2008.06.16

オリジナルビデオ『茄子 スーツケースの渡り鳥』(お薦め度★★)

監督・脚本・キャラクターデザイン、高坂希太郎。2007年日本。ビデオ・スポーツアニメ。声の出演、大泉洋(ペペ=ベネンヘリ)、山寺宏一(ジャン=ルイージ=チョッチ)、大塚明夫(マルコ=ロンダニーニ)、坂本真綾(豊城ひかる)、佐藤祐四(ギルモア)、芝井伶太(充一)、白戸太朗(実況アナウンサー)、今中大介(解説者)。

前作の映画『茄子 アンダルシアの夏』よりも面白いです。しかし、キャラクターと舞台設定がダメです。
何で日本人ボランティアとスペイン語が通じるのでしょうか?仮にスペイン語に堪能であっても日本を舞台に日本語でスペイン人が会話しているのが理解できません。キャラクターデザインにも苦言を一言。何で坊さんが髭を生やしているのですか。こんな坊主初めてです。いい加減にしてください。ともかく、中途半端なリアリティで興醒めです。次回作は期待しません。

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2008.04.29

映画『名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)』(お薦め度★★)

監督、山本泰一郎。脚本、古内一成。2008年日本。アニメ映画。声の出演、高山みなみ(江戸川コナン)、山崎和佳奈(毛利蘭)、神谷明(毛利小五郎)。青山剛昌の同名人気コミックの劇場版アニメ第12弾。

GWの子供向けアニメ映画は、他に『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』と『クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛(きんぽこ)の勇者(ゆうしゃ)!』が上映されています。ドラえもんの劇場版は観るべき水準を満たしていないのでパス。クレヨンしんちゃんは当たり外れの差が大きく、本郷みつる監督作で納得できたものは無いので見送りました。結局消去法で昨年同様にコナンを選びました。劇場での人気は他の映画と比べて群を抜いていますが、ありがたいことにオフィシャルサイトで割引券を入手出来ます。本日1回目は満員で入場できず、2時間半後の2回目に何とか前から2列目中央の座席を確保できました。こんなに前で観賞したくないのですが仕方ありません。本当に驚くほど人気があります。

これだけ人気があるのならばと内容についても僅かな期待を抱いたのですが、大人が観るミステリーとしてはやっぱり落第です。こんな犯人の動機では物語として弱すぎます。犯罪として成り立たないでしょう。単なる独りよがりの逆恨みでしかありません。また、犯行の手口としても現実的ではありません。これだけの火力を手に入れるのは無理です。前作同様に"子供騙し"のアニメ映画です。一緒に行った子供たちは大変喜んでいるのでファミリー映画としては機能していますし、興行的にも成功しています。上映後に第13弾の予告がながれましたので今後もシリーズは安泰でしょう。しかし、可能ならば大人も楽しめる質の高い作品を希望します。

ところで、我が家族の両隣は中学生前後の女児がそれぞれ友人と家族(母親同伴)で観に来ていましたが、どちらも上映中にケータイを確認していました。母親同伴のほうは、娘を注意するどころか母親自身がケータイを取り出す始末です。子は親の鏡というように娘が真似をしていたのでした。本当に親子揃ってマナーが悪いです。やがてケータイは人間関係そのものを潰しますね。

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2008.03.27

映画『ONE PIECE ワンピース THE MOVIE エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜』(お薦め度★★★)

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監督、志水淳児。脚本、上坂浩彦。原作、尾田栄一郎。2008年日本。アニメ映画。声の出演、 田中真弓(モンキー=D=ルフィ)、中井和哉(ロロノア=ゾロ)、岡村明美(ナミ)、山口勝平 (ウソップ)、平田広明(サンジ)、大谷育江(トニートニー=チョッパー)、山口由里子(ニコ=ロビン)、矢尾一樹(フランキー)、牛山茂(Dr.ヒルルク)、島田敏(ワポル)、野沢雅子(Dr.くれは)、みのもんた(ムッシュール)。大人気TVアニメ「ワンピース」の劇場版第9弾。志水淳児監督は劇場版シリーズ第3作以来。

TVアニメも漫画も今まで一度も観たことがありませんでした。人気があるのは知っていましたが、どうしても貧相に見える独特の作画デザインが全く肌に合わない無いので興味が持てずにいました。以前から身内が"凄く良い作品"と薦めてくれており、今回親子特別鑑賞券(写真)を譲ってくれたので初観賞しました。

感動しました。

絵は予想通り良くありません。キャラクターはぶっ飛んでいて気に入りません。物理法則をあまりにも無視しています。エピソードがハチャメチャでついていけません。しかし、何なんでしょうか、この畳み掛ける説得力は!!主人公たちの仲間を守ろうとする友情のテーマは間違いなく心の琴線に触れてきます。圧巻です。潔いというか清々しさを感じました。この世界観は予想以上に居心地が良くハマルと大好きになるに違いありません。人気があるのも納得できました。大人が観ても面白く、一緒に行った子供たちも大変喜んでいました。

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2008.02.29

映画『オープン・シーズン<日本語吹替版>』(お薦め度★★★)

監督、ロジャー=アラーズ、ジル=カルトン、アンソニー=スタッチ。脚本、スティーヴ=ベンチック、ロン=J=フリードマン、ナット=モールディン。2006年米。アニメ映画。声の出演、石塚英彦(ブーグ・熊)、八嶋智人(エリオット・鹿)、木村佳乃(ベス・パークレンジャー)、北川勝博(ライリー・ビーバーの親方)、内田直哉(ショー・町で一番たちの悪いハンター)、園崎未恵(ジゼル・雌鹿)、富田耕生(マックス・りす族のリーダー)、楠大典(イアン・鹿のボス)、PUFFY(マリア&ロージー・スカンクのコンビ)。ソニー・ピクチャーズが初めて手がけたフルCGアニメ作品。オープン・シーズンは狩猟解禁日のこと。

