2008.03.19

新書『反・鈍感力』

著者、浅井槇平(あさい=しんぺい)。写真家。
2007/10/30発行。朝日新聞社。

かっこいい大人です。
1937年生まれですから、今年は71歳になるのですね。70歳を超えているとはとても思えません。彼に関しては写真家よりもTVタレントとして馴染みがあります。テレビ朝日の「象印クイズ ヒントでピント」で男性軍キャプテン(1984~94)でみせた知性は圧巻でした。何度と無く奇跡の逆転サヨナラ勝ちで男性軍を勝利に導いてくれました。最近ではTBSの「サンデーモーニング」で辛口のコメントを聞かせてくれています。
クイズ番組が終わった前後の1994年頃だったでしょうか、千葉県安房郡千倉町に1991年に設立した海岸美術館でご本人をお見かけしました。TVで観るとおり日焼けして黒く、小柄ながらエネルギッシュで笑顔を絶やさない方でした。

以前からファンでしたが本書のように執筆をされるとは知りませんでした。「美しい国」という言葉を通して安倍晋三前首相を間接的に批判していますが、2007/2/20に安倍内閣支持率低下に対して小泉純一郎元首相が「鈍感力」を進めたことについては何も触れていません。間違いなくこの言葉に対して本書を書くことになったのだと思うのですが不思議な感じがします。タイトルから受ける印象ではかなり政治的な話が盛り込まれているのだと思って読んだのですが、全体を通じて政治的なメッセージはほとんどありません。観察することをベースとしたエッセイ集でした。俳句を趣味にしていることや若い頃に小説を書くことを進められたことが書かれており、なるほど文章が巧く表現力が豊かです。多才な方だということがあらためてわかりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.12

単行本『「1秒!」で財務諸表を読む方法―仕事に使える会計知識が身につく本』

著者、小宮一慶(こみや=かずよし。経営コンサルタント。
2008/2/7発行。東洋経済新報社。

ビジネスマンとして財務諸表を理解しなければならないのはわかっていても、いつまでたっても理解できない状況が続いています。過去に関連書を何冊も読んだのですが、結局ものに出来ずに今日に至りました。そんな折、書店店頭で「1秒!」で何んとかなりそうな本だったので購入しました。

財務諸表は会計的に学ぶから嫌になるので、経営的に理解できれば十分と著者は力付けてくれます。その通りです。会計的に仕訳などを勉強するから訳がわからなくなってきたのです。

本書は平易にわかりやすい文章で財務諸表を理解するための重要ポイントに絞って書かれています。「財務三表」と呼ばれる「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」のことが経営的に素早く理解することができる内容です。さすがに一読しただけでは難しいですが、必要とされる項目は少ないので、財務諸表の事例を元に本書を参考にして読み解けばかなり身に付くと感じます。今までつまづいていた部分を克服したいと思います。


【追記】
半年以上、書籍を読んでいませんでした。興味のある本は購入してはいるものの何故か遠ざかっていました。雑誌は読んでいるので活字から離れた訳ではないのですが、久しぶりの書評になりました。一冊の本を読み終えるというのは手応えがあっていいですね。これを機会に本を読む機会を増やしていきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.05

雑誌「DIME」の付録はモバイルスピーカー

080305_211401080305_221001

昨日発売の雑誌「DIME」№6の付録はモバイルスピーカーです。iPodなどのデジタルミュージックプレーヤーやCDプレーヤーに対応でステレオミニプラグが採用されています。電源を使用しないパッシブ型なのでプラグをつなぐだけで使えるとあります。
早速、ケータイにつないでみました。ボリュームを最高にしましたが小さな音量でスピーカーとして役に立ちません。それならばと破壊的な大音量が出せるiPod nanoにつないでみました。ボリュームを最高にしてやっと中音量で聞けます。なんとかiPodならば外部スピーカーとして使えます。ということは節度ある家電メーカーのプレーヤーではまず使えないでしょう。
雑誌付録としては画期的で、定価350円に+150円の特別定価500円で提供した姿勢は評価できますが、残念ながら企画倒れです。惜しい!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.26

幕張メッセで少女漫画雑誌イベント

0613909107

小学館発行の少女漫画雑誌「ちゃお」のイベント「ちゃお&ちゅちゅサマーフェスティバル2007」が幕張メッセで土日2日間開催され、昨年と同様に長女の付き添いで行って来ました。夏休み最後の週末で猛暑にもかかわらず娘と母、娘と父の組合せで多くの人が来場していました。動員数は2、3万人ぐらいだと思われます。不思議と友達同士で来ている子は少なく、中学生(見た目でわかりませんが)はほとんどいないようでした。
入場無料で、入るときにお土産がプレゼントされます。昨年はバックで今年はエプロンとランチボックスでした。安物の販促品ですが、それなりの質は維持しています。小学館の"オマケ"による物量作戦はうまく少女の心を捉えています。
イベントといっても、ほとんどが関連商品をプロモーションするための展示が中心で面白さは全くありません。一番のお目当てとなる人気漫画家サイン会の整理券は開場と同時に無くなってしまいます。結局、会場に設けられた雑誌関連商品のプロモーションブースを回るだけなので、関心の無い者には全く意味の無いイベントです。昨年は一緒に会場巡りをしたのですが、今年は入り口脇につくられた休憩所でずっと待機して時間をつぶしました。本当に罪作りな催し物です。

