ大尉)、ジュリエッタ=ローゼン(エスペランザ=デ=ラ=ベガ)。古典的ヒーロー「快傑ゾロ」を、スピルバーグが製作総指揮。2005年に続編『レジェンド・オブ・ゾロ』が作られた。

「快傑ゾロ」を「インディジョーンズ」シリーズのように作っており、かなりがっかりさせられます。
「快傑ゾロ」は子供の頃に海外TVドラマで慣れ親しんだヒーローです。当時彼の活躍に心をときめいていた者にとって個性派人気俳優が3人も登場することもあり、どれほど楽しい作品になっているものなのか期待も膨らみました。7年後に同じキャスティングで続編が作られたのは大ヒットした証だと思っていました。
ところが、物語はさっぱりです。空々しい出来事をご都合主義的に繋ぎ合わせただけで、編集レベルの質が低すぎます。作品のトーンはコミカル調に振りすぎてまったく登場人物に深みがありません。アンソニー=ホプキンスの子供がキャサリン=ゼタ=ジョーンズという悪い冗談としかいいようのない組合せも白けさせました。
特にがっかりさせられたのは、初代も二代目もゾロとしてカッコよくありません。闘いに緊張感は無く、アクション自体に魅力が感じられませんでした。マーティン=キャンベルは監督として力量があるとは到底思えません。スピルバーグの悪影響をもろに受けています。なので続編の方に興味があったのですが、観るのを止めました。

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2007.05.13

ドラマ「めぞん一刻」(お薦め度★★★)

監督、本木克英。脚本、岡田惠和。原作、高橋留美子(小学館ビッグコミックスピリッツ)。音楽、周防義和。エンディングテーマ、松任谷由実「守ってあげたい」(東芝EMI)、制作、テレビ朝日/東北新社クリエイツ。人気コミック実写版ドラマ。2007年テレビ朝日。2007/5/12放送。出演、伊藤美咲(音無響子)、中林大樹(五代裕作)、岸部一徳(四谷さん)、岸本加世子(一の瀬花枝)、中曽根康太(一の瀬賢太郎)、高橋由美子(六本木朱美)、橋爪遼(坂本・裕作の友人)、柳沢慎吾(茶々丸のマスター)、菅井きん(五代ゆかり・裕作の祖母)、細川俊之(音無老人)、森迫永依(五代春香・裕作の娘)、沢村一樹(三鷹瞬)、榮倉奈々(七尾こずえ)。

大変楽しめました。
人気漫画家・高橋留美子の初期80年代ラブコメ漫画『めぞん一刻』はよく読んでいました。しかし、物語の最初と最後は知りませんでしたし、テレビドラマ化が初となることも知りませんでした。過去にアニメと映画になっていましたが、今回ドラマ化されたのを観て漫画の記憶と繋がりました。
キャスティングが良いですね。音無響子を伊藤美咲に演じさせたのはもってこいでした。駄目浪人生の五代裕作を新人の中林大樹にしたもの、手垢がついていないので好感が持てます。特に四谷さん役の岸部一徳は絶妙です。実写版にしても原作の雰囲気を十分に伝えてくれる役者でした。
全体的にもっとコメディ度をあげて、泣き笑いの要素を脚本に加えればより評価できたと思いますが、テレビドラマとしては万人向けにうまくまとめたと思います。ラストが尻切れトンボで、これから連載が始まる印象を与えましたが、オープニングで補完されていますのでまずまずでしょう。テレビ朝日の単発ドラマとしては久々のヒット作品です。

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2007.05.05

映画『間宮兄弟』(お薦め度★★)

監督・脚本、森田芳光。原作、江國香織。2006年日本。人情コメディ映画。出演、佐々木蔵之介(間宮明信・兄)、柄地武雄/ドランクドラゴン(間宮徹信・弟)、常盤貴子(葛原依子・教師)、沢尻エリカ(本間直美)、北川景子(本間夕美)、戸田菜穂(大垣さおり)、岩崎ひろみ(安西美代子)、佐藤隆太(浩太・直美の彼氏)、横田鉄平(玉木・夕美の彼氏)、佐藤恒治(中華料理店のおじちゃん)、桂憲一(犬上先生・葛原の恋人)、広田レオナ(薬屋のおばちゃん)、加藤治子(お婆ちゃん)、鈴木拓/ドランクドラゴン(ビデオショップの店員)、高島政宏(大垣賢太)、中島みゆき(間宮順子・間宮兄弟の母親)。

森田芳光監督の初期の作品『の・ようなもの』 (1981)を思い出しました。
最近は『阿修羅のごとく』や『海猫 umineko』のような文芸路線ばかりで、商業的にヒットが義務付けられて面白くない作品が続いていましたが、今作は肩の力が抜けた軽いテイストでまずまずでした。ただし、巷で面白いと評価されたほどの内容は感じませんでした。彼に期待する毒のあるブラックさが感じられず、独特なカット割りも影を潜めた印象です。観終わって振り出しに戻ったような緩い内容では共感できません。それが狙いかもしれませんがコメディの王道を外しています。
『の・ようなもの』を観てから森田監督には邦画界に革命を起こす人物としてずっと気してきました。いつか必ず凄い作品を撮ってくれるのではないかと今も期待し続けています。

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2007.04.29

映画『名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』(お薦め度★★)

監督、山本泰一郎。2007年日本。アニメ映画。声の出演、高山みなみ(江戸川コナン)、山崎和佳奈(毛利蘭)、神谷明(毛利小五郎)、松井菜桜子(鈴木園子)、茶風林(目暮警部)、緒方賢一(阿笠博士)、岩居由希子(吉田歩美)、高木渉(小嶋元太)、大谷育江(円谷光彦)、林原めぐみ(灰原哀)、山口勝平(工藤新一)。青山剛昌原作の人気TVアニメの劇場版第11弾。