思ったほど盛り上がりません。
個性溢れるキャラクター作りが出来ていますが、活かしきれていません。もっと面白くなる要素があるのですが、ストリーテリングが弱く割りと淡白な印象を受けました。悪役のショーが無教養で魅力が無かったので、主人公たちの活躍が目立たなかったのだと思います。ブーグとベスの関係も深さが感じられなかったので、作品としての重みが出てこなかったのでしょう。キャラクターデザインの統一性に欠けていて、愛着を持たれるものになっていませんでした。例えばキャラクターをぬいぐるみにしても鹿のエリオット以外は受けないと思われます。ソニー・ピクチャーズとしては満を持して投入したアニメだったのでしょうが、ピクサーやドリームワークスの作品と比べて数段劣っています。巻き返しはかなり難しいと感じますが、さて次回作はどうなるのでしょうか。

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2008.02.12

映画『ビー・ムービー<日本語吹替え版>』(お薦め度★★)

監督、スティーヴ=ヒックナー、サイモン=J=スミス。脚本、ジェリー=サインフェルド、スパイク=フェレステン、バリー=マーダー。2007年米。CGアニメ映画。声の出演、宮川一朗太(バリー=B=ベンソン)、日野由利加(ヴァネッサ)、小松史法(アダム=フレイマン・バリーの親友)、佐藤せつじ(シカッチ・蚊)、乃村健次(ケン・ヴァネッサのテニス仲間)。ドリームワークス制作。

あまりに突き抜けた物語で楽しめません。
ドリームワークスのアニメといえば『マダガスカル』のような傑作を期待したのですが、一番重要となる世界観が理解できません。ミツバチと人間の関わりが近過ぎて全く馴染めませんでした。小動物ならまだしも昆虫との距離があまりに密接ではシラケます。日本のアニメと違ってキャラクターが綿密に作りこまれているので、違う設定だったら十分に楽しめたと思います。空を飛ぶシーンの浮遊感が大変素晴らしく気持ちの良さを味わえました。
080211_173301映画を観た後でマクドナルドで昼食をとりました。2/1からハッピーセットにビー・ムービーのおもちゃが付いて来ます。左は「ダンシング・バリー」で"てあしをフリフリ、ダンスをするよ"、右は「アダム」で"あっちこっちあるきまわるよ"。

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2008.01.25

映画『鉄コン筋クリート』(お薦め度★★)

監督、マイケル=アリアス。原作、松本大洋。アニメーション制作、STUDIO4℃。2006年日本。アニメ映画。声の出演、二宮和也(クロ)、蒼井優(シロ)、伊勢谷友介(ヤクザ・木村)、田中泯(ヤクザ・鈴木"ネズミ")、大森南朋(チョコラ)、岡田義徳(バニラ)、宮藤官九郎(沢田刑事)、小僧(森三中)。本木雅弘(蛇)。2008年第31回日本アカデミー賞優秀アニメ作品賞受賞。

この作品のリズム感が合いません。
観ていて辛い間(ま)です。ワンシーンのテンポが僅かではあるものの一拍早いような印象を受けました。そこが非常に気になってしまいました。この監督の感性が特異のような気がします。物語は納得できるのですが、キャラクターが突飛でどうにもしっくり来ませんでした。また、蒼井優が吹替えを担当していることが喧伝され過ぎて、シロのセリフを聞くたびに彼女の声として意識してしまい、作品の世界に入ることが出来ませんでした。
過去にSTUDIO4℃作品は『アリーテ姫』を観ていますが、本作も含めてどうも馴染めません。

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2007.12.31

映画『アントブリー<日本語吹替版>』(お薦め度★★★)

監督・脚本、ジョン=A=デイヴィス。原題『THE ANT BULLY(アリいじめ)』。2006年米。アニメ映画。声の出演、千葉翔也(ルーカス=ニックル・10歳の男の子)、江原正士(ゾック・魔法使いアリ)、田中敦子(ホーバ・ルーカスのお世話係)、鈴木圭由(クリーラ・食料調達係のアリ)、山野井仁(フーガックス・偵察アリ)、弥永和子(女王アリ)、(スタン=ビールズ・害虫駆除業者)。トム=ハンクスがプロデュースに名を連ねたCGアニメ。

蟻の世界版"スター・ウォーズ"です。
主人公となる人間の少年の名前がルーカスなので、間違いなく"スター・ウォーズ"をオマージュして作られています。人間が蟻の大きさになって、蟻と仲間になって大活躍する冒険ファンタジー作品で、環境問題やいじめ問題を意識した大人も子供も楽しめる良質なアニメです。脚本に力が入っており、物語の中にアイデアが詰まっていて断然面白いと感じました。クライマックスでは"スター・ウォーズ"らしくスピード感溢れる戦闘シーンが非常に楽しめました。
それにしてもアメリカ人は蟻の話が好みなのでしょうか。『アンツ』(1998)や『バグズ・ライフ』(1998)に続く、蟻を扱った3DのCGアニメ映画です。全米公開版での声優はジュリア=ロバーツ、ニコラス=ケイジ、メリル=ストリープなどハリウッドスターを起用しています。これだけの豪華共演にもかかわらず、ほとんど日本では知られること無く終わったようです。

理由は何故か。キャラクターデザインが『アンツ』以下でほとんど蟻に見えず、日本人には馴染めないものだったからでしょう。また、邦題もダメですね。アントブリーでは誰も何も連想できない。日本語吹替版しか日本で上映しなかったは、配給元のワーナーは最初からヒットの見込みが無いと踏んでいたのかもしれません。WOWOWで観れたから助かったものの、本当に勿体無い作品になりました。

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2007.12.25

映画『ザ・シンプソンズ MOVIE<字幕版>』(お薦め度★★)

監督、デヴィッド=シルヴァーマン。原作、マット=グローニング。2007年米。アニメ映画。声の出演、ダン=カステラネタ(ホーマー=シンプソン)、ジュリー=カヴナー(マージ=シンプソン)、ナンシー=カートライト(バート=シンプソン)、イヤードリー=スミス(リサ=シンプソン)、ハンク=アザリア(モー)、ハリー=シェアラー(スキナー/ネッド/シュワルツェネッガー大統領)、アルバート=ブルックス(ラス=カーギル)、トレス=マクニール(コリン)、グリーン=デイ、トム=ハンクス。