「ちゃお」は月刊誌で毎号文具やアクセサリーなど乙女心をくすぐるグッズが付録が付いてきます。小学生女子のファッションリーダーとしての役割を担っています。創刊は1977年で、集英社発行の「りぼん」、講談社発行の「なかよし」と並ぶ、三大小中学生向け少女漫画雑誌で発行部数130万部でトップをキープしている模様。読者は小学生の女子で6~12才までがターゲットのようです。人気漫画は中原杏の『きらりん☆レボリューション』で現在TVアニメとしてテレビ東京で放映されています。付き合って何話か観ましたが、大人の観賞に堪えられるものではありません。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.08.10

単行本『NHK受信料を拒否して四〇年-貧困なる精神U集』

著者、本多勝一(ほんだ=かついち)。ジャーナリスト。
2007/7/10発行。株式会社金曜日。

NHKに対して痛烈で論理的な批判を個人的に続けている一貫したぶれない姿勢は本当に頭が下がります。40年にわたって実践してこられた根拠を検証しつつ、あらためてNHK受信料を支払うべきでないことを示しています。「NHK受信料支払い停止運動の会」共同代表の醍醐聰(だいご=さとし)氏との対談で、より具体的に徹底的に「NHK問題」の本質を洗い出しており、独りよがりになりがちな主張をできるだけ多面的に解析しようとするバランス感覚は学ぶべき手本です。
本書はNHK受信料を支払っている人も、支払っていない人も読んでおくべきでしょう。

さすがの巨人も今年76歳を迎えており、現役ジャーナリストとして老いに勝てないことを明言しています。一番最後に掲載されている「自然と人間」熊谷伸一郎(くまがや=しんいちろう)編集長との対談において、日刊新聞を出そうという野心を彼自身が中心になって進めることは無理だと語っています。

体制におもねるマスコミが台頭する中で、真のジャーナリズムを目指す真のジャーナリストの志が閉じられようとしていることが本当に残念でしかたありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.24

新書『「天才」の育て方』

著者、五嶋節(ごとう=せつ)。
2007/5/20発行。講談社現代新書。

著者は、天才ヴァイオリニスト五嶋みどりと五嶋龍の姉弟の母親です。

・どのようにして姉弟ふたりとも天才ヴァイオリニストに育てられたのか?
・何故姉弟の歳が離れているのか?

昔から興味がありました。TV特番でドキュメンタリーが放映されるものの、子どもたちが脚光を浴びるだけで母親へはほとんどインタビューがなく、どのような考え方をお持ちなのかを知りたいと思っていました。

本書を読んで驚いたのは、子どもたちをまったく天才と考えていない極普通のぶっちゃけた関西人のおばちゃんということでした。そして愚直に子供たちと向き合ってきたひとりの母親としての生き方でした。
ともかく親子のコミュニケーションが大切だと考えられていて、手抜きがありません。このことが全てといっていいでしょう。教育論などと大上段に構えることがなく「子どもに育てられ論」と語られている姿勢に感心しました。非常に見習うべきところが多いと感じます。
姉の五嶋みどりが過去に鬱病と拒食症になってそれを克服してきたことが触れられていて、決して順風満帆ではなかったことがわかりました。最近のマスコミが弟だけに注目している背景だったのですね。

ところで疑問に思っていた姉弟の歳が17歳違いというのは、離婚によるものだということもわかりました。

講演やインタビューから原稿を起こしてあるため、非常に読みやすくとてもわかりやすい内容でした。ひとりの母親の赤裸々な人生が語られた素敵な本です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.18

スポニチ、メジャーリーグ電子週刊誌「Major Zone」創刊

Fliblog_20070517_1

5/17にFlibでスポニチ「Major Zone」創刊準備号が掲載されていました。5/24から週刊誌として創刊されます。発行元はスポーツニッポン新聞社マウチメディア事業本部/イーブック・システムズ株式会社です。
メジャーリーグは観戦していませんが、日本人メジャーリーガーの活躍は気になります。特に今年は松坂大輔のデビューで興味が強まりました。TVや新聞で情報を入手していますが、これに電子週刊誌が加わることになります。

創刊準備号は56頁で、松坂大輔投手を特集「1億ドルの男 DICE-K デビュー」(22頁)で大々的に扱っています。次の4つの目次立てです。

・特集
・Weekly Topics
・The Shot
・MLB Playback~一週間のMLBの激闘をプレイバック!!

写真を中心に構成されており、文字が少ないので流し読みに最適なコンテンツと言えるでしょう。1週間分の記事を簡単に鳥瞰することがでます。本創刊では増ページになる模様です。
とっつきやすい雑誌ですので、軽く興味のある方でも付き合える内容です。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.04.27

単行本『ロボットの天才』

著者、高橋智隆(たかはし=ともたか)。ロボットクリエイター。
2006/6/6発行。メディアファクトリー。

ドン引きしました。
大分前に読み終わっていたのですが、書評を書く気になれませんでした。

ロボットの若きカリスマと非常に興味が引かれていたのですが、あきれました。ここまであけすけに書く必要があるのでしょうか。本音トークといえば若者の特権ですが、彼のあまりの偏狭な思考に驚かされ、がっかりさせられます。「米TIME」誌の年末企画「Coolest Invention of 2004」でクロイノが紹介され、「ポピュラーサイエンス日本版」の"未来を変える33人"に選ばれた人物が語る内容としてはレベルが低過ぎます。折角の二足歩行ロボットの草分けとしての業績も霞んでしまいますよ。