劇場版は初めてです。子供向けとしてはまあまあでした。
しかし、大人向けとしてはアイデア不足の何ものでもありません。TV版よりもマシですが、元々アニメでミステリーを描くには無理があります。人物の心理描写が不可能でトラップを仕込むには相当なテクニックが必要とされるからです。
本作は何とかサスペンス度だけで観客を引っ張りますが、最後は強引な辻褄合わせと理解不能なこじつけだらけでした。真剣に脚本を練ったように感じられません。アニメと言えどもこれほどリアリティが皆無なのは御免です。
子供たちに人気があるからといっても、より高度なエンターテインメントを目指さないと飽きられてしまうと思うのですが、この物語で実写版にしたら手のつけられない作品になることでしょう。もっと製作者には力を入れていただきたいと思います。

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2007.03.10

映画『マリー・アントワネット』(お薦め度★★★)

監督・脚本・プロデューサー、ソフィア=コッポラ。2006年米。歴史劇映画。出演、キルスティン=ダンスト(マリー=アントワネット)、ジェイソン=シュワルツマン(ルイ16世)、マリアンヌ=フェイスフル(マリア=テレジア女帝)、リップ=トーン(ルイ15世)、ジェイミー=ドーナン(フェルゼン伯爵)、オーロール=クレマン(シャール公爵夫人)、アーシア=アルジェント(デュ=バリー夫人)、ジュディ=デイヴィス(ノアイユ伯爵夫人)、スティーブ=クーガン(メルシー伯爵)、ローズ=バーン(ポリニャック公爵夫人)、シャーリー=ヘンダーソン(ソフィー内親王)。マリー・アントワネット生誕250周年の年に、フランス政府の全面的な協力の下、ヴェルサイユ宮殿で大規模な撮影を行い、全世界の注目を集めた話題作。

目から鱗な映画でした。
マリー=アントワネットに対して持っていたイメージが、この作品で逆転しました。今までは浪費家、享楽的、ヒステリックな女性とばかり考えてきました。今作に登場するルイ15世の愛人・デュ=バリー夫人のような人物と捉えていました。しかし、間違っていましたね。彼女は現代から見ても絵に描いたような良妻賢母な女性と感じます。14歳で単身オーストリアからフランス王室へ政略結婚で嫁がされ、全く頼りにならない夫・ルイ16世に一生を捧げた健気さは立派としか言いようがありません。それにしてもこれほど政略結婚が子供を授かるまで肩身の狭くストレスな毎日を送らなければならなかったとは想像を超えています。よくぞ宮殿内の王族や貴族たちの本人に聞こえるように話す陰口に堪えられたものです。これほど酷い環境にいれば虚しい孤独感から様々な浪費に走ってしまうのはしかたないでしょう。俗人が捉える浪費とはまったく次元が違っています。彼女の浮世離れした上品な逃避を誰が責めることができるでしょうか。

ロスト・イン・トランスレーション』のソフィア=コッポラ監督作品なので、必ず劇場で観ようと考えていました。フランス王室の絢爛豪華な佇まいと靴やドレスなどの美術への徹底したこだわりがより一層当時を偲ばせるものになっています。18歳で即位した王妃マリー=アントワネットの悲しみや孤独感を明るくポップに展開した作風は見事です。

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2007.02.09

映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』(お薦め度★★)

監督、ウォルター=サレス。2003年イギリス・アメリカ。青春映画。出演、ガエル=ガルシア=ベルナル (エルネスト=ゲバラ=デ=ラ=セルナ)、ロドリゴ=デ=ラ=セルナ(アルベルト=グラナード)、ミア=マエストロ(チチーナ)、メルセデス=モラーン(セリア=デ=ラ=セルナ・エルネストの母)、ジャン=ピエール=ノエル(エルネスト=ゲバラ=リンチ・エルネストの父)。

期待した割に感動しない映画でした。
若き日のチェ=ゲバラが学生時代に友人とふたりで行った南米大陸縦断の旅を、彼が残した日記『モーターサイクル南米旅行日記』に基づいて作られた作品です。後に革命家として名を轟かせたチェ=ゲバラが旅で成長する過程が描かれたものばかりと思ったのですが、行き当たりばったりとしか思えないアクシデントばかりの極貧放浪旅です。主人公のエルネストが様々な出来事を通じて様々に反応して漂っている様は理解できましたが、この旅で何かを掴んだようには感じられませんでした。
彼の行動様式も衝動的なのか理知的なのか伝わってきません。旅先での貧困な人々たちに団結して戦えと発言する場面では"らしさ"を少しは感じられるものの、全ては説明不足から人となりを押えることはできませんでした。

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2007.01.04

映画『マイ・リトル・ブライド』(お薦め度★★★★)

監督、キム=ホジュン。2004年韓国。ラブ・コメディ映画。英題『MY LITTLE BRIDE』。出演、ムン=グニョン(ソ=ボウン)、キム=レウォン(パク=サンミン)、キム=インムン(ボウンの祖父)、ソン=ギユン(ボウンの父)、ソヌ=ウンソク(ボウンの母)、ハン=ジニ(サンミンの父)、キム=ヘオク(サンミンの母)、アン=ソニョン(キム先生)、パク=ジヌ(ジョンウ先輩)、シン=セギョン(ヘウォン・ボウンの親友)、キム=ボギョン(ハン=ジス・サンミンの先輩)。