がっかりしました。面白くありません。
シニカルでブラック過ぎて、楽しい笑いがほとんどありませんでした。ワンシーン毎に笑えますが、表面的な笑いで心底笑わせてくれるものではありません。脚本家が12人ほど共演しているようですが、お互いが競い合いすぎて完成度の低い作品になってしまったようです。映画化が決まって心待ちにして、劇場版の声優陣には"NO"を突きつけ字幕版を選んだものの、全ては作品が面白いという前提に立ってのことでした。ど~ぉ!?なんてこったい!!十年以上も愛してきたキャラクターが生かされていない物語では全てが台無しです。
映像としてはフルスクリーンを十二分に活用した評価できるものでしたが、物語が陳腐でキャラクターが画面一杯に躍動しているとは一つも感じることができませんでした。エンドロールで「続編」を予告していますが、次の映画版も期待しないほうが良さそうです。
TVシリーズではあれだけ映画のパロディが得意なのに、自らが映画となったらこれまでのパロディにも及ばないとはなんということでしょうか。デヴィッド=シルヴァーマンの監督起用は失敗でした。

ところで、先日ミスドのキャンペーンで取得した割引クーポンは利用しませんでした。本日、毎週火曜日のシネマイレージデイの割引料金だったので割引クーポンは併用できませんでした。
[映画館:TOHOシネマズ 六本木]

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2007.12.20

映画『パプリカ』(お薦め度★★★)

監督・脚本、今敏。脚本、水上清資。原作、筒井康隆。アニメーション制作、マッドハウス。2006年日本。サイコ・サスペンス・アニメ映画。声の出演、林原めぐみ(パプリカ/千葉敦子・サイコセラピスト)、古谷徹(時田浩作・千葉の同僚)、江守徹(乾精次郎・理事長)、堀勝之祐(島寅太郎・所長)、大塚明夫(粉川利美・刑事)、山寺宏一(小山内守雄・所員)。

今敏監督作品としては一番の出来です。
過去3作品『PERFECT BLUE』(1998)『千年女優』(2001)『東京ゴットファーザーズ』(2003)はどれも★★でした。映像はシャープで高品質でありながら、脚本がつまらなく楽しめませんでした。本作は映像と脚本ともに高く評価できます。もう一度観たくなりました。
精神医療研究所で開発された夢を共有できるサイコセラピー機器"DCミニ"が悪用され、夢に精神を犯され人格破壊されてしまう事件が発生する。この「夢テロリスト」の正体を解明するためにパプリカが戦いに臨むという物語です。夢の中のイメージが現実世界に実体化するおぞましい映像は強烈なインパクトを残します。アニメでしか表現できない領域でかなりグロですが、不快にならないようにバランスを保っています。
「攻殻機動隊」シリーズを彷彿させ、非常に親和性の高い作品とも言えます。

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2007.12.15

映画『えいがでとーじょー!たまごっち ドキドキ!うちゅーのまいごっち!?』(お薦め度★★)

監督、志村錠児。2007年日本。アニメ映画。声の出演、下屋則子(たんぽぽ)、釘宮理恵(まめっち)、儀武ゆう子(ちゃまめっち)、柚木涼香(めめっち)、矢口アサミ(くちばっち)。

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今やゲーム機は下火になりつつある"たまごっち"の映画を観に行きました。
子供が3ヶ月前から騒いでいたので公開初日で観賞しました。予告を観ていたので当然大人の観賞に堪えられる作品で無いことはわかっていました。2時間近くの上映時間に耐えられないだろうと思い、普段は劇場でビールを口にしないですが、塩とキャラメルのハーフ&ハーフのポップコーンをつまみに一杯だけ飲みました。案の定子供だけをターゲットにした「ゆる~い」内容です。ひょんなことからたんぽぽという女の子が"たまごっち星"に転送されてしまうという設定の冒険ファンタジーです。デザインキャラクターは『劇場版どうぶつの森』と全く一緒です。同じ監督なので仕方がありませんが、中味もトーンもかなり似ています。ほのぼのとした物語がまったりと進みます。あまりの刺激の無さにビールの酔いで全体の1/3ほど寝てしまいました。息子に注意されて起こされました>スマン。『劇場版どうぶつの森』よりもプロットがしっかりしていて本作のほうがマシです。また、太陽でも彗星、ブラックホールでさえもたまごっち化する想像を超えたキャラクターは異次元のゆるさで、ストーリー展開がどうのこうのと言うだけの評価に力が入りません。本当にのどかな映画鑑賞になりました。子供たちが非常に喜んでいたので良しとします。
なお、映画終了後にニンテンドーDSソフトと連動する仕掛けが紹介されています。映画で本家の商品であるゲームにこ入れをしています。映画だけでなくゲームも成功させようとする一石二鳥の商売っ気満々でした。

写真のプレゼント商品は、クリアファイルとストラップ型クリーナーです。初日ということで東宝の宣伝の方がアンケートの景品としてクリアファイルを配っていました。ストラップ型クリーナーは映画館で見た人に全国で先着60万人に配られる映画に登場する"きずなのカギ"のクリーナーです。早速ケータイのストラップに採用しました。
[映画館:TOHOシネマズ 錦糸町]

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2007.12.14

映画『雲のむこう、約束の場所』(お薦め度★)

監督・脚本・原作、新海誠。2004年日本。アニメ映画。声の出演、吉岡秀隆(ヒロキ)、萩原聖人(タクヤ)、南里侑香(サユリ)、石塚運昇(岡部)、井上和彦(富澤)、水野理紗(マキ)。新海誠の初長編映像作品。

ほしのこえ』の設定を変えただけでほとんど同じです。
登場人物が増えて、描かれる世界の状況を説明しなければならないのですが、脚本の対応がほとんどできていません。「平行世界」と「巨大な謎の塔」をキーワードに物語が構成されていますが、説明不足のうえどうして問題解決が図れるのか納得ができませんでした。
前作でも指摘したようにキャラクターデザインが弱いため、主人公であるヒロキとタクヤの区別が絵ではつきにくく、さらに声優となる男優同士の声が近いため非常にわかりずらいものになりました。
独特な詩的なトーンは長編においても健在ではあるものの、これだけしか作家性を感じさせなかったのは期待外れでした。