メディアファクトリーの書籍の作り方は変です。タイトルから著者は高橋智隆本人ではなく、第三者とばかり思っていました。本人が書いたということはタイトルはイコールですから、自ら天才と言っています。さらに奇怪なのは「はじめに」で「高橋智隆はロボットの天才である。」と断定して書いています。しかし、署名がありません。これも本人なのでしょうか?ちなみに「あとがき」は本人でした。

今後は高橋智隆の生き方を注目したいとは思いません。結果としてのロボットのみを評価して行きたいと思います。


【関連記事】
2005/10/15 ロボットクリエイター・高橋智隆
2006/10/11 ロボットクリエイター・高橋智隆氏 製作、攻殻機動隊「タチコマ」
2006/10/16 雑誌「ロボットライフ」第2号

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.04.20

単行本『気まぐれコンセプト クロニクル』

著者、ホイチョイ・プロダクションズ。
2007/2/10発行。小学館。

映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』が面白かったので、原作となる単行本『気まぐれコンセプト クロニクル』を購入しました。
「はじめに」に次の記載があります。

「初期の作品は、連載開始3年後の1984年初夏に、一度、単行本にまとめて出版しましたが、それ以降23年間、一度も単行本にまとめることなく描き貯めつづけてきました。本書は、その23年間分のマンガを精選し、年代順にまとめたものです。」

かなりのボリュームです。マンガなので2~3時間もあれば読み切ってしまうと安易に考えていましたが、読み応えは十分すぎるほどあります。1日あたり2時間熟読して1週間はかかったでしょう。
23年間という長期にわたる作品にもかかわらず、登場人物たちのおバカ加減は一貫しており、全く学習効果がありません。広告業界を揶揄した作品としてナンセンスの極みです。馬場康夫が率いるホイチョイ・プロダクションズは真にC調です。

さて、映画の原作ですが、「バブル崩壊を阻止せよ!」(「ビックコミック スピリッツ」2004/7/26発売号掲載)が掲載されています。9頁のボリュームで映画に登場したエッセンスが濃縮されています。ただし、映画とは別物です。この内容を脚本に発展させるにはかなりの労力がかかったと思われます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.03.05

単行本『本日より「時間外・退職金」なし―日本マクドナルドに見るサラリーマン社会の崩壊』

著者、田中幾太郎(たなか=いくたろう)。ジャーナリスト。
2007/2/28発行。光文社ペーパーバックス。

日本にサラリーマンはいなくなり、時間外も退職金も無い単なる"ワーカー(worker)=労働者"に成り下がり、低賃金で一生働き続けること(Never-Ending Working Life)になるだろうと書かれた驚愕の書です。

世界規模で進むグローバル化は人件費抑制を要求し、残業代と退職金の支払いを無くす方向に動き始めたと解説しています。

「ホワイトカラー・エクゼンプション(労働時間規制の適用除外)」の法案が1月に見送られたものの、日本で導入されるのは時間の問題で、2006年4月に施行された「改正高年齢者雇用安定法」によって多くの企業で定年制の廃止が検討されており、やがて退職金制度が無くなっていくだろうと予測しています。

すでに日本マクドナルドは「幹部候補社員(みなし管理職)の時間外手当」と「定年制度」という日本企業独特の慣行が消えてしまいアメリカ式の雇用形態に移行して、それが原因で退職者が増え、訴訟が起こされているとのことです。
日本マクドナルドは特殊なケースではなく、日本全体のサラリーマンの問題になることは必然だと警告する著者に納得させられました。

低価格化路線で躓きながら、高級化路線とクーポン券の乱発で売上高を更新し復活の兆しが見える日本マクドナルド、売上至上主義の裏で現場社員が酷使されていると書かれた内容には正直驚かされました。

これは決して他人事ではないでしょう。日本のサラリーマンにとって、暗黒の時代が訪れようとしています。

どうすればいいのか?解を探さなければなりません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.03.01

新書『チンギス・カン』

著者、白石典之(しらいし=のりゆき)。新潟大学助教授。
2006/1/25発行。中公新書。

昨年の2006年はモンゴル帝国建国八百周年に当たりました。本書はこれにあわせて発行されています。以前WOWOWで映画『チンギス・ハーン』(モンゴル・1992)が放映されました。モンゴル映画は荒削りで、かなり昔の映画を観ているようでしたが、内容はエネルギッシュで圧倒されました。チンギス・ハーンの激動の半生は非常に興味深いものでした。彼に関する本があればと探していたところ本書に出会いました。

著者はモンゴル考古学者として、遺跡や遺物などの物証からチンギスの実像にアプローチしています。そのため、ある程度彼の物語を知っていないと前半は読み続けるのはつらいものがあります。後半になると、彼の死後の後継者選びの経緯は物語性が高く読み物として楽しめました。