目茶目茶ハッピーな気分にさせてくれる映画です。
ヒロインのムン=グニョンの魅力が炸裂した作品です。彼女が国民的女優であることを実感させてくれます。ドラマ「秋の童話」、映画『永遠の片想い』『箪笥』を観ていますが、彼女の美少女度が一番堪能できる一本です。その愛くるしい表情と可愛らしい仕草、そして素晴らしい演技力に心を奪われることは間違いないでしょう。相手役のキム=レウォンも若手韓国俳優のイケメンでコメディにも見事に対応していました。二人の呼吸と容姿が合っていて似合いのカップルです。
この作品は日本でヒットしなかったようですが、本当にもったい無いですね。真っ先に邦題を工夫すべきでした。マイ・リトル・ブライドでは何がなんだかサッパリです。キャッチコピーの「花嫁は16歳」とストレートに表現したほうが良かったのではないでしょうか。また、監督の演出で力不足なところがあり、観ている側の気持ちをうまく掴み取れないため深い感動になりにくい点がヒットに結びつかなかったのではないでしょうか。ただし、韓国コメディ映画にありがちなしつこさはマイルドになっていて日本人好みの作風に仕上がっています。まだご覧になっていない韓流ファンの方は是非観てください。

ところで、サンミンと母親の二人がTVで映画『TUBE』を観るシーンが登場するのですが、何故なのか調べた範囲でわかりません。『TUBE』は好きな映画のひとつで韓国映画に韓国映画が登場するのが意外なため興味があります。知っている方は是非教えてください。

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2006.12.30

映画『マダガスカル<日本語吹き替え版>』(お薦め度★★★★)

監督、エリック=ダーネル、トム=マクグラス。2005年米。アドベンチャー・アニメ映画。声の出演、玉木宏(アレックス・ライオン)、柳沢慎吾(マーティ・しまうま)、岡田義徳(メルマン・きりん)、高島礼子(グロリア・かば)、山崎弘也(隊長・ペンギンズ)、柴田英嗣(新人・ペンギンズ)、小木博明(キング・ジュリアン)、矢作兼(モーリス)。ドリームワークス製作のコメディ・アニメ。

文句なしの面白さです。
こんなに面白い作品なら、早く観るべきでした。これまでドリームワークス製作の作品は『シュレック』『シュレック2』『シャーク・テイル』『森のリトル・ギャング』を観てきましたが、一番面白い作品でしょう。
脚本が素晴らしくキャラクターが非常に良く描かれています。特にペンギンズがイカシテます。準レギュラーながら大切な場面に登場し、物語を締めてくれました。
ドリームワークスはピクサーに間違いなく肩を並べたと言えます。

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2006.12.23

映画『ミニミニ大作戦』(お薦め度★★★)

監督、F=ゲイリー=グレイ。2003年米。原題『THE ITALIAN JOB』。クライム・アクション映画。出演、マーク=ウォールバーグ(チャーリー=クローカー)、エドワード=ノートン(スティーヴ=フレゼリ)、シャーリーズ=セロン(ステラ=ブリジャー)、セス=グリーン(ライル)、ジェイソン=ステイサム(ハンサム=ロブ)、ドナルド=サザーランド(ジョン=ブリジャー)、モス=デフ(レフト=イヤ)、フランキー=G(レンチ)。『ミニミニ大作戦』(1969)のリメイク作品。

タイトルと内容にギャップがある作品です。
復讐劇になるのかと思って観ていましたが、結果がそうなるだけでプロセスが違っていて物語としてピリッとしません。冒頭の凝ったサスペンス調が途中から若干軽いものに変わってしまい説得力が無くなってしまいます。それでもカーチェイスのシーンが優れていて全体の展開を締めるため飽きさせることはありません。ヒロインのシャーリーズ=セロンは美貌とシャープさでなかなかいい演技をしているのですが、主人公チャーリー役のマーク=ウォールバーグが線が細いため主役としての風格がなく作品の魅力が半減してしまいました。仲間に主役級のジェイソン=ステイサムが登場しているのですから、例えばブラッド=ピットのような大スターを持ってこなければ釣り合いが取れません。
オリジナルの存在を全く知りませんでしたが、リメイクとしては期待外れに終わったのではないでしょうか。

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2006.09.28

映画『マルチュク青春通り』(お薦め度★★★)

監督・脚本、ユ=ハ。2004年韓国。青春映画。出演、クォン=サンウ(ヒョンス)、イ=ジョンジン(ウシク)、ハン=ガイン(ウンジュ)、パク=ヒョジュン(ハンバーガー・ジェボク)、キム=イングォン(チクセ)、イ=ジョンヒョク(ジョンフン・風紀部長)、ソ=ドンウォン(ソンチュン)、ペク=ポンギ(チーター)、チェ=ジェファン(にきび)、チョン=ホジン(ヒョンスの父)、キム=ブソン(トッポッキ屋主人)、イ=スク(ウシクの母)、キム=サミョン(検定高試学院講師)、ソ=グモク(DJソ=グモク(声))、アン=ネサン(数学教師/担任)、キム=ビョンチュン(教練教師)、クォン=テウォン(英語教師)、チョン=ジェジン(校長)、パク=スヨン(政治経済教師)、ヤン=ハンソク(体育教師)。

学園を舞台にした青春ストーリーで韓国映画らしい作品です。
青春時代に味わうもどかしさをうまく表現していました。日本映画と違って期待通りの展開にはなりません。主人公にとって、学校、家庭、友人のどの関係においてもうまくいかず、さらに相思相愛と思えた恋愛ですらも多くの試練が待っています。思い通りにならない切なさが伝わってきます。
クォン=サンウを初めて観ました。純真でナイーブな役柄が非常に合っていました。親友のウシク役のイ=ジョンジンは若い頃のペ=ヨンジュンに似ています。ヒロインのハン=ガインは清純で気品ある美しさがあり、ソン=イェジンに雰囲気がそっくりです。魅力があって演技力のある若手俳優が揃っています。これだから韓国映画は止められません。

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2006.09.26

映画『真夜中の弥次さん喜多さん』(お薦め度★)