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2007.12.11

映画『ロボッツ』(お薦め度★★★)

監督、クリス=ウェッジ。共同監督、カルロス=サルダーニャ。ブルー・スカイ・スタジオ作品。2005年米。CGアニメ映画。声の出演、ユアン=マクレガー(ロドニー=コッパーボトム)、ハル=ベリー(キャピィー)、ロビン=ウィリアムズ(フェンダー)、メル=ブルックス(ビッグウェルド博士)、アマンダ=バインズ(パイパー・フェンダーの妹)、グレッグ=キニア(ラチェット・ワンマン経営者)、ジム=ブロートベント(マダム=ガスケット・ラチェットの母親)、ジェニファー=クーリッジ(ファンおばさん)、ドリュー=ケリー(クランク)。

ともかくCGが凄い。
1カットの中に詰め込まれた情報量が膨大です。ひとつひとつのロボットのキャラクターデザインの作り込みは半端ではありません。このこだわりは凄まじいものがあります。よくここまで質の高いアイデアをどっさりと詰め込んだものです。脱帽です。圧倒されました。アメリカにおけるCGアニメのレベルはとてつもない領域に達しています。
しかし、映像は素晴らしいの一言なのですが、残念ながら脚本がイマイチでした。主人公のロボット・ロドニーの発明家を志す成長物語なのですが、単なる格闘での勝ち負けにしてしまったのがあまりに勿体無いと感じます。子供向けにわかりやすさを選択したのでしょうが、ビッグウェルド博士の心変わりに全く説得力を欠いてしまい以降はドタバタ劇となってしまいました。クライマックスを発明におけるサクセスストーリーにすれば子供も大人も納得できる普遍的な作品になったと思います。

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2007.12.01

TVアニメ「電脳コイル」[全26話](お薦め度★★★★★)

2007年NHK教育テレビアニメ。
原作・脚本・監督、磯光雄。アニメーションキャラクター、本田雄。作画チーフ、井上俊之、本田雄。作画監督、本田雄、根津匡覧、押山清高、秦綾子、井上鋭、井上俊之。絵コンテ・演出、村田和也、横山彰利、笹木信作、平松禎史、安川勝、野村和也。美術監督、合六弘(小倉工房)。色彩設計、中内照美。撮影監督、大庭直之。CGワークス、荒木宏文。音楽、斉藤恒芳。アニメーション制作、マッドハウス、製作電脳コイル製作委員会、徳間書店、バンダイビジュアル、NHKエンタープライズ。声の出演、折笠富美子(ヤサコ)、桑島法子(イサコ)、矢島晶子(京子)、朴璐美(ハラケン)、小島幸子(フミエ)、斉藤梨絵(ダイチ)、鈴木れい子(メガばあ)、野田順子(オバちゃん)、小林由美子(アキラ)、梅田貴公美(デンパ)、山口眞弓(ガチャギリ)、沼田祐介(ナメッチ)、(デンスケ)、(オヤジ)。

#1「メガネの子供たち」2007/5/12
#2「コイル電脳探偵局」2007/5/19
#3「優子と勇子」2007/5/26
#4「大黒市黒客クラブ」2007/6/2
#5「メタバグ争奪バスツアー」2007/6/9
#6「赤いオートマトン」2007/6/16
#7「出動!!コイル探偵局」2007/6/23
#8「夏祭り、そして果たし合い」2007/6/30
#9「あっちのミチコさん」2007/7/7
#10「カンナの日記」2007/7/14
#11「沈没!大黒市」2007/7/21
#12「ダイチ、発毛ス」2007/7/28
#13「最後の首長竜」2007/8/4
#14「いきものの記録」2007/9/1
#15「駅向こうの少年」2007/9/8
#16「イサコの病室」2007/9/15
#17「最後の夏休み」2007/9/22
#18「異界への扉」2007/9/29
#19「黒い訪問者」2007/10/6
#20「カンナとヤサコ」2007/10/13
#21「黒いオートマトン」2007/10/20
#22「最後のコイル」2007/10/27
#23「かなえられた願い」2007/11/10
#24「メガネを捨てる子供たち」2007/11/17
#25「金沢市はざま交差点」2007/11/24
#26「ヤサコとイサコ」2007/12/1

宮崎駿を超えました。
磯光雄は天才です。
日本アニメの歴史に金字塔を打ち立てた『風の谷のナウシカ』を観たとき以来の衝撃を覚えました。「電脳コイル」は中学生以下の少年少女向けをターゲットにしていますが、近未来の電脳空間を題材に心の闇と希望をSFタッチでスリリングにしかも深遠に描ききった大傑作です。まさかこれほど高度に作品性を持ったアニメだとは思ってもいませんでした。クライマックスとなった第26話はまさに息もつかない怒涛の展開でした。こうまでも完璧な物語の展開をみせられたのは驚き以外の何ものもありません。とても非凡な構成力です。本作に狂喜した子供たちと一緒に観賞してきました。子供たちの視線があるものの流れる涙を拭うことを止めました。そんなことが気にならないほど深く感動しました。都市伝説という一歩間違うと子供だましになってしまうものをモチーフにしていながら非常に広がりを感じさせる物語は、ショックを受けた「新世紀エヴァンゲリオン」以上の奥行きがありました。「攻殻機動隊」以上に電脳空間における精神の扱いのタクミさを感じました。ジョブナイル向けという非常に制約のある場で小学6年生を主人公としていながら重層的な世界感を設定できる才能は、奇跡に近いかもしれません。最終回によって全ての謎が解明しますが、小手先の辻褄合わせは全く無くその明確で爽快な結末は圧倒されまくりです。少年少女向けという枠を全く裏切らない作品の完成度は見事でした。

来週12/8から再放送がされます。見逃した方は是非ご覧になってください。アニメの世界に更なる一歩が刻まれた素晴らしい作品です。


【関連記事】
2007/ 5/14 アニメ「電脳コイル」放送開始!!