チンギス=カンの呼び方が詳細に説明されていました。

チンギス=カン
チンギス=ハン
チンギス=ハーン

・ペルシャ語史料に基づき"ジンギス"と呼ぶ欧米の研究者がいる。
→洋楽でジンギス=カンと歌われた曲はその影響だろうか?
・「カン」とは、国の王や部族の長などの意味。
・「ハン」は、「カン」と同じ意味。生前当時の発音は「カン」。
・「ハーン」は、唯一無二の君主の意味。「カン」よりもランクが上。死後に呼ばれる。

チンギスの墓所はいまだに謎で発見されていないそうです。世界征服者でありながら巨大な大宮殿は作っておらず、日本人がイメージするものとは大分違うようです。

ところで、3/3から映画『蒼き狼 地果て海尽きるまで』が劇場公開されますが、本書では紹介されていません。前述の映画『チンギス・ハーン』の記述もありませんでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.02.22

無料の電子書籍ポータル「Flib(フリブ)」

「コミック・ガンボ」関連で見つけました。ソフトバンクグループのイーブックス・システムズが無料の電子書籍ポータルサイト「Flib(フリブ)」を1/19にスタートさせています。同社が提供している電子書籍専用ビューワー「FlipViewr」(無料ダウンロード)で電子書籍「FlipBook」が無料で閲覧できます。「コミック・ガンボ」もここで最新号を丸ごと1冊(村上もとか作品除く)見ることができます。ガンボ会員にならなくとも閲覧できるので自社サイトと違い敷居はありません。

電子書籍「FlipBook」の出来の良さに驚かされました。過去の電子書籍と違って、動画や音声、Webと連動して表現力が格段に向上しています。ブロードバンド時代を迎えて究極の電子書籍が登場したと形容できます。ヒットは間違いないでしょう。
従来の電子書籍は紙をスキャンしてパソコン画面で見せるといった単純なものでしたが、「FlipBook」はパソコン画面上に存在する書籍をリアルに操作することができます。頁をめくる行為も頁がめくれてゆくアニメーションと効果音は実際のものに限りなく近く感じます。絵本では開いた頁で書かれている文章をBGMやナレーションで紙芝居のごとく鑑賞することができます。このレベルであれば従来のものとさほどレベルアップしているとは感じないかもしれません。

これ以上の仕掛けでビックリさせられたのがアンカー・パブリッシング株式会社が提供する電子雑誌でした。6誌提供されています。そのなかで広末涼子が表紙の「Manyo」に着目しました。サブタイトルは"週末・休日を愉しむ大人のライフスタイル誌"とあります。「FlipViewr」をインストールして"読む"ボタンを押すと画面に出てきます。マウスで紙面をクリックすると頁がめくれ見開きで表示されます。広告頁では自動で写真が入れ替わったり、広告主のURLをクリックするとIEブラウザが立ち上がって広告主サイトへ飛ぶことができます。お目当ての巻頭インタビュー頁ではやはり自動的に写真が切り替わったり、裏頁というか隠れ頁へのリンクが表示され、頁数はそのままで見開きを切替えることができます。これは紙では絶対にできない新しいインターフェースです。最初はこの動きにかなり戸惑いましたが、慣れてくるととても面白い感覚を味わえます。また、記事の間に動画画面が表示されて、映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』を宣伝する広末涼子を見ることができます。他にも自動的にイラストがアニメーションとして動いたりする頁があったりでいろいろな仕掛けが組み込まれていました。

近い将来、大型薄型テレビにインターネット接続されたときに、電子書籍「FlipBook」は動画配信と肩を並べる強力なコンテンツになる予感がします。それにしても次の布石を打ってきているソフトバンクにあらためてその先進性の凄さを感じました。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.02.21

日本初の無料マンガ雑誌「コミック・ガンボ」を初入手

070221_215101

今朝、最寄駅前で配布されていたのでもらいました。今年1/16に創刊されてニュースになったので興味があったのですが、6号目でやっと手に入れました。同じフリーペーパー誌「R25」と違って設置場所から読みたい人が勝手に取っていってもらうやり方ではなく、駅付近で毎週火・水曜日に直接手渡しする配布方法を取っています。
B5版中綴じ230頁で、「ビックコミック」や「モーニング」などと比べても遜色ありません。グラビアが中央に5頁あります。広告頁が少なく広告費で原稿料や制作費をカバーするのは大変な印象を受けました。

折角もらったので、通勤中に全16本のマンガを全部読みました。30分くらいで読み終えました。連載が中心で読み切りは1本のみです。掲載されているマンガ家をほとんど知りませんでした。面白いと感じた作品は次の2本です。

○村上もとか「岳人 クライマー列伝・吹雪」読み切り
○原案・林家木久蔵、画・はまのらま「昭和バカ囃子 林家木久蔵物語」連載

全体の1割強しか面白い作品が無く、質的には期待外れです。「コミック・ガンボ」の読者ターゲットから外れているのでしょう。次号も必ず入手したいとは思いません。

入手できなかった場合に備えてWebでも同時配信しています。ガンボ会員になれば無料で閲覧できます。サイト自体はβ版ですが、よく出来ている印象を持ちました。ところで、雑誌に掲載された作品は、Webでも見れると案内されていますが、前述の村上もとかの作品はありませんでした。大ベテランの人気マンガ家に対して契約などで手厚く扱っているのかもしれません。

無料配布で無料配信というユニークな「コミック・ガンボ」には是非頑張って欲しいと思います。新たなビジネスモデルを成功させて、より質の高い無料マンガ雑誌に育ててもらいたいです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.02.14