監督・脚本、宮藤官九郎。原作、しりあがり寿『真夜中の弥次さん喜多さん』。2005年日本。時代劇コメディ映画。出演、長瀬智也(弥次郎兵衛)、中村七之助(喜多八)、小池栄子(お初)、阿部サダヲ(金々)、柄本佑(呑々)、生瀬勝久(瓦版男)、寺島進(岡っ引き)、竹内力(木村笑之新)、森下愛子(旅籠の女将)、岩松了(旅籠の番頭)、板尾創路(浪速ホット)、桑幡壱真(浪速サンド)、大森南朋(拷問される侍)、おぎやはぎ(旅籠の客)、皆川猿時(ザル売り)、古田新太(清水次郎長)、松本まりか(喜び組)、川口真理恵(喜び組)、あじゃ(喜び組)、前田綾花(喜び組)、松本真衣香(喜び組)、斉藤亜希子(喜び組)、勝俣幸子(喜び組)、山口智充(オカマの店主・おちん)、清水ゆみ(店主の娘・お幸)、しりあがり寿(たわぁ麗満堂の店主)、松尾スズキ(ヒゲのおいらん)、楳図かずお(籠を背負った老人)、中村勘九郎(アーサー王)、毒蝮三太夫(毒蝮三太夫)、研ナオコ(奪衣婆)、ARATA(バーテン)、麻生久美子 (バーテンの妻)、妻夫木聡(幻の弥次郎兵衛)、荒川良々(魂)。

全くの期待外れな作品でした。
脚本家として人気と実力を兼ね備えた宮藤官九郎の初監督したということで非常に期待しました。彼の才能からして予想できないほどの名作が誕生するものとばかり感じていました。しかし、全く内容がわからず、コメディなのに笑えず、がっかりです。何を描きたかったのでしょうか。ラストでは「死生観」ばかりが強調されています。原作が描いたものなのか宮藤官九郎がイメージしているものなのかわかりませんが、何も伝わってきません。
邦画界を背負って立つ才人が初監督作品で撃沈したのは残念でなりません。

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2006.08.22

映画『森のリトル・ギャング<日本語吹替版>』(お薦め度★★★)

監督、ティム=ジョンソン、キャリー=カークパトリック。2006年米。アニメーション映画。声の出演、役所広司(アライグマ・RJ)、武田鉄矢(亀・ヴァーン)、石原良純(リス・ハミー)、友近(スカンク・ステラ)、BoA(オポッサム・ヘザー)、カンニング竹山(アニマルバスター・ヴァーミネーター)、夏木マリ(プチ切れおばさん・グラディス)。「シュレック」「マダガスカル」のドリームワークス製作によるフルCGアニメ。

良質なファミリー映画です。
一緒に行った子供たちがクライマックスで歓声を上げるほどバカ受けでした。物語がわかりやすく明解です。下手に脚本を複雑にしていません。登場する動物たちの表情が非常に豊かで、性格付けにメリハリを付けてあり、それぞれが名演技をしています。良く出来ていました。
それに合わせたのでしょう。日本語吹替版で声の出演に名優を選んでいます。アライグマ・RJの役所広司、亀・ヴァーンの武田鉄矢の2人が起用されています。重要な役なので選んだ理由はわかるものの、2人の声に特長があり過ぎて必要以上に目立ってしまいました。常にキャラクターの声としてではなく、彼ら2人の俳優の声として聞こえてきて作品の世界に入れませんでした。また、主役のRJはもっと若手を起用すべきだと感じます。RJのキャラクターは若くて活発なため、どうしても重厚な声の役所広司では重過ぎる印象です。字幕版(オリジナル)ではRJの声はブルース=ウィルスなので、日本語吹替のミスキャストではないとは思いますが、最後まで違和感は拭えませんでした。機会があれば字幕版も是非観たいと思います。
[劇場・シネプレックス]

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2006.06.28

韓国ドラマ「マジック」[全16話](お薦め度★★)

演出、ホン=チャンウク。脚本、ユン=ソンヒ。2004年韓国SBS。出演、カン=ドンウォン(チャ=ガンジェ)、キム=ヒョジン(ユン=ダニョン)、ヤン=ジヌ(イ=ソンモ)、オム=ジウォン(ハ=ヨンジン・ダニョンの姉)、ソ=インスク(イ=デヘ・ソンモの父)、カン=ナムギル(チャ=ブンホ・カンジェの父)、イ=ウンギョン(キム=ミジョン・ヨンジンの母)、チョン=ドンファン(オ=ジョンユン・ダニョンの養父)、イ=ジュン(ユン=ドヨン・ダニョンの兄)、マヤ(ホン=ミレ・ダニョンの友人)、イ=チャン(オ=ビルスン・ソンモの友人)。

面白くありません。
カン=ドンウォンが観たかったのとマジックというショウビズの華やかさに期待しました。しかし、主人公(カン=ドンウォン)の設定が破滅型なうえダークなキャラクターで全く共感出来ません。また、舞台はショウビズ界ではなく、女性を踏み台にしてビジネスで成り上がろうとする男の物語で受け入れられないものでした。当然のごとく恋愛絡みで主人公の男性と二人の女性の三角関係、しかも二人の女性は姉妹(血のつながりは無い)というドロドロした骨肉の争いです。
これだけの悪条件が揃っていながら、何故観たのかというとヒロインがキム=ヒョジンだったからです。映画『誰にでも秘密がある』の三女役で初めて観たのですが、韓国女優の中で器量が落ちるのに重要な役どころを任されたのが不可解で何故彼女が起用されたのか謎でした。彼女の実力を知る上でもこのドラマを観る必要がありました。そしてこれまで抱えていた大きな疑問が解けました。驚くほど演技力が素晴らしいのです。韓国の若手俳優の中でも一級品でしょう。観客をつかむ才能があります。結局彼女の魅力だけで最後まで観てしまいました。
ラストは物語の骨格からして最初から予想された決着をみます。マジックという題名から超どんでん返しを密かに待ち望んだのですが、そのようなかけらもありませんでした。