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2007.11.22

映画『キリクと魔女2 4つのちっちゃな大冒険<日本語吹替版>』(お薦め度★★★)

監督・脚本、ミッシェル=オスロ。2005年フランス。アニメ映画。声の出演、小林由美子、唐沢潤、三木敏彦、中村彰男、金子由之、山像かおり。

キリクと魔女』の続編というよりもアナザーストーリーです。
前作の完成度が高かったので、パート2がつくられたのが意外でした。作品として2作目というよりもマーケット的な背景でつくられています。世界的にヒットしたならば仕方が無いのかもしれません。本来ならば映画では無く、TVアニメにして継続すべき作品です。フランスの映画やTVアニメ事情がわかりませんので何んとも言えません。フランスでは映画化するのが常道かもしれません。

キリクのキャラクターはやっぱり素晴らしいものがあります。小さくて賢くて機転が利く人物と言ったら、日本の「一休さん」でしょう。そういった問題を解決する面白さが満載でした。ただし、流石にパート3は企画しないほうがいいでしょう。たとえさらに続編が出来ても観ないと思います。

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2007.11.09

映画『カクレンボ』(お薦め度★★★)

監督・原案・脚本、森田修平。2005年日本。ホラーアニメ映画。声の出演、竹内順子(ヒコラ)、植木誠(ヤイマオ)、鈴木真仁(女の子)、内藤玲(ノシガ)、石橋美佳(タチジ)、小林晃子(スク)。

独特の世界に圧倒されました。
クオリティの非常に高い映像で、背景デザインは『イノセンス』を彷彿させます。そしてキャラクターデザインはハイレベルな出来です。日本古来のお面をかぶった奇妙な登場人物は一度観ると忘れることができません。彼らを襲う怪物の重量感と存在感は度肝を抜かされました。そして、ラストは残酷な御伽噺そのものであり衝撃を受けました。上映時間24分のショートムビーで、一見の価値はあります。

森田修平監督はカップヌードルCM「FREEDOM」のシリーズ監督を務めています。『FREEDOM 1』(OVA・2006)発売で顔写真が掲載されているインタビュー記事を見つけました。また、「FREEDOM」シリーズの最新から過去の作品が確認できるのが“FREEDOM-PROJECT”公式サイトです。クールなサイトでこれも必見です。

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2007.11.02

映画『ほしのこえ』(お薦め度★★★)

監督、製作、原案、脚本、新海誠。SFアニメ映画。英題『THE VOICES OF A DISTANT STAR』。声の出演、武藤寿美(長峰美加子)、鈴木千尋(ノボル)。新海誠ひとりがMac1台で作成したフルデジタルアニメーション。

思った以上に良い出来でした。素晴らしい才能だと思います。
前々から新海誠のうわさは聞いていたのですが、やっと観賞することができました。本作全てをひとりで作ったのですから驚きです。若干惜しいと感じるのはキャラクターデザインのレベルが低いことです。表情が乏しく印象に残りませんでした。
物語の設定は非常に狭いのですが、互いの距離が宇宙サイズで離れて行き、やがて十分に交信できなってしまっても、それでも若い男女が想いをつなげようとする切なさともどかしさが宇宙の壮大さとともに描かれ、人間の孤独感と圧倒的なスケール感を同時に味合わせてくれます。

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2007.09.16

映画『劇場版ポケットモンスター/ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ』(お薦め度★★★)

監督、湯山邦彦。脚本、園田英樹。2007年日本。SFアニメ映画。声の出演、松本梨香(サトシ)、大谷育江(ピカチュウ/マネネ)、豊口めぐみ(ヒカリ)、うえだゆうじ(タケシ/ソーナンス)、林原めぐみ(ムサシ)、三木眞一郎(コジロウ)、犬山イヌコ(ニャース)、石坂浩二(ダークライ)、山本耕史(トニオ)、加藤ローサ(アリス)、山寺宏一(アルベルト男爵)、秋山竜次・ロバート(ダイ)、山本博・ロバート(カツミ)、馬場裕之・ロバート(ドダイトス)、中川翔子(マキ)。ポケモン映画10周年記念超大作。観客動員数450万人。

超大作の名にふさわしい作品です。映画館で初めて劇場版を観賞しました。
湯山邦彦監督の演出手腕にはあらためて驚かされます。マンネリとも思えるポケモンでしかもファミリー向けで表現に制限があるにもかかわらず、ハイレベルなクオリティを最大限に発揮しています。本作は神と呼ばれし二体のポケモン、ディアルガ(時間)とパルキア(空間)がバトルを繰り返すことによって空間が消滅するという危機的な状況をダークライが阻止しようという全編を通じて非常にハイテンションな展開です。このようなストーリーではどこかで息切れして中だるみを生みやすいのですが、そのような隙はまったくありません。一気に物語が進行します。子供向けアニメと侮ってはいけません。空間が消滅する映像表現には圧倒されました。
そして、バトル一辺倒だけでなく、戦いが終わった後の回想シーンは泣かせました。教育くさい押し付けは無く、倫理的な内容をしっかり織り込んでいる真摯な姿勢に頭が下がりました。
今後も間違いなく超一級の作品を提供し続けてくれると思います。


【関連記事】
2007/ 2/17 映画『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ポケモンレンジャーと蒼海(うみ)の王子マナフィ 』(お薦め度★★★)

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2007.09.14

映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(お薦め度★★★)

原作・脚本・総監督、庵野秀明。監督、摩砂雪・鶴巻和哉。テーマソング、 宇多田ヒカル 『Beautiful World』。 2007年日本。SFアニメ映画。声の出演、緒方恵美(碇シンジ)、三石琴乃(葛城ミサト)、山口由里子(赤木リツコ)、林原めぐみ(綾波レイ)、立木文彦(碇ゲンドウ)、清川元夢(冬月コウゾウ)、結城比呂(日向マコト)、長沢美樹(伊吹マヤ)、子安武人(青葉シゲル)、麦人(キール=ローレンツ)、関智一(鈴原トウジ)、岩永哲哉(相田ケンスケ)、岩男潤子(洞木ヒカリ)、石田彰(渚カヲル)。