新書『進化しすぎた脳 中高生と語る[大脳生理学]の最前線』(お薦め度★★★★★)

著者、池谷裕二(いけがや=ゆうじ)。1970年生まれ。薬学博士、東京大学大学院薬学系研究科講師。科学技術振興財団さきがけ研究員。専門は神経薬理学、光生理学。
2007/1/20発行。ブルーバックス(講談社)。

帯紙の『しびれるくらいに面白い!』という宣伝文句に惹かれて読みました。確かに面白い内容です。本書は全4回にわたって中高生に対して行われた脳科学講義の記録です。脳に関する最先端の内容を平易にわかりやすく解説されています。常識に囚われた考えを根底から覆してくれる展開は、知的好奇心を圧倒的に刺激してくれます。それはもう目から鱗のごとく意外過ぎて清々しさすら感じるほどでした。

特に驚いたのは「見る」という行為です。主体的に意識して「見る」ことをしているつもりが、実はそうではないこと目で見ているものと脳で見えているものは同じではないことが理解できました。

「ここまでいろいろと話してきたけど、人間の行動のなかで意識してやっていることは意外と少なくて、みるという行為でさえも無意識だとわかった。こう考えていくと、人間の行動のほとんどが無意識かもしれないと想像できるよね。」
「網膜から上がってくる情報が視床にとって20%だけ、そして、視床から上がってくる情報は大脳皮質にとって15%だけ。だとしたら最終的に、大脳皮質の第一次視覚野が網膜から受けとっている情報は、掛け算をすればよいわけだから、20%×15%で、なんと全体の3%しか、外部の世界の情報が入ってこないことになる。残りの97%は脳の内部情報なんだよね。」

"心とは何か"といった誰もが考えたことがある素朴な疑問から始まって、脳科学の限界までを大胆に解説する著者の潔い姿勢に眩しさを感じました。このような意欲的な良書を読むと未来が明るく広がります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.11.03

新書『「普通がいい」という病』(お薦め度★★★★★)

著者、泉谷閑示(いずみや=かんじ)。南青山泉谷クリニック院長。
2006/10/20発行。講談社現代新書。

素晴らしい本です。感銘を受けました。
人生に行き詰まりやメンタルな悩みを抱えている人に是非お薦めできます。
タイトルからは予想も出来ないほど深遠な内容で、ある意味宗教的であったり、哲学的だったりします。しかし、非常にわかりやすい説明で精神医学で分類されている「自然な状態(正常)」、「神経症水準」、「人格障害水準」、「精神病水準」を簡単に可視化してくれます。また、何故精神に支障をきたすのかを根源である”人間の仕組み”から明確に紐解いてくれています。

いわば「心」=「身体」という先住民の国に、「頭」という移民がやってきて、いつの間にか先住民を支配するようになったような状態、これが現代人の状態です。

「頭」が傲慢にも「心」=「身体」をコントロールしようとしてバランスが崩れるため、精神病を発症してしまうという構造が理解できます。時代が進むにしたがって精神を患う人が増えるのも納得できました。本書では様々な症例が何故発生してしまうのか、そしてそれを回避するにはどうすればいいかについて臨床に基づいたアドバイスが数多く述べられています。

自分が自分らしく生きるためのバイブルとも呼べるもので、自分を取り戻す手立てを何かしらのヒントを提供してくれます。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.10.28

新書『狂気と犯罪 なぜ日本は世界一の精神病国家になったのか』

著者、芹沢一也(せりざわ=かずや)。
2005/1/20発行。講談社+α新書。

著者の主張は、犯罪を犯した精神障害者も裁判を受けさせるべきではないかと問題提起しています。明治40年に公布された現行刑法の刑法第三十九条「心神喪失者の行為はこれを罰せず、心神耗弱者の行為はその刑を減刑す」によって法の世界、社会からも精神障害者は排除されて特別な存在にされてしまっていると述べています。
精神障害者が「狂気」として置かれてきた歴史と、それを支えてきた思想を明確に洗い出しており、その内容は十分に納得できる内容だと思います。ある意味非の打ちどころの無い論理展開がなされています。しかし、あまりに見事過ぎていて、危うさを感じます。犯罪に対して厳罰せよという世論を後押しする考えは、現在の風潮を追認しているだけで、皆が同じ方向に流れる危険性があります。記号的なレッテルで物事を単純化して導き出した硬直した考えは暴走する要素をはらんでいるのではないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.10.16

雑誌「ロボットライフ」第2号

Itemn500347p110/4に発売されていた雑誌「ロボットライフ」11月号を遅ればせながら購入しました。期待以上に面白い誌面です。ソニーが今年1/26にロボット事業から撤退するとの発表から、アイボなどのエンターテインメントロボットの市場が縮小したのではと考えてきました。この雑誌「ロボットライフ」から受ける印象は、市場は萎んでおらず二足歩行ロボットが中心となって裾野を広げて活気が出てきつつあるように感じられます。
ロボット紹介やイベントや大会の案内、目玉となる高橋智隆氏のロボット関係者との対談記事、初心者向けのロポットセミナーなど盛沢山です。ちょっと意外でしたが、ロボットとモデルによるグラビアページもあります。