【過去に観たキム=ヒョジン出演作品】
2005/ 9/14 映画『誰にでも秘密がある』(お薦め度★★)
2005/10/ 6 映画『誰にでも秘密がある<韓国公開版>』(お薦め度★★★)

【過去に観たカン=ドンウォン出演作品】
2005/ 6/ 1 映画『彼女を信じないでください』(お薦め度★★★★)
2005/ 9/ 3 韓国ドラマ「1%の奇跡」[全26話](お薦め度★★★)
2006/ 4/ 7 映画『オオカミの誘惑』(お薦め度★★★)
2006/ 4/25 映画『デュエリスト』(お薦め度★)

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2006.04.28

映画『マイ・ボディガード』(お薦め度★★★★)

監督、トニー=スコット。2004年米。サスペンス・アクション映画。原題『MAN ON FIRE』。出演、デンゼル=ワシントン(ジョン=クリーシー)、ダコタ=ファニング(ピタ=ラモス)、クリストファー=ウォーケン(ポール=レイバーン)、ラダ=ミッチェル(リサ=ラモス)、マーク=アンソニー(サムエル=ラモス)、ジャンカルロ=ジャンニーニ(ミゲル=マンサーノ)、レイチェル=ティコティン(マリアナ=ゲレロ)、ミッキー=ローク(ジョーダン=カルフス)。

絶妙なストーリーテリングに圧倒されました。
誘拐事件が多発するメキシコ・シティに住む実業家の娘のボディガードとして雇われた男は元CIAの特殊部隊員で、男が少女と心を通わせ始めたときに事件が起こり、命よりも大切なものを奪われた男が犯人に対して復讐に立ち上がる物語です。
期待した以上に深いドラマでサスペンスの要素も十分です。事件を解決していく過程で犯人たちを容赦なく裁く、主人公の小気味の良さにスカッとさせられました。しかし、復讐劇としてそれだけに終わらせない奥行きあるラストが待っていました。
トニー=スコット監督にとって『ドミノ』の前作に当たります。『ドミノ』で画面を揺らす映像処理が、この作品から使われていました。暴力シーンなどを強調するために効果的に用いられています。確かに上手い表現でしょう。これに気を良くして『ドミノ』では、全編に渡って使用するという失敗を犯したのがわかりました。

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2006.04.17

ドキュメンタリー番組「モーガン=スパーロックの『30デイズ』」、「#3イスラム修行を30日間」(お薦め度★★★★)

スーパーサイズ・ミー』のモーガン=スパーロック監督のTV番組『30デイズ』全6話がWOWOWで放送されました。中でも3話目のキリスト教徒がイスラム教徒の許で修行を30日間積む番組が特筆すべきものでした。
2001年9月11日の米国が受けたテロ以来、アメリカ人にとってイスラム教は、「テロリスト」「怖い」「ビンラディン」を連想させます。一般のアメリカ人はイスラム教徒を毛嫌し、差別しています。その状況の中で1人のキリスト教徒がイスラム教の町に入り、苦悩の末にイスラム教を理解して自身の偏見を克服するという感動的なラストを迎えます。イスラムを学ぼうとした1人のキリスト教徒と、そのキリスト教徒を30日間預かったイスラム教徒の家族のそれぞれの勇気に頭が下がりました。理解し合おうとする心がいかに素晴らしいが胸に迫ってきます。

いままでに真摯にイスラム教を扱った番組が無かったので非常に勉強になりました。以下に番組で知った情報を書き残します。

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イスラム教は世界第2位の大宗教で信徒は15億人。米国に600万人いる。番組の舞台は、ミシガン州ディアボーン、ポーランドとドイツ系の街がイスラム化し、米国最大のイスラム教の町。人口3分の1がイスラム系で市内にモスクが30以上ある。

今回参加したのは米国東部ウェストバージニア州チャールストンに住む、キリスト教徒のデイヴ氏、33歳。保険マン。妻と幼児の3人暮らし。

番組『30デイズ』のルールは3つ。
1)イスラム信徒の家に30日間暮らし、着る物も食べ物もすべて慣習に従うこと。
2)毎日コーランを読むこと。
3)男だからヒゲを生やすこと。

現地入りするため、デイヴ氏はいつも利用している空港をイスラム教徒の服装で行ったところ、空港内での人々から注目される。いままで荷物を調べられたことがなかったのに、手荷物検査、履いている靴を脱がされスキャナーチェック、ボディチェックが行なわれる。

ホスト・ファミリーはパキスタン系アメリカ人のシャマエル=ハーク氏、職業医者。妻は法学生。「9.11から責めるような目で見られる」とコメント。家の中は靴を脱ぐことを要求されて戸惑うデイヴ氏。ハーク氏の妻が使っているへジャブというスカーフは、元はユダヤ教からで聖母マリアもベールをかぶっているとの説明に驚くデイヴ氏。

イスラム教はユダヤ教やキリスト教から派生している。この3つの宗教は唯一神を信じている。
コーランはイスラムの聖典で、ユダヤ教やキリスト教の聖書にあたる。預言者ムハンマドが聞いた神の言葉。
信仰の柱とされる教義は5つ。
・信仰告白
・喜捨
・断食
・メッカ巡礼
・1日5回の礼拝

朝5時半に大音量で起こされ、面食らうデイヴ氏。ただし、礼拝に参加しない。デイヴ氏いわく「無責任な真似はモラルに反する。ずっと信じてきた神に背を向けたくない。」

ハーク氏が通勤する前に、デイヴ氏に「他人の男女が2人きりになることは許されない」と不在時には家から出るように指示が出る。

3つの宗教の違いは次の通り。
・ユダヤ教の救世主はまだこの世に現れていない。
・イエスを救世主とみなしたユダヤ人はキリスト教をつくった。
・イスラム教のイエスは預言者の1人でしかない。神の言葉を託されたのはムハマンド。