「このアニメは決着をつけなければならない」という使命感にも近い気持ちで観賞しています。
4部作の最初としては合格でしょう。非常に整理されていて編集が見事でした。また、製作側が目論んだ「REBUILD」(再構築)は成功しています。単なる焼き直しではなく、新たな映像への挑戦が十分に感じられました。TVアニメ26話と劇場版3本を観た者からするとストーリーは『序』において目新しさは無く、それほどのインパクトはありません。しかし、どのシーンも目が離せない映像を確認できました。

とにかく、これまでの作品群(※)では全くの消化不良です。『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦士ガンダム』に続く第3次アニメ革命と言われる割には、ファンを寄せ付けない拒否した状態で終了していました。
必ずや期待に応える展開が待っていると信じて次作を待ちます。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』2007/9/1公開
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』2008公開予定
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:急』+『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:?』未定

※:【これまでの作品群】
テレビ東京系TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』全26話(1995~1996)
映画『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 DEATH & REBIRTH シト新生』 (1997)
映画『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に』(1997)
映画『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 REVIVAL OF EVANGELION DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に』(1998)

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2007.07.05

映画『茄子 アンダルシアの夏』(お薦め度★★)

監督・脚本、高坂希太郎。原作、黒田硫黄 漫画『茄子』の一編「アンダルシアの夏」。2003年日本。スポーツ・アニメ映画。声の出演、大泉洋(ペペ=ベネンヘリ)、筧利夫(アンヘル=ベネンヘリ)、小池栄子(カルメン=バスカルドミンゲス)、平野稔(エルナンデス)、緒方愛香(リベラおじさん)、平田広明(フランキー)、坂口芳貞(チーム監督)、羽鳥慎一(実況アナウンサー)、市川雅敏(解説者)。

さっぱりでした。面白くない。
自転車ロードレースを扱った画期的なアニメ映画として、公開時から気になっていました。フランスの“ツール・ド・フランス”、イタリアの“ジロ・デ・イタリア”、スペインの“ブエルタ・ア・エスパーニャ”はグラン・ツールと呼ばれ最も権威あるレースです。本作はこれら三大自転車ロードレースのひとつ“ブエルタ・ア・エスパーニャ”を題材にしています。

アニメの絵自体はジブリ作品と全く同じです。高坂希太郎監督は『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』の作画監督を務められてこられています。登場するキャラクターデザインは非常に見覚えがあって馴染むのですが、物語が伴いません。兄弟の葛藤を恋愛とからめて描いていますが、平板で薄っぺらな中身でした。

絵作りはスペイン人で設定されていますが、主人公のぺぺは日本人にしか感じられない奇妙さです。自転車ロードレースをを扱った意欲作でありながら、ほとんどスピード感や躍動感が出ていません。ゴール直前のスプリント勝負の描き方は監督の自己満足の世界で、伝わってくるものが皆無です。演出としては明らかに失敗しています。

今年のツール・ド・フランスは7/7から始まりますので、直前の景気付けとして時期は絶好のタイミングでしたが、盛り下がってしまいました。

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2007.06.20

フリーブック『ゲドを読む。』

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7/4に発売されるDVD『ゲド戦記』の宣伝活動として、6/6から書店やDVD販売店などで110万部が配布されています。表紙が5色あるうちの青版1冊を書店で入手しました。スタジオジブリと岩波書店がタッグを組んで制作しています。発案者は糸井重里、ブックデザインがアートディレクターの佐藤可士和です。鈴木敏夫プロデューサーいわくモノが売れない時代に話題づくりを狙ったもので、新しい時代の新しい宣伝だそうです。

全208ページの文庫本で、中にスペシャルプレゼント企画用のはがきが1枚入っています。DVDパッケージ内の購入証明書を貼付して送ると抽選で、宮崎吾朗監督サイン付き「ゲド戦記」ディスプレイが5名、原作「ゲド戦記」ソフトカバー版セット20名にプレゼントされます。

映画『ゲド戦記』はあまり評価していませんが、家族の要望で購入することになりそうです。

スタジオジブリ作品は根強いので一定数は売れるでしょうが、果たしてフリーブック『ゲドを読む。』が効果をあげるのでしょうか。少なくとも俺は映画を観て本は読みたいと思わなかったし、『ゲドを読む。』とDVD『ゲド戦記』は別物という印象しかないので、"新しい宣伝"として効果があるのか懐疑的です。

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2007.05.17

映画『時をかける少女』(お薦め度★★★★)

監督、細田守。原作、筒井康隆。2006年日本。アニメ映画。声の出演、仲里依紗(紺野真琴)、石田卓也(間宮千昭)、板倉光隆(津田功介)、原沙知絵(芳山和子・真琴の叔母)、谷村美月(藤谷果穂)、垣内彩未(早川友梨)、関戸優希(紺野美雪)。第30回(2006)日本アカデミー賞アニメーション作品賞受賞。

とても清々しく、ちぇっぴり切ない映画です。
非常に評判が高いのは公開されたときから伝わっていました。しかし、原田知世主演の実写版『時をかける少女』(1983)のイメージを壊したくないのと、キャラクターデザインが若干馴染めそうもないので少し距離を置いてしまい、結局劇場観賞はしませんでした。

細田守監督の演出は良いですね。アニメの表現が巧みです。テンポが良いのですが、情感を描く間が十分に取られておりゆったりとしたたおやかさがあります。
高校2年生の女子ひとりと男子ふたりの友情以上恋愛未満の細やかで思いやり溢れる台詞のやりとりが絶妙です。脚本が抜群でした。仕掛けとして原作の主人公である芳山和子が新ヒロイン紺野真琴の叔母として登場しています。原作や映画を知っている人に対してしっかりと受け止めてくれており、さらに別のストーリーとして理解できるように構成されていました。何んという巧みさでしょうか。大いに笑い、ほろっと涙させる21世紀の新たな青春物語でした。

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2007.05.14

アニメ「電脳コイル」放送開始!!