ロボット紹介では、積極的にカテゴライズしています。

・ヒューマノイドモデル:何といっても人気の二足歩行の人型ロボット
・マイルームモデル:お掃除、留守番など生活に役立つ家電系ロボット
・デスクトップモデル:机の上のスペースで手軽に遊べる玩具系ロボット
・ビークルモデル:ロボット開発で培ったテクノロジーを乗り物に転用した「セグウェイ」の試乗記

家庭におけるロボットは黎明期の段階で、このカテゴリで表現することが妥当かどうかはわかりませんが、本誌をながめているだけで将来の家庭におけるロボットをイメージさせてくれます。
特集で興味を引いたのが、ヒューマノイドモデルとして紹介されているPLEN(プレン)で、ローラースケートを滑ることができる二足歩行ロボット(システクアカザワ製、価格26万2500円)でした。見た目がかわいらしくて高機能なロボットのようで、個人で所有して街中で動かしたら注目の的です。将来外出時にこのようなマイロボットを持ち歩く人々が登場するのは間違いないでしょう。
近未来についてこれほどワクワクさせてくれる雑誌は稀有な存在です。今後も注目していきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.09.09

新書『魔法ファンタジーの世界』

著者、脇明子(わき=あきこ)。ノートルダム清心女子大学教授。
2006/5/19発行。岩波新書。

期待していたものはありませんでした。
3大ファンタジーといわれる『指輪物語』、『ナルニア国ものがたり』、『ゲド戦記』を中心に良質な冒険ファンタジー文学について解説しています。しかし、世界的にどれくらいの発行部数があってどれだけ評価されているのかといった客観的な資料は無く、著者はファンタジー文学の翻訳をかなりされている方らしく、知識はかなり深いようですが、作品に対する想いしか語られていません。
そもそも魔法ファンタジーとは何か、どのように分類されやどのような系譜があるのか、近年何故多くの物語が映画化されるのか、文学とゲームとの比較など興味のあるテーマが語られていません。単に著者の感性に合う作品群の解説となっており、全く物足りない内容です。
岩波新書も時の流行に合わせて安易な企画でつくるものが増えたように感じます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.09.05

新書『少年事件に取り組む』

著者、藤原正範(ふじわら=まさのり)。鈴鹿医療科学大学助教授。
2006/2/21発行。岩波新書。

非常に考えさせられました。
著者は2005年3月まで28年間、家庭裁判所調査官を務め4000件もの少年や家事のケースに取り組んでこられ、その中から実際にあったケースを基にその時に判断した経過やその後にどのような結末となったかを示され、現在の課題や将来に向けての提言を著されています。
少年犯罪の凶悪性だけがセンセーショナルにヒステリックに報道され、本来様々な視点から冷静に議論しなければならないにもかかわらず、社会全体の人への不信から少年法の精神が後退しています。厳罰化だけが煽られ、保護よりも処罰せよとの論調がマスコミによって繰り返されています。このような状況に対し、本書では次のように記述されています。

「少年法は誰のためのものか。加害者側に偏り過ぎて犯罪被害者を忘れているという立場から、この質問を投げかけられることが多い。これは少年法を刑事政策という一面のみでとらえた問いであるように思う。少年法の刑事政策としての側面は否定しようもないが、そうでありながら、同時に目標を「健全育成」とし、教育、社会福祉、医学などの力を借りて、子どもを育て直し、より良き潜在力をまっとうさせることをその中身としているのである。」

少年法の精神を守りながら、非行少年を社会に戻す役割を担う現場の方々の努力は相当なものがあり、その苦悩が真摯に伝わってきました。取り上げられたケースは事実に基づく重みから納得性の非常に高い内容です。著者のあらためて健全な議論を期待したいという主張は理解できました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.31

新書『アニメーション学入門』

著者、津堅信之(つがた=のぶゆき)。大阪芸術大学芸術学部非常勤講師。
2005/9/12発行。平凡社新書。

アニメーションとは何かを技法から紐解いて、日本と世界の主なアニメーションの作品・作家が紹介されています。アニメーションを学問としての切り口で語った内容になっています。新書であるため頁の制限により、内容的に「帯に短し、襷に流し」でボリューム的に物足りなさを感じます。本書から目新しい発見は特にありませんでした。ただし、アニメの概要がコンパクトにまとまっているので、今まで観てきた作品について体系的に整理することができました。紹介された作品についてはおおよそ知っていましたので、エポックメーキングとなったものはだいたい観てきたようです。
これからアニメーションを手軽に知りたい方にお薦めです。アニメーションにおいて、ポイントとなる作品を確認するには最適な本です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.24