デイヴ氏は導師・A=フセイニ氏に教えを乞う。「イエスは十字架の上で死んだ。肉体を持つ人間だから。この世を神が動かしている。神は死なない。」「靴を脱ぐ行為は、神の家に入るときは最高の礼儀を払わなければならないから。」

モスクでの礼拝で、アラビア語が分からなければ祈れないと考え、自ら追い込まれるデイブ氏。

新しいモスクで、新しい導師・E=アラワン氏からコーランのアラビア語と英語の対訳をもらう。

「アラーのほかに神は無し」
「ムハマンドは神の使徒なり」
「来たれ礼拝に成功のため」
「アラーのほかに神は無し」(以下繰り返し)

礼拝時の言葉が少ないことに意外と感じるデイヴ氏。

食べ物に関する戒律はユダヤ教に似ていて、豚肉と酒類はダメ。神の祝福を受けた肉のみ。子羊と牛肉。

デイヴ氏が米イスラム連絡会議の仕事として、イスラム教徒への差別を無くすため一般市民の署名集めを行なう。しかし、全く無視される。

28日目、金曜の集団礼拝でデイヴ氏は新しいモスクで一緒に祈った。

今回の体験を通じてデイヴ氏が次のように語る。
「イスラム教徒はみんな自分に厳しくちゃんとしている。宗教上の偏見もなくなった。」「ほんの数人がやったことで15億人の信徒をテロリストと決め付けるのは馬鹿げている。」

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2006.04.11

映画『マシニスト』(お薦め度★★★)

監督、ブラッド=アンダーソン。2004年スペイン・アメリカ。サスペンス・ミステリー映画。原題『THE MACHINIST』。出演、クリスチャン=バイル(トレバー・機械工)、ジェニファー=ジェイソン=リー(スティービー・娼婦)、アイタナ=サンチェス=ギヨン(マリア・ウェイトレス)、マイケル=アイアンサイド(ミラー)、ジョン=シャリアン(アイバン)。

ガイコツのように痩せ細った主演のクリスチャン=ベイルの役作りが凄いですね。
物語としては中盤まで観ていくとラストはおおよそ予想出来てしまいましたが、"ガイコツ男"と化したベイルの怪演に引き込まれてしまい最後まで緊張感があって目が離せませんでした。1年間も不眠だという極限の設定に説得力を持たせた彼の役者魂に頭が下がります。30㎏も減量していたそうです。『モンスター』で観せたシャーリーズ=セロンの激太りも凄いですが、激痩せの異様さは尋常ではありません。
通常、この手の作品はラストが悲惨過ぎるのですが、アメリカだけの製作ではないためか少し救われた気がしました。

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2006.03.15

映画『ミリオン・ダラー・ベイビー』(お薦め度★★)

監督、クリント=イーストウッド。2004年米。ヒューマンドラマ映画。原題『MILLION DOLLAR BABY』。出演、クリント=イーストウッド(フランキー=ダン)、ヒラリー=スワンク(マギー=フィッツジェラルド)、モーガン=フリーマン(エディ="スクラップ・アイアン"=デュプリス)。第77回アカデミー賞作品賞・監督賞・主演女優賞・助演男優賞受賞。

わかりません。
これが前年度アカデミー賞で主要4部門を獲得した作品なのでしょうか。特別なものは感じません。『アビエイター』と作品賞で対決していたということですが、どっちもどっちです。単にアカデミー賞はクリント=イーストウッドが好きなだけなのでしょう。日本でいうところの、今年第29回日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞した吉永小百合のような存在なのです。選考された『北の零年』は後世に残るような作品ではなく、彼女の演技はいつもの吉永小百合でしかありませんでした。しかし、日本アカデミー賞は選んでしまうという贔屓の引き倒し現象が、本場アメリカでも起こっていたのだなという感じしかもてません。クリント=イーストウッドはハリウッドの同業者から敬愛されているそうです。役者として長い間活躍して、監督としても良い仕事していると非常に評価されているようです。
この物語はスポ根のサクセスストーリーと思っていましたが、予期せぬ展開になり救いようのないラストを迎えます。確かにヒラリー=スワンクとモーガン=フリーマンの演技は良かったと思います。撮影や編集も水準以上でしょう。ただし、主人公のフランキー=ダンの最後に取った行動に"落とし前"をつけずにファンタジーというか作り話っぽく終わらせていて何も訴えるものがありません。どうでもいいやな作品で完了しています。

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2006.03.06

Vシネマ『メールで届いた物語(ストーリー)』

監督、 清水浩「mail」、伊藤裕彰「CHANGE THE WORLD!」、鈴木元「アボカド納豆。」、鳥井邦男「やさしくなれたら…」。2005年東映ビデオ。ラブストーリー・ムービー。出演、「mail」加瀬亮・相武紗季、「CHANGE THE WORLD!」吹石一恵・多部未華子・松尾敏伸、「アボカド納豆。」岡田義徳・大倉孝二・奥貫薫、「やさしくなれたら…」北村一輝・原沙知絵・津田寛治。
4人の俊英が「メール」をテーマに綴ったオムニバスムービー。

東映ビデオがWOWOWで放送されたことに注目しました。オムニバスながら各作品ともにキーワードがリンクしていて一本の作品として観ることができるユニークさがあります。個々にはテーマが弱い印象ですが、全編を通じて観ると味があります。機会があればご覧になることをお薦めします。
「mail」:脚本があまりに弱いです。はっきり言って見るのを止めようと思いました。出来はよくありません。
「CHANGE THE WORLD!」:コミカルでいい味が出ています。ヒロインの美少女・吹石一恵がこんなにもうまくコメディの演技が出来るとは思いもしませんでした。4本中一番の出来でしょう。
「アボカド納豆。」:脚本は力不足でしたが、演出が水準以上のものがありました。
「やさしくなれたら…」:物語自体にひねりがありません。深みが無いシリアスなドラマは食傷気味です。好みではありません。
(お薦め度★★★)