5/12(土)18:30~NHK教育テレビで「電脳コイル COIL A CIRCLE OF CHILDREN」が放送開始されました。少年少女向けSFアニメで電脳社会での冒険ストーリーが始まります。少女が主人公でとっつきやすく、馴染みやすい作画です。テンポが良くて不細工なペットのキャラクターに意外性があります。まだ第1話ですが、監督の持つ深い世界観を感じさせ、非常に期待できる作品だと思います。

監督・脚本・原案は磯光雄(いそ=みつお)氏です。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、人気アニメ「機動戦士ガンダム」「新世紀エヴァンゲリオン」「攻殻機動隊」 や宮崎駿作品の原画を担当されてこられた、かなりの実力者のようです。

子供向けですが、大人でも十分に楽しめそうです。物語にドンドン引き込まれました。ドキドキワクワク感も申し分ありません。
第1話のみ再放送が5/18(金)19:18~NHK教育テレビ(予定)で決定した告知がサイトに出ていました。見逃した方は是非ご覧ください。

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2007.04.29

映画『名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』(お薦め度★★)

監督、山本泰一郎。2007年日本。アニメ映画。声の出演、高山みなみ(江戸川コナン)、山崎和佳奈(毛利蘭)、神谷明(毛利小五郎)、松井菜桜子(鈴木園子)、茶風林(目暮警部)、緒方賢一(阿笠博士)、岩居由希子(吉田歩美)、高木渉(小嶋元太)、大谷育江(円谷光彦)、林原めぐみ(灰原哀)、山口勝平(工藤新一)。青山剛昌原作の人気TVアニメの劇場版第11弾。

劇場版は初めてです。子供向けとしてはまあまあでした。
しかし、大人向けとしてはアイデア不足の何ものでもありません。TV版よりもマシですが、元々アニメでミステリーを描くには無理があります。人物の心理描写が不可能でトラップを仕込むには相当なテクニックが必要とされるからです。
本作は何とかサスペンス度だけで観客を引っ張りますが、最後は強引な辻褄合わせと理解不能なこじつけだらけでした。真剣に脚本を練ったように感じられません。アニメと言えどもこれほどリアリティが皆無なのは御免です。
子供たちに人気があるからといっても、より高度なエンターテインメントを目指さないと飽きられてしまうと思うのですが、この物語で実写版にしたら手のつけられない作品になることでしょう。もっと製作者には力を入れていただきたいと思います。

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2007.04.04

映画『機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛』(お薦め度★★★)

総監督・脚本、富野由悠季。2006年日本。アニメ映画。声の出演、カミーユ=ビダン(飛田展男)、シャア=アズナブル/クワトロ=バジーナ(池田秀一)、パプテマス=シロッコ(島田敏)、ハマーン=カーン(榊原良子)、ブライト=ノア(鈴置洋孝)、エマ=シーン(岡本麻弥)、レコア=ロンド(勝生真沙子)、ファ=ユイリィ(新井里美)。1985年放送のTVアニメ「機動戦士Zガンダム」全50話を、劇場用に再編集した3部作の完結編。

ガンダムファンの皆さんごめんなさい。まったく猫に小判な映画でした。
結局、TVシリーズを観ない限り、ダイジェスト版である劇場版を観賞しただけでは理解不能です。まず第一に敵と味方の区別ができないので、戦闘シーンそのものに緊張感は生まれません。しかも登場人物の関係がわからないので、ちんぷんかんぷんでした。
TVアニメではラストがあまりに悲惨だったので、映画では解釈を変えたことが話題になっていましたが、シャアがどうなったか気になるものの、ラストは特筆すべきものではなく凡庸でした。この内容でファンの方は納得されたのでしょうか?

【関連記事】
2006/5/11 映画『機動戦士Zガンダム-星を継ぐ者-』(お薦め度★★★)
2006/10/24 映画『機動戦士Zガンダム II -恋人たち-』(お薦め度★★★)

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2007.03.21

『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~』(お薦め度★)

監督、寺本幸代。2007年日本。アニメ映画。声の出演、水田わさび(ドラえもん)、大原めぐみ(のび太)、かかずゆみ(しずかちゃん)、木村昴(ジャイアン)、関智一(スネ夫)、千秋(ドラミ)、相武紗季(美夜子)、久本雅美(メジューサ)、河本準一/次長課長(満月牧師)。

全くの子供だましの映画です。
家族サービスで映画館に行きました。子供たちはかなり満足していたようです。子供向けとしてはそれなりに評価でき、興行的にも成功しているのでしょう。しかし、アニメの一作品として捉えた場合、観るだけの価値はありません。
まるで脚本がなっていない。全くストーリー性が無い。話の展開は無理ばかり。単に子供を驚かせるシーンを組み込んでこれでもかといったデコレーションだらけの過剰演出ばかりで中身は無い。二流以下です。"魔法"を扱えば何でもありといういい加減さしか伝わってきません。
もともと、ドラえもんは映画化できるだけの物語を組み込むことは非常に難しいのです。のび太の一人称の物語なのですから。徹底的な過保護による甘え、絶えず繰り返されるいじめの構造、どうにもならないご都合主義なドラえもんが取り出す未来の道具という非常に閉ざされた世界では並々ならぬ労力で脚本を練らなければ、納得できるものには成りえません。
魔法のような未来の道具の数々で話を組み立てているので、あらためて"魔法"を組み込まれても未来の道具との区別は困難で、"魔法"というテイストは生かすことができません。最近の"魔法"映画の影響でテーマに組み込んだだけの安直な企画の基で、力の無い監督が人気キャラクターを用いて製作された駄作でした。

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2007.02.21

日本初の無料マンガ雑誌「コミック・ガンボ」を初入手

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今朝、最寄駅前で配布されていたのでもらいました。今年1/16に創刊されてニュースになったので興味があったのですが、6号目でやっと手に入れました。同じフリーペーパー誌「R25」と違って設置場所から読みたい人が勝手に取っていってもらうやり方ではなく、駅付近で毎週火・水曜日に直接手渡しする配布方法を取っています。
B5版中綴じ230頁で、「ビックコミック」や「モーニング」などと比べても遜色ありません。グラビアが中央に5頁あります。広告頁が少なく広告費で原稿料や制作費をカバーするのは大変な印象を受けました。