新書『論争する宇宙』

著者、吉井譲(よしい=ゆずる)。東京大学大学院理学系研究科教授。天文学教育研究センター長。
2006/1/22発行。集英社新書。

サブタイトルをつけるとすると『望遠鏡建設奮闘記』になるでしょう。天文学者で理論家の著者が、マウイ島に日本で2番目に大きい口径2mの主鏡の「マグナム(MAGNUM)望遠鏡」を苦難の上に建設したプロジェクトを紹介しています。ハワイ島にある口径8.2mの主鏡をもつ日本最大の「すばる望遠鏡」が日本の国家プロジェクトとして1999年に完成し、1年遅れて著者が所属する東京大学の望遠鏡が完成しています。「すばる」は性能が高いが、多くの研究者がを使用するため、申請手続きがあって利用時間がわずかという制約に対して、口径でわかる通り性能は落ちるものの著者の研究専用に継続的に集中して使えることによって、大きな発見の可能性があるそうです。
現代宇宙論が理論と観測でどのように進化してきたかをわかりやすく解説してくれており、アインシュタインが「生涯最大の失敗」と自ら否定した"宇宙定数"を著者が復活させ、それを証明するために望遠鏡を持つに至ったきっかけが語られています。最先端の宇宙論を展開しながらの望遠鏡建設という泥臭い物語は胸を打ちます。
タイトルが良いですね。刺激的で知的好奇心をくすぐられます。宇宙に興味のある方は是非読まれることをお薦めします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.16

新書『伝わる・揺さぶる!文章を書く』

著者、山田ズーニー。PHP新書。2001/11/29発行。「Amazon.co.jp4年連続ベストセラー入り」の帯。

雑誌「DIME」の連載に山田ズーニーが登場し、女性であることが判明しました。驚きました。以前『あなたの話はなぜ「通じない」のか』を読んでいますが、そのときの印象では男性とばかり思っていました。骨太で明確な論理を展開する文章から女性だとは全く想像しませんでした。
「DIME」の記事の中で彼女が作成した議事録の文例が紹介されています。一般的なあまり読まれることの無い議事録の書き方を変える画期的なものです。『伝わる・揺さぶる!文章を書く』から引用したものであることがわかり、本書を取り寄せませした。
単行本『あなたの話はなぜ「通じない」のか』の2年前に書かれており、いい文章を書く際の心構えと実践的な文書の書き方をわかりやすくまとめています。特筆すべきはやはり実践編の議事録でした。読みたくなって、しかも議事進行に役立つ内容には驚かされます。議事録のあるべき姿が示されており、目からうろこでした。このアイデアに満ちた議事録の書き方について読むだけでも、非常に価値があります。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2006.06.20

新書『若者殺しの時代』

著者、堀井健一郎。コラムニスト。講談社現代新書。2006/4/20発行。

タイトルは過激で興味を引かれますが、何がどう若者が殺されているのかが説明されておらず、その原因は抽象的です。著者は、確立された社会システムにおいて、上の世代の大人たちが若者として居座っているために、若者が殺され始めていると主張しています。1980、1990年代の風俗をテレビ番組や雑誌などのメディアを遡って検証していますが、それが何故"若者殺し"につながるのか探求していません。何となく雰囲気はわかる気がしますが、あまりに消化不良です。もっと深く分析すべき内容です。
本文中で吉崎龍彦著、新書『1985年』を参考にしている箇所が見受けられましたが、風俗だけで紐解こうとするのでは無理が有り過ぎです。
結果、本書はほとんど参考になりません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.17

新書『グーグルGoogle-既存ビジネスを破壊する』

著者、佐々木俊尚(ささき=としなお)。文春新書。

Googleの各サービスについて実例をあげて掘り下げています。先に技術的な視点で書かれた新書『ウェブ進化論』を読んでいたので、特に目新しい記述はありません。ミクロからマクロで語られており、Googleが今後どのように世界とかかわっていくのかが明確になってきます。

昔、巨大なコンピューターに世界が支配されるのではとSF的な悪夢が語られてきましたのが、今後は巨大なデータベースを司るGoogleが新たな脅威として語られています。確かにそうかもしれません。インターネットで最も重要なのが"検索"であり、世界の情報を飲み込もうとしているのがまぎれも無いGoogleだからです。Googleの検索から排除された事件「グーグル八分」を通して、Googleの検索から抹消されることはインターネット社会で存在しないことになってしまうという説明も説得力があります。著者の「グーグルこそが、「神の偏在」なのである。」という記述は大いに考えさせられました。

既存ビジネスの象徴として君臨し続けたマイクロソフトのビル=ゲイツ会長が2年後に経営の一線を退き慈善家となると6/15に事実上の引退宣言をしました。『ウェブ進化論』の著者、梅田望夫が予言したとおり「こちら側」が「あちら側」に追いつけないことが証明されたと言えるでしょう。マイクロソフトがグーグルに敗北宣言した日として感じられてしかたありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.05.22

新書『今日はこの米!』


著者、西島豊造(にしじま=とよぞう)、五ツ星お米マイスター。2006/2/10発行。生活人新書(NHK出版)。

日本人は1年間のお米の消費量が2003年で61.9㎏になっており、1963年の118.3㎏と比べて半減しているそうです。1合が約155gなので現代人は1日1合食べている計算になります。何故減り続けているかに著者はメスを入れ、どうすれば消費が伸びるのかについて言及しています。要はお米のバリエーションを上手に選択して、そのときどきの食事にあった美味しいお米を食べなさいと説いています。全く賛成です。オンラインショップでお米を購入するようになってから、食卓が豊かになりました。現在までに「コシヒカリ」「キヌヒカリ」「ミルキークイーン」と食べ比べてきています。それぞれに食感や味わいが異なり、その差を楽しんでいます。以前よりもお米の消費が増えました。もう近くのスパーで買う不味いお米は食べる気がしません。
本書は日本人として美味しいお米を食べるべきだと実感させてくれる良書です。
食卓にあがるお米は、ほとんどが「コシヒカリ」の品種だそうです。お米は外観、香り、味、粘り、硬さ(柔らかさ)で評価されますが、これらの項目がバランスよく秀でているのが「コシヒカリ」です。子が「あきたこまち」「ひとめぼれ」「ヒノヒカリ」でさらに孫の世代の「はえぬき」や「つがるロマン」などが登場しています。「キヌヒカリ」や「ミルキークイーン」もコシヒカリが直親になります。「コシヒカリ」自身は1956年に「農林1号」と「農林22号」を親として生まれています。品種の移り変わりを知るだけでも、豊かなお米の世界に触れることができます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.05.12