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2006.02.07

『マスター・アンド・コマンダー』

監督、ピーター=ウィアー。2003年米。アドベンチャー映画。原題『MASTER AND COMMANDER: THE FAR SIDE OF THE WORLD』。出演、ラッセル=クロウ(ジャック=オーブリー艦長)、ポール=ベタニー(スティーブン=マチュリン医師)、ビリー=ボイド(バレット=ボンデン)、ジェームズ=ダーシー(トーマス=プリングス)。

ナポレオンがヨーロッパを制覇を狙う1805年、南太平洋上での英国軍サプライズ号とフランス軍アケロン号の戦いを描いた物語です。劇場予告で戦記映画として宣伝をしていたので、てっきり戦闘シーンばかりの海洋戦争映画とばかり思い込んでいました。ところが軍艦同士で追撃する場面は多く登場しますが、戦いに明け暮れているわけでなくありません。劣勢に立たされていた英国軍のため少年兵が多く乗り込んでいてジャック=オーブリー艦長が上官というよりも兄貴分のような存在で艦をまとめています。ガラパゴス諸島に上陸して珍しい動物を観察しする場面があったりで、ファミリー向けの海洋冒険アドベンチャー映画といってもいい内容でした。
どう考えてもフランス軍艦との能力差が大きく勝ち目が無いにもかかわらず、優位に立って戦おうとする艦長の姿勢は軍人というよりも、海賊船の船長といった雰囲気でした。軍隊らしくない艦内ですが、敵となるアケロン号の不気味な存在感を巧みに演出したピーター=ウィアー監督の手腕により戦時下における一定の緊張感を持続させます。『刑事ジョン・ブック/目撃者』や『いまを生きる』と同様に彼らしい上質な面白さを感じさせる作品でした。
(お薦め度★★★)

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2005.12.12

『Mr.&Mrs.スミス』

監督、ダグ=リーマン。2005年米。アクション・コメディ映画。出演、ブラッド=ピット、アンジェリーナ=ジョリー。

主役の2人は今もっとも話題のハリウッドスターです。あまりに2人が仲が良かったため、ブラッド=ピットは離婚してしまったとのもっぱらの噂です。
キャスティング、カーチェイスやガンファイトのアクションは文句無しの超一級です。しかし、物語に中味がありません。脚本はB級レベルでしょう。いくら格闘シーンのデコレーションが立派でも伝わってくるテーマが脆弱です。
ボーン・アイデンティティー』のタグ=リーマン監督は相変わらずイマイチです。お金をかけているにも関わらず、一級品未満な出来でしかありません。彼の作品は劇場で観るのを止めます。
(お薦め度★★)

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2005.12.10

『モンスター』

監督、パティ=ジェンキンス。2003年アメリカ/ドイツ。犯罪映画。出演、シャーリーズ=セロン(アイリーン=ウォーノス)、クリスティナ=リッチ(セルビー=ウォール)。

アメリカ犯罪史上初の女性連続殺人犯で「モンスター」と呼ばれた女性の物語です。7人の殺人で死刑判決を受け、2002年10月に死刑執行されており、映画『テルマ&ルイーズ』のモデルになったようです。
映画タイトルからどれほど凄い女性殺人鬼なのかと思いましたが、彼女の生い立ちや売春婦としての境遇などあまりに悲惨で同情すべき人物でした。とくに恋人のセルビーに対しての真摯な態度や想いには感心させられました。
主役のシャーリーズ=セロンの演技は凄まじく、全く美人女優であるとは思えないほどアイリーン役に成りきっています。特に逆ギレの迫力は圧巻でした。
作品としては、アイリーンとセルビーの関係に注力しているため、最初の殺人の過程はわかるものの、それ以降の犯罪の全貌がわかりません。テーマからするとしかたないのでしょうが、アイリーンの悲劇だけが強調され過ぎて若干の物足りなさを感じました。
(お薦め度★★)

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2005.10.01

『マッチスティック・メン』

監督、リドリー=スコット。2003年米。サスペンス・コメディ映画。原題『MATCHSTICK MEN』。出演、ニコラス=ケイジ(ロイ)、サム=ロックウェル(フランク)、アリソン=ローマン(アンジェラ)。

騙されました。何か後引くような騙され方ですが、嫌な印象はありません。『エイリアン』『ブレードランナー』『ブラックレイン』などの数多くのヒットを作り出しているリドリー=スコットは大好きな映画監督です。今回は観終わってから彼の作品ということがわかったのですが、大作ばかりではなく小粋な作品も手掛けていたのですね。心に滲みる佳作です。少しだけ『スティング』を思い出させました。極度の潔癖症で常備薬が手放せない天才詐欺師ロイ(ニコラス=ケイジ)の家族愛のドラマです。物語の主人公が詐欺師という設定であるもののコメディと呼ぶのは少しはばかれ、ヒューマンドラマというほど重過ぎもしません。ラストについてはもう少し別の展開があったのではと感じるものの、監督の決着のつけかたには異論は無く納得しました。14歳の娘・アンジェラを演じたアリソン=ローマンはこの時24歳なのですが、映画の中では疑うこと無くかわいい中学生でした。ニコラス=ケイジの演技が良いですね。上手い役者であることを改めて認識しました。皆さんも是非この映画で、切なく騙されてください。
(お薦め度★★★)

【追記】
サスペンス・コメディ映画と表記しましたが、検索で調べたところ「コン・ムービー」と呼ぶようです。詐欺師が主人公の映画。"コン"はconfidence gameの略で、取り込み詐欺が語源のようです。