折角もらったので、通勤中に全16本のマンガを全部読みました。30分くらいで読み終えました。連載が中心で読み切りは1本のみです。掲載されているマンガ家をほとんど知りませんでした。面白いと感じた作品は次の2本です。

○村上もとか「岳人 クライマー列伝・吹雪」読み切り
○原案・林家木久蔵、画・はまのらま「昭和バカ囃子 林家木久蔵物語」連載

全体の1割強しか面白い作品が無く、質的には期待外れです。「コミック・ガンボ」の読者ターゲットから外れているのでしょう。次号も必ず入手したいとは思いません。

入手できなかった場合に備えてWebでも同時配信しています。ガンボ会員になれば無料で閲覧できます。サイト自体はβ版ですが、よく出来ている印象を持ちました。ところで、雑誌に掲載された作品は、Webでも見れると案内されていますが、前述の村上もとかの作品はありませんでした。大ベテランの人気マンガ家に対して契約などで手厚く扱っているのかもしれません。

無料配布で無料配信というユニークな「コミック・ガンボ」には是非頑張って欲しいと思います。新たなビジネスモデルを成功させて、より質の高い無料マンガ雑誌に育ててもらいたいです。

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2007.02.17

映画『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ポケモンレンジャーと蒼海(うみ)の王子マナフィ 』(お薦め度★★★)

監督、湯山邦彦。2006年日本。アニメ映画。声の出演、松本梨香(サトシ)、大谷育江(ピカチュウ)、うえだゆうじ(タケシ)、KAORI(ハルカ)、山田ふしぎ(マサト)、林原めぐみ(ムサシ)、三木眞一郎(コジロウ)、犬山イヌコ(ニャース)、山寺宏一(ジャック=ウォーカー)、ベッキー(ジュディ)、眞鍋かをり(ヒロミ)、ホリ(ペラップ)、藤岡弘、(ファントム)。劇場版第9作目。主題歌「守るべきもの」(うた:Sowelu

大人の鑑賞に堪える作品です。
SFのアイデアはすでに出尽くした感がありますが、この作品にはいままで見たことも無かったアイデアが満載されていて驚かされます。徹底的に作り込まれており、中途半端さを感じさせません。流石はメジャーなポケットモンスターです。子供向けながら夢や冒険心を呼び覚ます一級のアドベンチャー映画でした。
背景や乗り物を3Dで表現した映像は、重厚感や迫力は満点です。最新映像処理を施した最先端のアニメ映画であることは間違いありません。お金をかけて丁寧に作り込んでいます。人物やポケモンが2Dですが、3Dとのバランスは良く不自然さは全くありません。世界に配給される品質だけのことはあります。映像面においても一級品です。

昨年公開され、子供たちは劇場で1度観ていました。DVDが発売されたら自分の小遣いで買いたいと宣言し続けていたので、その思いに動かされて購入しました。TVシリーズはつき合って何回か観てきましたが、毎回ポケモンをゲットして対戦させるだけの到底面白いと思えないワンパターンが繰り返され物語性としては低級な作品と見切ってきました。子供たちがいくら熱を上げても関連商品を積極的に購入してやりたいとは考えられませんでした。そもそも我が家にはポケモンが使えるゲーム機が無いのです。しかし、昨年7/15に公開されて既に半年以上が過ぎているにもかかわらず、マナフィという言葉が2人の子供から聞こえてくるので駄目元で初めてポケットモンスターのDVDを手に入れました。TVシリーズとは格段の差がありました。4179円と結構な値段ですが損をした気がしません。劇場版はかなりの秀作です。製作陣の真摯な真剣さが伝わってきます。「ポケットモンスター」シリーズは初レビューになりますが、子供たちが支持しているものが良い評価ができて満足な結果が得られました。

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2006.12.30

映画『マダガスカル<日本語吹き替え版>』(お薦め度★★★★)

監督、エリック=ダーネル、トム=マクグラス。2005年米。アドベンチャー・アニメ映画。声の出演、玉木宏(アレックス・ライオン)、柳沢慎吾(マーティ・しまうま)、岡田義徳(メルマン・きりん)、高島礼子(グロリア・かば)、山崎弘也(隊長・ペンギンズ)、柴田英嗣(新人・ペンギンズ)、小木博明(キング・ジュリアン)、矢作兼(モーリス)。ドリームワークス製作のコメディ・アニメ。

文句なしの面白さです。
こんなに面白い作品なら、早く観るべきでした。これまでドリームワークス製作の作品は『シュレック』『シュレック2』『シャーク・テイル』『森のリトル・ギャング』を観てきましたが、一番面白い作品でしょう。
脚本が素晴らしくキャラクターが非常に良く描かれています。特にペンギンズがイカシテます。準レギュラーながら大切な場面に登場し、物語を締めてくれました。
ドリームワークスはピクサーに間違いなく肩を並べたと言えます。

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映画『劇場版どうぶつの森』(お薦め度★)

監督、志村錠児。原作・原案、任天堂。2006年日本。ファンタジー・アニメ映画。声の出演、堀江由衣(あい)、折笠富美子(サニー)、福圓美里(ブーケ)、小林ゆう(ゆう)。任天堂の人気ゲームシリーズ。「どうぶつの森」(NINTENDO64、2001年4月14日発売)、「おいでよ どうぶつの森」(ニンテンドーDS、2005年11月23日発売)、どうぶつの森(仮称)(Wii、2007年発売予定)。

人気ゲームを映画化してヒットしているため、子供にせがまれ観に行きました。
子供たちは満足したようですが、大人には鑑賞に全く堪える作品ではありません。
物語としては平板で、ラストは陳腐でした。これだけ低レベルな世界観では子供向けとしても相応しくありません。出来の悪い邦画をそのままアニメにした不味さしか感じません。ゲームとしては成功しているのでしょうが、他のメディアでエンターテイメント作品として通用するものではないようです。「今度はWiiで会いましょう」のエンドロールメッセージはこの映画自体がゲーマー向けプロモーションであり、ゲームしない者にとって全く価値がないものであることの証明でしかありません。