新書『ホラーハウス社会』

著者、芹沢一也(せりざわ=かずや)。2006/1/20発行。講談社+α新書。

フリーペーパー「R25№36(2006/3/23号)」のブックレビューで紹介されていたので読んでみました。タイトルはピンときませんが、読み終わるとなるほどと感じました。ホラーハウスとはアミューズメントパークなどにある"お化け屋敷"を意味しています。犯罪を防止しようとする過度なセキュリティ意識がもたらす「快感」を表現しており、エンターテイメント性を含んでいるとも言っています。そこまで言い及ぶ必要は無いと思いますが、著者が明治から現代までの犯罪に関する社会の関わりが大きく転換してしまったとの意見には賛同できました。
犯罪における保護の対象であった少年と精神障害者が、何故「怪物」扱いされるようになったかが俯瞰的に理解できます。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2006.04.10

新書『他人を見下す若者たち』

著者、速水敏彦(はやみず=としひこ)。名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授。講談社現代新書。

がっかりです。
巷で話題となっている本で20万部も売れているそうです。タイトルにひかれて読みました。若者を見下す著者の姿勢はいただけません。自らの造語として「仮想的有能感(他者軽視)」を用いて若者を斬っています。しかし分析データにはこの傾向が高い世代として40歳代以上も多いことが数字で示されています。要するに他人を軽視する傾向は若者や中高年にみられるものなのです。しかし、著者は若者に焦点を当ててけしからんと述べます。社会全体に問題化しているにもかからず、若者をだけを槍玉にあげるなんて論理の飛躍というか、こんな人が教育者なのかとただただあきれる内容でした。本を売るためにつけたとしか思えません。実証的研究を蓄積する必要があると書いていながら、著者の確信的にこのようなタイトルにする傲慢さに呆れました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.02

新書『ウェブ進化論』

著者、梅田望夫(うめだ=もちお)。シリコンバレーのコンサルティング会社ミューズ・アソシエイツ社長。ちくま新書。

ブログを開設している人は必ず読むべきでしょう。
インターネットの今後の展望をテクノロジーとビジネスの両面でうまくまとめられています。非常に参考になりました。
IT業界の第一世代がIBM社、第二世代はMicrosoft社中心、そして第三世代の代表がGoogleで、リアルな世界を「こちら側」、バーチャルな世界を「あちら側」と表現してIT企業がどの位置にいて、どのような指向でインターネットと対峙しているのかわかりやすく解説してくれています。「こちら側」の企業は「あちら側」に行けないので、「こちら側」のMicrosoftは「あちら側」のGoogleには追いつけないと分析しています。
特に技術革新の主役であるGoogleという企業について詳しく説明されています。1998年に設立、2004年夏に株式公開し、2005年10月には時価総額が10兆円を超えた従業員は5千名のとんでもない驚くべき会社であることが理解できます。

【追記】
日本語のGoogle Blogが3/1登場しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.02.13

新書『戦艦大和 復元プロジェクト』

著者、戸高一成(とだか=かずしげ)・呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)館長。角川書店。

十分の一スケール、全長26メートル戦艦大和の復元プロジェクトを率いた著者が、500日にわたるスタッフの熱き闘いを描いた作品です。復元された戦艦大和は2005/4/23オープンした広島県呉市の大和ミュージアム(正式名称・呉市海事歴史科学館)に展示されています。
十分の一の戦艦大和が作られたことは報道で知っていました。単純に模型のスケールを上げて出来上がったのだと考えていましたが、とんでもない認識だったことがわかりました。元々戦艦大和に関する資料が無いのに、実物の十分の一の模型となると曖昧な部分もしっかりと形状を把握しないと製作できないため、その努力たるや想像を絶する作業だったようです。しかも戦艦大和自体が何度も修繕が行われていったため、最終的な形がどれであるのかを特定することも難しいのだそうです。したがって、復元されて展示されている戦艦大和は今後の研究によって改修されることがあるとのことです。作って終わりという単純なものではなく、大和の真の姿を可能な限り再現しようとする惜しみない努力には頭が下がりました。

本書の中で完成した戦艦大和が『男たちの大和/YAMATO』の撮影に使われたことが記載されていました。終戦60周年を迎えるに当たって作られるべくして作られた模型であり映画だったのでしょう。間違いなく模型が迫力ある映画に大いに貢献しています。来月のツアーでは原寸大ロケセットと大和ミュージアムの両方訪ねることになっています。映画、サウンドトラック、新書によって戦艦大和に会う準備は整いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.02.10

新書『「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか』

大塚英志(おおつか=えいじ)・まんが原作者、大澤信亮(おおさわ=のぶあき