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2005.08.25

『マラソン』

監督、チョン=ユンチョル。2005年韓国。ヒューマンドラマ映画。出演、チョ=スンウ、キム=ミスク(母)、イ=ギヨン(コーチ)、ペク=ソンヒョン(弟)、アン=ネサン(父)。

今年1月に韓国で公開され500万人が号泣しハッピーになった感動作だそうです。最初にお詫びします。すいません。まったく泣けませんでした。また、観終わっての高揚感というか幸福感もそれほどではありませんでした。
自閉症の青年がマラソンに挑戦したという実話を基に作られた映画ですが、ともかく母親の救いがたい姿勢に唖然とさせられます。周囲の人間に対しての逆ギレが尋常ではないのです。文化の違いがあるのでなんともいえませんが、韓国社会でも困ったチャンの部類ではないでしょうか。当然ながら障害児を育てることは想像を絶する苦労が伴うことだと思います。強い意志で子育てしなければならないでしょう。猛母にならざるおえない。しかし、彼女の独りよがりで傲慢な態度は最後まで変わりません。だいたい息子をなんだと思っているのでしょうか。10kmマラソンで3位入賞しただけで数ヶ月でフルマラソンに参加させようという姿勢は常軌を逸してます。マラソンの理論を勉強しているわけでもなく、息子に伴走なり自転車で一緒に走るわけでもなく時計を持ってペースを気にするわけでなく、全くのど素人で精神論だけです。にもかかわらずコーチ(当初は不真面目なので責められてもしかたない)に対して最後まで失礼なことばかりで、スポーツを舐めているとしか思えません。たまたま主人公の青年がマラソン向きの体力があったのでやり遂げただけで、能力が無ければ大変な結末を迎えていたでしょう。母親とコーチの関係についての描き方、コーチの人柄や背景などほとんど説明不足で実話をベースにしたわりに脚本が薄く内容がありません。演出については、クライマックスのマラソンシーンが受け入れられないものでした。この表現は悲劇的な物語の際に一般的に用いられるものです。
唯一の救いは主演のチョ=スンウの自閉症の名演技でした。『ラブストーリー』で見せた実力はさらに磨きがかかっていて、韓国を代表する若手個性派俳優の1人として着実な成長をみせています。素朴な好青年というどこにでもいる"あんちゃん"のような親しみさを感じます。今後も彼の作品は期待したいと思います。[シネカノン]
(お薦め度★★)

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2005.08.05

『ミスティック・リバー』

監督、クリント=イーストウッド。2003年米。ミステリー映画。原題『MYSTIC RIVER』。出演、ショーン=ペン、ティム=ロビンス、ケヴィン=ベーコン。

注目を集めたわりに期待外れの映画でした。ハリウッドは監督としてのイーストウッドを過大評価し過ぎているのではないでしょうか。作られ過ぎた原作自体が面白くありませんし、サスペンスとしても観客を引っ張る力が不足しています。
幼なじみ同士が大人になってから犯罪に巻き込まれてしまいその内の1人が容疑者という設定で、しかもその容疑者は子供のときに犯罪に巻き込まれ被害者としてのトラウマを持っている人物です。二重構造の物語によって舞台設定が緻密に設計されていますが、幼なじみ同士の間柄においてこの結末は最低です。救いようが無く、納得できません。
(お薦め度★★)

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2005.06.21

『マッハ!』

監督、プラッチャヤー=ピンゲーオ。2003年タイ。格闘技アクション映画。原題『ONG BAK: MUAY THAI WARRIOR』。出演、トニー=ジャー(ティン)、ペットターイ=ウォンカムラオ(ジョージ)、プマワーリー=ヨートガモン(ムエ)、ルンラウィー=バリジンダークン(ンゲク、ムエの姉)、スチャオ=ポンウィライ(コム・タン、親分)、チェータウット=ワチャラクン(ペン)、ワンナキット=シリプット(ドン)。
「公開時の宣伝コピー」
一、CGを使いません
ニ、ワイヤーを使いません
三、スタントマンを使いません
四、早回しを使いません
五、最強の格闘技ムエタイを使います

生身の迫力、躍動感、醍醐味を改めて実感させてくれるアクション映画です。タイ映画に全く馴染みがなく、劇場での予告が宣伝コピー一辺倒だったため格闘技だけの薄っぺらい映画を連想していました。やはり観てみないとわからないものです。ストーリーの構成要素がしっかりしており、非常に良く作り込まれています。村人の期待を一身に受け、ストイックなまでの使命感で突き進む主人公ティン、一方のジョージは同郷の者でありながらティンの所持金をネコババしようとする姑息なチンピラ、この2人の違いが上手く物語りに盛り込まれています。2人の間を取り持つヒロイン・ムエ役のプマワリー=ヨートガモンは日本人受けする美人です。アイドルっぽい顔立ちで、高校生ぐらいの年齢かと見えるのですが23歳でした。
ティン役のトニー=ジャーのアクションが想像以上で、そのスピードは圧巻です。敵に囲まれて逃げ場がなくなった際、敵の肩を踏み渡るシーンには驚かされました。さらに彼が繰り出すムエタイは非常に強力です。特に止めの一撃に使うヒジの使い方には驚きました。回し蹴りは当たり前ですが、回しヒジやかかと落しならぬヒジ落しなどは必殺技として新鮮に映りました。
(お薦め度★★★)

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2004.08.01

『めぐりあう時間たち』

スティーヴン=ダルドリー監督。2002年米。原題『THE HOURS』。文芸映画。出演、ニコール=キッドマン、ジュリアン=ムーア、メリル=ストリープ、エド=ハリス、トニ=コレット。これを書くために資料集めをするまで主演がニコール=キッドマンとわかりませんでした。全然イメージが違いました。2003年アカデミー賞主演女優賞を獲っただけのことはあります。日本語吹替えで観たにもかかわらず内容は難しく、心を病んだ女性3人が登場したという印象しか残りませんでした。(お薦め度★)

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